ある朝の、編集局の風景。
「デスク、お茶が入りました」
「お、サンキュー」
そのときである。デスクの電話がけたたましく鳴った。
「はい、東西日報。なに
誘拐事件だ
犯人がたてこもり
場所は
…わかった
すぐに行く
」事件発生の情報である。
「おい、誘拐事件だ
」デスクは部屋中に聞こえる大声で怒鳴った。
「デスク、誘拐事件なんですか
場所は
犯人は
人質は
」給湯室にいたはずの恭子がいの一番にデスクの前にいた。
「いちいちうるさいな
深川で4歳の子供が誘拐だ。さあ、でかけるぞ
おい恭子
おまえは留守番だ
」…が、そのとき、恭子の姿はすでに消えていた。じつは恭子はスーパーヒヤリングで電話の内容をすべて聞いていたのだった

「1時間後に仙台だって。私なら楽勝だわ
先輩が来ないうちに片付けちゃお…
」彼女はそうつぶやきながら、上のフロアーのコピー室に駆け込んだ

「さぁ、行くわよ。私ならほんの2,3分で行けるわ」
恭子はそう言いながら制服を脱ぎ捨てていた。スーパー ガールに変身をしたのである。
「誰もいないわね
」恭子は周りを確かめると廊下を駆け抜け、非常階段の踊り場に出た

「デスク。私の活躍を記事にしてね
」恭子はそういいながら、強盗の立てこもっている仙台へ飛んでいった

デスクには恭子の秘密を知っている、よきパートナーがいた。
駆け出しのカメラマン、小沢であった。
仙台に文字通り飛んだ恭子は小沢からの情報で犯人のアジトに目星をつけていた。
松島海岸である。
海岸の近くにある洞窟が誘拐犯のアジトであった。そこは戦時中陸軍の基地として部屋が掘ってありアジトに使うには好都合であった。
「あ、あそこね
」スーパーガールに変身をしている恭子は、犯人たちがいるアジトへ急降下した。恭子はアジトの中へ入って行った。
「まて、おまえは誰だ
」彼女の足音に気付いた誘拐犯は、すぐに拳銃を向け威嚇した。
「だれでも、いいでしょ。それよりはやく坊やを返して
」「うるせえ
おい
かまわん。撃ってしまえ
」見張り役の誘拐犯は恭子に拳銃を向け、威嚇したが、彼女 いっこうに構わない様子だった。
「あんたたち、こんなもので恭子を追い払おうなんて、考えが甘いわね
こんなものが通用するとでも思うの
」「うるせえ
」“パーン
”恭子の挑発的な態度に、1人の男が拳銃を撃った。しかし恭子は身をかわし、弾丸をよけた

「な、なんなんだ
この女、拳銃の弾をよけたぞ」もう一人の男は恭子に向かって機関銃を乱射した。
「くそ
蜂の巣にしてやる!」しかし、恭子は機関銃の弾をよけるどころか腕組みをし仁王立ちになり、笑みさえ浮かべていた。
ときどき鈍い音が洞窟の中で響いていた。恭子の身体に機関銃の弾が当たる音であった。
「くそ、機関銃が通用しないぞ…」
男は機関銃の弾丸を全て撃ってしまった。 恭子は笑みを浮かべながら機関銃の男に近づいていった。
「もう、終わり
それじゃあ、こんどは恭子の番ね」そういうと恭子は男の機関銃を取り上げ、あっという間に 真っ二つに折ってしまった。
「こんなものは危ないわ。こうやっておけば、だいじょうぶね

」恭子はそういうと真っ二つに折った機関銃をアメのようにねじり、鉄の棒にしてしまった。
「ちょっと、ここで休んでいて
」恭子は男の鳩尾にパンチを入れた
男は気を失い、膝から崩れ落ちていった。「さあ、今度はあなたの番よ
」恭子はそういうとピストルの男の胸倉をつかみ持上げていた。小柄な男は足をバタつかせていた。
「どうしたの
反抗はしないの
もう、意気地がないんだから…」恭子は壁に向かって男を放り投げた。男は頭をぶつけ、気を失った。恭子は洞窟の奥へ向かい歩き出した。しばらくすると、鉄格子がある部屋があった。
「あ、ここね。坊や
もう大丈夫よ
おねえちゃんが助けにきたわ
」恭子はそういうと鉄格子に手をかけ、グイと力を入れた。
鉄格子がみるみるうちに曲がっていった

鉄格子の中にいた子供は目の前の信じられない光景に目をパチクリさせていた

「おねえちゃん、すごいなあ
こんなことパパだってできないよ
」「うふふ
でもね
おねえちゃんなら、できちゃうんだよ
さあ、おうちへ帰ろう。パパとママがまっているわよ」「うん
」洞窟から出ると恭子は子供を抱え上げた。
「さあ、しっかりつかまっているのよ。おねちゃん、これから飛ぶからね」
子供を抱え上げた恭子は空へ向かって舞い上がっていった。
-終わり-
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