ボクは都心に買い物に出掛けた帰りに幼なじみ「いずみ」のママさん、初美さんに駅の改札で会った。彼女はかつては世界中の平和を護るために文字通り飛び回っていた「元」スーパーウーマン、いまは普通のおばさんとして生活をしているはずが…(゚_゚;)
元スーパーウーマンさんとはプライベートで会うときはつい、おばさんと呼んでしまう。
「あ、おばさん。買い物ですか?」
「そうよ」
元スーパーウーマンさんは巨大な買い物袋をいくつも抱えている。
自分が荷物を持って家まで送ることになった。
「頼りになるわね、ヒロシくん」
「最近は物騒だから今日は僕がおばさんのナイトになりますよ」
「ふふふ、ありがと」
元スーパーウーマンさんが持っていた荷物のの一つを渡された
「うわ!?おも・・・」
想像以上に重たい買い物袋を何とか一つ持ち上げた
「あら、これじゃあ、どっちがナイトかわからないわね♪」
そう言ってボクに優しく微笑みかける元スーパーウーマンさん。残った買い物袋を軽々持ち上げる。
「じゃあ、帰りましょうか」
改札を出てバスロータリーへ二人で歩いていると、ロータリーの横の銀行に大型トラックが不自然に停まっていた。
「あのトラックの止まり方不自然だな…」
ボクはトラックの止め方が不審に思った。
ふと立ち止まる元スーパーウーマンさん。
「何かあったのかしらね?」
営業時間なのにシャッターが降り、店内から銃声が聞こえてくる。
「おばさん、もしかして強盗!?」
「ちょっと行ってくるわ」
「行ってくるって、おばさん?」
走り出す元スーパーウーマンさん。
通りにある大きな看板の後ろを通り抜けると、一瞬でコスチューム姿に変身。
シャッターを無理やりこじ開け店内へ侵入した変身した元スーパーウーマンさん。
「誰だっ!?」
突然の侵入者に銃を向ける銀行強盗。
「通りすがりの『元』スーパーウ ーマンよ♪」
余裕の笑みを浮かべフロア中央へ歩き出す元スーパーウーマンさん。いや、じつはまだ現役のスーパーウーマンだ。
強盗たちからの激しい銃撃がスーパーウーマンを襲う。だが鋼鉄の身体が傷つく事は無い。
あっという間に機関銃を撃ちつくした強盗たち。
「あら、もう弾切れ?」
スーパーウーマンはそう言うと、強盗たちに見せ付けるように手を開いた。
スーパーウーマンの掌からパラパラと銃弾が落ちた。
「こんなおもちゃで遊んでると危ないわよ」
リーダー格の男から銃弾の尽きた銃を奪い取るスーパーウーマン。
コスチュームの襟元を引っ張ると、銃を半分に折り曲げると巨大なバストに挟み込む。
因みに「いずみ」からの情報だとスーパーウーマンのバストは100cmオーバーらしい。
「これは私が預かっておくわね」
そう言って腕を組むスーパーウーマン。
逞しい二の腕によって寄せられた胸の谷間が機関銃を押し潰す。
目の前の光景に思わず股間を膨らましてしまう強盗のリーダー。
「ちょっとどこ見てるのよ!」
デコピンで男の額を弾くスーパーウーマン。
吹っ飛ばされた強盗は壁を突き破り店外へ飛んで行った。
「バ、バケモノだー!?」
脱兎の如く逃げ出す残りの銀行強盗たち。お金をほったらかしにしてトラックに乗り込み慌てて発進した。
これで一安心、と思いきやトラックの進路をふさぐようにスーパーウーマンが現れた。
ドーン!
あたりに響き渡る轟音。
スーパーウーマンが跳ね飛ばされた!と思いきや破壊されたのは猛スピードで走る大型トラックの方だった。
シートベルトをしていなかった為、フロントガラスを突き破り 地面に叩きつけられた強盗たち。
「あらあら、大丈夫?」
振り返るスーパーウーマン。
ぐしゃぐしゃに潰れたトラックの前面はスーパーウーマンの巨大なバストの形に凹んでいた。
スーパーウーマンは道路わきの標識で強盗たちを縛り付けた。
警察が駆けつけるのを確認すると、スーパーウーマンはそそくさと現場を去る。
またしても看板の後ろを通り抜けると、いつもの元スーパーウーマンさんへ変身、ボクの元へ何事も無かったかのように戻ってきた。
「じゃあ、帰りましょっか。しっかり守ってよね、ナイトさん♪」
そう言って微笑む無敵の『元』スーパーウーマンに苦笑いを浮かべるボクだった。
※この物語はチャット仲間の須賀ハジメさんのプロットを元に書きました。須賀ハジメさんにはこの紙面をもって御礼申し上げます<(_ _)>