♪シャランラ シャランラ ヘイヘヘイイエーイエ シャランラァ~
子供だなんてぇ~ おもったらぁ! おおまちがいよぉ~ 女の子ぉ
ふたつのむねのぉ~ ふ・く・ら・みはぁ~ なんでもできるぅ~ 証拠ぉなのぉ!
…魔女っこメグの主題歌より。
スーパー少女メグは、市立北中川小学校の5年生のおんなのこ。学校から歩いて10分のマンションの12階に住んでいる。パパは、ごく普通のサラリーマン。ママは、パパには不釣合いなほどキレイで、やさしいお姉さんのような人である。
この娘のメグは学校一の美少女で、頭もよくて、スポーツ万能。しかし、彼女はトラックも軽々と持ち上げる怪力の持ち主だった。それだけではない、空だって、飛行機よりも速く飛べるのだ。
じつは彼女のママは、パパと結婚するまえは、メグのようにトラックや戦車も軽々と持ち上げる怪力と飛行機よりも速く空を飛ぶスーパーウーマンだった。ママの先祖は、銀河警備隊から派遣され、地球の平和を守るためにやってきたのだった。その血を代々受け継いで地球を守りつづけたママ。そんな、ママも地球の平和が維持され、いまはやさしいメグのママだった。
そういえば、メグがまだ小学1年生のころ、メグはパパさんに聞いた。
「パパは、なんでママと結婚したの?」
「ん?そうだね。パパは強くてやさしい女の人が好きだったんだ。」
「強いって、ケンカに強いこと?」
「そうじゃなくて、悩んでいる人を励ましたり、困ってる人を助けたりすることだよ。それにママは力持ちだったしな…」
「パパ、こんな華奢な女性をつかまえて、力持ちは、ないでしょ!」
「ママって、そんなにすごいの?」
「ママはね、いまは普通のやさしいメグのママだけど、ほんとうは自動車を持ち上げたり、飛行機よりも速く空を飛べる、スーパーウーマンなんだ」
「パパ!子供にそんなウソ言っちゃダメよ。本気にしてよその人に言ったらどうするの?」
「ハハハ、そんなこと言っても誰も信じないさ。でもね、パパが初めてママと出会ったのは、会社の旅行のとき、バスが故障で止まったときなんだ。パパの乗ったバスが踏み切りで立ち往生して、動けなくなったとき、ママが空を飛んで助けにきてくれたんだ。そして、バスを持ち上げて、動かしてくれたんだ」
「ママって、そんなにすごいんだ。」
「パパ、もういいかげんにしてよ!」
パパのママの話しは延々1時間半も続いた。
バスの故障の話しから、デートをしているときに道路に飛び出した子供を見て、走ってきたトラックを止めたこと、スキーに行ったとき、ゴンドラが故障して閉じ込められたとき、ドアを怪力でこじ開け、ゴンドラを地上に降ろしてみんなを助けた話し、ママとドライブに行ったとき、山道でがけ崩れがあって、大きな岩が道路を塞ぎ、それをママが持ち上げて、道路を復旧させた話しなどなど、大人が聞いたら笑い出すような話しだった。
「そういえば、草加の玲子ちゃん、いるだろ。メグはあの子に助けられたんだぞ」
「わたしに、なにかあったの?」
「うん、まだメグが1歳半のころ、このベランダから落ちたんだ。ちょうど、玲子ちゃんが遊びにきていて、それを見つけた玲子ちゃんが、ベランダから飛んで、メグを助けたんだよ。玲子ちゃんはあのころ、小4だったかな。」
「へえー、玲子ちゃんて、もうそのころから空飛べたんだ。」
「いいや、メグがベランダから落ちるのを見て咄嗟に飛んだらしいぞ。草加のおばさんもビックリしてたっけな」
しかし、メグはパパの話しを聞いて、笑うようなことはなかった。むしろ、
「ママってすごいんだね。私もママみたいになれる?」と、真顔で聞いたのだ。
ママは「さあ、どうかしら。メグはまだ子供だし…」と、お茶を濁したが、パパは、こんなことを言ったのだった。
「もし、メグがママのようなスーパーガールで、困っている人を助けてあげたら、パパはうれしいな。困っている人を助けてあげるなんて、なかなかできないもんだよ。パパはママが、普通の人にはできないことを簡単にやってしまう、スーパーウーマンであることに誇りさえ持ってるんだぞ。」
それから、数年後、メグが普通の少女からスーパーガールになったのは、胸がふくらみはじめた、小4の終わりの頃。ときどき、自分でも信じられないことをすることがあったのだ。
学校に遅刻しそうになって、走ったら大通りを走るオートバイを追い越したとか。
なかのいい同級生とテレビでやっていたスーパーマンのまねをして、止めてあった自動車に手をかけたら、片手で持ち上げてしまったとか。友達と神経衰弱をやっていたら、トランプの表が全部、透けて見えていたこと。マンションのエレベーターが故障していて、12階までジャンプしたこと…etc.
自分のやることに悩んだメグはお母さんに打ち明けた。
「メグ、そんなことがあったの。でも、このことはママ以外に絶対言ってはダメよ。たとえ、おとうさんでも。」
ある日、ふくらみはじめたメグの胸を見た、おかあさんは、こう言った。
「メグも大人になってきたのね。あなたに試してみたいことがあるの。夜、おとうさんが寝たら、ウラの空き地に行くわよ」
「ママ、なんでおとうさんが寝てからなの?」
「このことは、決してほかの人には見せられないの。たとえ、おとうさんでも」
寒い、寒いある冬の真夜中、午前1時半。ママは、メグをそっと起こした。
「メグ、さあ、行こう。」
眠い目をこすり、ママの姿を見たメグ。
「ママ!その格好はなに?パパの話しって、ほんとうだったんだ!ママ、カッコいい!」
ママは、十数年ぶりにコスチュームに袖を通したのだ。しかし、ママのスタイルは往年のままで美しさのなかにも、凛々しささえ感じたのだ。
「さあ、行くわよ。メグもこの服に着替えて」
「えっ、これって、ママとお揃いの服?」
「そうよ、これを着れば、どんなに暑いところでも、どんなに寒いところでも平気よ」
メグはママとおなじコスチュームに着替えた。厳密に言えば、ママのコスチュームとは、色違いではあるが。
「メグも、もう立派な大人になっているのね。胸なんか、あたしより大きいわ」
「でも、ママみたいに似合ってる?」
【スーパー少女メグ】の誕生である。メグ、小4の3学期の夜であった。
メグの胸の大きいのは、パパの家系の血筋のようだ。パパの親戚が集まると、かとうれいこや、かたせ梨乃、小池栄子、乙葉が一度に集まったようだった。でも、顔立ちはもちろん、その人間を遥かに超越した身体能力は、完全にママの血を受け継いだのだ。ママの能力は、女性にだけ受け継がれる、彼女の星の独特の特徴でもある。メグのいとこジュンコも、いまはアメリカに移住し、アメリカで平和を守るスーパーウーマンになっていたのだ。
「さあ、メグ、港まで飛ぶわよ」
「ママ、怖い!」
「だいじょうぶよ。私についてきて」
夜空に二つの光が飛んでゆく。スーパーガールメグと、スーパーウーマンになったママの編隊飛行であった。
「パパ、起きないかなぁ?」
「だいじょうぶよ、朝まで起きないわ」
「どうして?」
「それは、メグにボーイフレンドができたら、わかるわ」
この日、夕食が済み、パパは洗車をしに駐車場へ。
「きょうが、メグを試す日だわ」
ママは、パパに数年ぶりに変身した。
「あなたー!」
ママは、変身した姿をパパに見せるため、ベランダからパパを呼んだ。パパが、ママの方を振り向くと、ママは、ベランダから、パパのいる駐車場に飛び降りた。
「じゃーん!どう?昔とかわらない?」
「う、うん。いまのほうが魅力的だよ。力強さのなかに、母のやさしさを感じるよ」
そして、ママはパパに抱きつき、Kiss!
じつは、そのときにママのスーパーブレスでパパに息を吸い込み、パパは気絶したのだ。一種の酸欠状態である。ママは、パパを抱きかかえ、ベランダへジャンプした。
「パパ、手荒なことをして、ごめんね。」
パパをそっとベッドに寝かし、そっと、Kiss
二人のスーパーヒロインは港に。真夜中の港は、人影もない。
そこには、古いクレーンを解体した、残骸があった。それをママが拾い上げ…といってもママの背丈の倍はある大きさだ。重さは数tは、あるだろうか?
「メグ、これを投げるから取るのよ」
ママが、鉄骨を投げた。まるで、やりなげのヤリのようだ。
メグが、キャッチした。軽々と。とても、小4の女の子のできることではない。しかし、現実には目の前で、信じられない光景が当たり前のように展開されているのだ。
「その鉄骨を曲げてみて」
ママは、メグにそう言った。
ググググ…。メグが渾身の力で鉄骨をねじ曲げる。Uの字に曲げるのが精一杯だった。
「まだ、子供ね。それを私に投げて」
メグがUの字になった鉄骨を投げた。まだ、力加減がわからないのか、ママの遥か頭上を行きそうになる。メグの投げた鉄骨は、倉庫の広告塔に当たりそうになる。
「あっ、あぶない!」
ママが、いや、スーパーウーマンがジャンプし、鉄骨を片手でキャッチした。
ストン!ママは、鉄骨を片手で持ったまま、着地した。そして、Uの字になった鉄骨をねじり固めて、最後には鉄の塊にしてしまった。
「こんどは、このフォークリフト、持ち上げてみて」
メグは、両手で軽々と持ち上げた。そして、ママにパスしたのだ。
ママ、いやスーパーウーマンは飛んできたフォークを片手で受け止め軽々と持ち上げ、放り投げた。そして、フォークに息を吹きかけると、フォークは風に舞った枯葉のように飛んでいってしまった。
「まだ、ママにはかなわないわ」
「だいじょうぶよ。メグだって大人になれば、ママみたいにできるようになるわ。いまだって、普通の人間より遥かに力もあるし、人間は空なんか飛べないわよ」
港の夜が白々と明けてきた。
「いけない。もう家に帰らないと。パパがおきちゃうわ」
すると、ママは
「だいじょぶよ。パパがメグのその姿を見ても驚くことなんかないわ。むしろ、こんなにかわいくて、強いメグの姿に、感激するわよ」
「さあ、ママ、帰ろう。パパの朝ご飯、つくんなきゃ。」
朝日に向かって飛び立つ、2人のスーパーヒロイン。
その年の夏休み。メグは家族でドライブに出かけた。ある、田舎の踏み切りでメグたちの乗った車はエンストをしてしまった。
「しまった、エンストした。」
パパの言葉を聞いたメグは、ママにウィンクをして車を降りた。
「パパ、私が車持ち上げてあげる。」
スーパーガールに変身したメグ。ママよりも豊かに膨らんだ胸元。その姿は小学5年生の少女には見えなかった。メグがフロントバンパーに手をかけた。ググッ!メグは車を頭上まで持ち上げた。フワリ。こんどは後ろが持ち上がる。
パパはミラー越しに後部座席を見るとママの姿がない。
いつのまにか、スーパーウーマンに変身したママが、後ろを持ち上げていた。
「パパ、このままホテルまで行こうよ」
「メグ!一人でだいじょうぶね。ママが案内するから、ついてきて!」
こうして、スーパー少女メグは誕生し、スーパーウーマンの復活でもあった。
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