Rain drops in 'Blue Winter' | 本橋ユウコの部屋

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<Rain drops>




「後悔してるのか?」
 背後からかけられた低い声に、窓の外に広がるどんより曇った空から視線を外し振り返った。
「…後悔って、何を?」
「だからさ、オレとそういうことになったのを…さ」
 まるで反省などしていないといったニヤついた顔で、そんなしおらしげなことを、良く言う。
 一瞬、不精髭が生えてはいるが端正なその顔を強かぶん殴ってやりたい衝動がこみあげたが、
それは本当に一瞬のことだった。
「別に…」
「でも恨んでいるだろう?」
「何でさ」
「オレに向ける目が冷たいぞ」
「…生温かく見守られたいのかアンタは?」
「微笑えよ」
 思わず真顔で向き直り…そして呆れた。相手の黒い瞳は、全くふざけていなかった。
「空気読めよな…。とてもそんな気分じゃないよ」
 こっちは運悪く外国で無一文の身で、仕方なく同性との…そういう羽目に…。
 唐突に、悔しさとも情けなさとも単純に表現出来ない、泣きたくなるような胸苦しさがまた突き
あげて思わず顔を顰めた。
「無理だよ…」
「微笑えって」
「嫌だ。アンタの前では」
 否、誰の前でも。
 きっともう二度とそんな日は来ない。
 ”絶望”という言葉の本当の意味を、ぐさりぐさりと繰り返し突き刺されるようなリアルさで
一秒毎に思い知らされているような人間には…。
「アンタにそこまで要求する権利が、あるのかよ…?」
 やっとのことで吐き出すように投げつけた言葉にも、相手は待っていたとばかり笑みに顔を
崩した。
「スポンサーの要求には応じるべきだぜ。だろ?」
 絶句していると、残酷な優しい声と仕草で距離を詰めて来た。
 大きな両手に顔を挟まれる。それは意外なくらい、温かい手だった。
「ほら、微笑ってくれよ。オレを見ながら…オレが嫌いか?」
 こっちは怒りで息が詰まりそうだ。
「ああ。嫌い、だ…」
「ふうん。じゃあ」
 眼鏡を取り上げると、かなり強引な口づけ。
「後は好きになるだけだな。…ん?」
「止めろって…畜生っ!」
「そういう無駄な抵抗っていいよな、生きてるって手応えがあってさ」
 体格差には到底抗えず、抱きしめられると諦めが黒い染みのように心に広がって行く。
 ひっかけているだけのシャツの前がまた掻き拡げられ…どうしようもなく息が、熱くなって
しまう。むしろ抵抗したく、ない…。
 そんな自分に心底、絶望する。
「い、嫌だ…っ」
「よく聞こえないぜ…あ、これお前の心臓の音か?かわいいな。コトコト打ってら…」
 曇った窓ガラスを雨が叩き始めた。 



(『Blue Winter』)









某巨大イラスト投稿サイトの企画ネタで、絵に小説つけてみよう!みたいのがあって面白そうだったから、いつもの二次本ネタですごい昔に描いた不健康イラストから妄想して、キャプション欄だけなんで短いし~♪と思ってちょろっと書いてみたんだが…(オイオイ良く見たらBLじゃねえか~)。

何故だろう?エロ絵を初めてアップした時より100倍くらい恥ずかしいィィィッ!!!!(爆)

…自分ってやっぱ文才ねえな、と改めて思い知らされた瞬間。。(ガク)



しゃーねえから、絵の勉強また地道に頑張るぜィ!☆(泣)
(こっちで使ってる画像は一部、ふんいきでテキトーに後付け。。ていうか字が曲がってないか…?苛)