少年サンデーに昭和61年39号~昭和63年1号まで掲載された世紀末漫画。
主人公の赤坂竜二は光学園高校二年B組に在籍する高校生だが喧嘩っぱやい一匹狼。
弱い者いじめをするタイプではなく、最低限の一般常識はあり、シングルマザーの親と二人暮らしをしている。
そんな彼が、何故かタイムスリップして中近東風の建造物に君臨するドーマの王様とその軍隊と戦う羽目になる。
彼は数々の奇跡を起こして徐々に周囲の信頼を勝ち取っていくのだが・・・
初めてみたドーマの感想は竜二いわく野蛮でグロテスクで大時代的な世界。
ちなみに、できて300年たつドーマ王国は王家を頂点に一二人の最高執政官、その下にドーマ市民3万。軍の規模は約10万。
それを三つの市と、三つの村で養っている。そしてドーマ市民を含む殆どが文盲。税率はアホほど高く農作物の90%が税として持っていかれる。
恵みの日の元ネタは落穂拾い (絵画)だろう。
地主の麦畑の収穫を手伝う零細農民が、手間賃のほかに収穫の約10%だけ残された落穂を拾う権利をいう。元々古い欧州農村社会の互助的風習であり、農村の近代化とともにすたれていったが、作者のジャン=フランソワ・ミレーの当時のフランスではその権利がまだ残されていたらしい。
当然手間賃なしてただ働き同然の三つの市と、三つの村はドーマに深い恨みを持っており、本作でドーマを良く言う人は一人もいない。事実、竜二か来た時は大規模な反乱の直後だった。
それをどう滅ぼすかが本作のメインテーマの一つなのだが・・・