【韓国映画】新しき世界② ネタバレ感想 善と悪の境界線 | ROUTE8787 サンサクキロク

ROUTE8787 サンサクキロク

好きなものを好きなだけ。
韓ドラ狂騒キロク
映画と音楽とドラマがあればいい

で・・・・感想です。

 

とにかく、シビレましたね拍手不安

最初から、最後まで。

134分なんですけど、全然、長さを感じない。

話はサクサクと進むし、

隅から隅まで、

ぎっしり中身がつまっている感じで、

中だるみ感一切なし。

 

チョンチョン&ジャソンの関係性

ジャソンとチョンの関係は、

けっこうアッサリと描かれているのに、

どうして、こうも、この2人の関係性が、

胸を熱くさせるんでしょうチュー

 

この作品は、

関係性をあまり説明してないんですよね。

でも、ちょっと仕草や、ちょっとした言葉で、

きっちりと描いている所が、

素晴らしい所だと思うんですよ。

 

車の中で、軽口をたたく場面にまず表れていて。

image

チョンはジャソンの為に、時計を買うんだけど、

ジャソンには偽物だと呆れられるんですよね。

 上司と側近という関係でありながら、

それだけでは無いというのが

よく分かります。

 

そして、この2人が話していると、

まわりの側近たちも、

にこやかな表情をしてるんですよね。

周囲の人間も、この2人の信頼関係を全く疑っていない事がよく分かります。

 

そして、車が突っ込んできた時に、

咄嗟にチョンを守ろうとしたジャソン。

image

 ここも、さら~っと描かれているんですけど、

この場面が後々のチョンが、

ジャソンを信じ続けた理由付けに

なってくるんですよね。

 きっと、どんな時も、こうしてジャソンは、

チョンを守ってきたんだと思うんですよね。

自分の命を危険にさらしてまで。

 ジャソンも、そうする事に何の疑問もなく、

チョンを守るべきだという気持ちが、

こう染みついているんでしょうね。

 でも、チョンは、そういう所をずっと見てきて、

ジャソンの人間性を理解していたんでしょうね。

 

(ちなみに、この場面で、

チョンがジャソンに、

「今の、カッコ良かったやん~!」と

からかう所も、面白かった)

 

チョンのジャソンへの絶対的な信頼が、

こういった、ちょっとした場面で

しっかりと描かれているからこそ、

警察だと知っても、怒り狂う訳でもなく、

彼を守ろうとした事を理解できます。

むしろ、警察という任務と、

チョンとの信頼関係の間で、

苦しんでいたジャソンを、労わり、

自分のいなくなった後の人生まで

心配していたワケですよ。

 

こういう言い方をすると、

ちょっと下世話な感じでアレなんですけど。

 

とにかく、

チョンチョンは、ジャソンLOVE

なんですよ。

そして、

ジャソンもまた、チョンチョンLOVEなんですよね・・・・

 

あああ。男の友情って、尊いわ・・・・目キラキラ

 

ヤクザの世界ですから、

正直、めちゃくちゃ恐ろしいんですよ。

オープニングから。

お前潜入警察だろ・・とか疑われて、

多分、本当に誤解なのに、

拷問いっぱいされて、セメントを飲まされるという悲惨な目に遭った人もいた。

 そういう世界だからこそ、

この2人の何者にも阻まれない純粋な友情が、

こう輝きを増すんでしょうねぇ。

 

ジャソン&妻の関係性

こちらも、

あまり説明がなさせれていないんですけど。

この妻っていうのは、カン課長と繋がっていて、

ジャソンの事について、報告をする係のようなんですね。

でも、その事をジャソンは知らないワケです。

 でも、カン課長が

「最近、報告がないじゃないか・・・」

と妻に文句を言うシーンがあるんですね。

 そのシーン一つで、妻は、

ジャソンに本気で惚れとるな???

っと感じ取る事が出来るんですよね。

 そして、最後のシーンで、

今から会長の座を奪ってくるぜ・・・・

って玄関から出ていく時、

妻と目が合って、こくりと頷くんですよ。

 もう、完全に恋してる目なワケですよラブ

この2人の間で、

どんな話がなされていたのかは分からないけど、

どういう状況でも2人で生きていくって

決めた目をしているワケなんです。

 この2人でも、

切ない作品が1つ出来そうなのに、

あえて、こうサラッと・・・

それでいて、しっかりと関係性を

描いている辺りが、

この作品の崇高な所だと思いますキラキラ

 

ジャソンとカン課長の関係性

ジャソンにとって、

上司はずっとカン課長だったワケです。

普通の警察官だったジャソンを、

潜入捜査に招き入れて、

「次が最後」詐欺を繰り返していたんですよね。

 ジャソンのイライラするような

苛立ちが凄く分かるんですよね。

正しい事をしている人間であるはずなのに、

徐々にそう思えなくなっている自分。

 

潜入捜査をするように言われた時に、

ジャソンの書類を、

まるで駒のように捨てたカン課長。

 潜入捜査班だと知りながら、

ジャソンの書類を、

そっとなおしておいたチョン。

 チョンとカン課長は、

常に対比として物語が進んでいくのも、

面白い所なんですよね。

 

悪人であるチョンと、善人であるはずのカン課長。

 そういった絶対的なポイントが、 

ズレてきている事に、

ジャソンは、自分がおかしいのか、

自分もヤクザの世界に

染まってしまったのだろうかと、

そんな感情が、

彼をどんどん疲弊させていったんだろうね。

 

言われた通りにやってもやっても、

カン課長の要求は終わりがなかった。

自分の人生は、

こうして駒のように扱われて生きていくのか。

 死んでいく、その間際まで自分を人として扱い、

信頼を置いてくれたチョン。

 善と悪が、グルグルと回り続けて曇っていたジャソンの目が、

とてもクリアになった瞬間だったに違いない。

 

チョンチョン兄貴の絶対的なカリスマ性

もうね。正直、出てきた時は、

なんや。こやつは???と思うんですよ。

本当、ファン・ジョンミン様の上手い所なんでしょうけど。

 軽くて、アホっぽい所に、

それだけでない魅力を

感じさせてくれるんですよね。

 

そして、どんな時も軽口をたたきながら、

陽気なヒョンを見せつけておいての、

あの倉庫のシーンは、マジで、怖かった・・・・・

 潜入刑事が2人いて、

ジャソンの目の前で一人を撲殺して、

もう一人の女性刑事には、

レイプし拷問までしていたという・・・・

容赦のない、狂気的な所も、

ためらう事なく描かれていて。

「そうやった、こやつは、ヤクザやったぜ・・・」

と思い出させてくれるんですよね。

 この時のジャソンが相当な汗をかきまくるけど、

気持ち分かるで・・・・

 

 この時のドラム缶でレイプされて拷問された女性警官。

チョンに始末しとけと言われた手下が、

「もうちょっと遊ばせて貰う」

とか何とか言うのを聞いて、

咄嗟に、ジャソンが銃を女性に向けるんですよね。

 この時に、女性が諦めた表情をして、

頷くんですよね。

このシーンも、

とても繊細で素晴らしいシーンでした。

 

 

で、瀕死の傷を負ったチョンが、

ジャソンに語りかけるシーン。

 もう、

ちょんちょん兄貴最高ーーーー!!

と思っちゃう名場面ですね。

 怪我して、表情とか分からないけど、

その小さな瞳から、優しさが駄々洩れなんっすよ。

 

それはそうと、倉庫で潜入捜査の刑事を殴り殺したチョン兄貴なんですけどね。

この時は、すでにジャソンも警察官だという事は知っていたんですよね。

だからこそ、異様なまでに汗をかくジャソンも気にならなかったワケね・・・

 でも、どうして、ジャソンにそういう場面を見せつけたのか。

 それは、ジャソンにそろそろ決めて欲しかったんだと思うんですよね。

死の床で、ジャソンに

「この辺でどちらかに決めろ」と言ったように、

まさか自分が襲撃されると

思っていなかったチョン兄貴は、

今の状況を続ければ、こういう事になてしまうぞ・・・という脅しというか、

注意喚起をしたんだと思うんですよね。

 そういう意図があったんじゃないかな~と思ったワケです。

やってる事は極悪非道だけど、ジャソンの為・・・だったんですね。

 

ジャソンの最後数分の魅力

 ジャソンは、前半はメソメソしてるんですよ。

「辞めさせてくれよ~~~」って。

 いつバレるか分からないから、

常にビクビクしてるし、

倉庫のシーンなんて、

相当な汗をおかきになってるんですよね。

 

でも、気持ちが定まってからのジャソンは、

マジで魅力の大爆発でした!!!

 

同時進行でスマートに、無慈悲に殺人を犯し、

会長の座に座る。

 もう、この1連の流れは、何度観ても、

シビレてしまいます。。

 正直、男前じゃないと思うんですけどね。

この最後の数分は、本当にカッコイイし。

 

 こう見直した所で、

6年前の2人が出てくるんですけど。

この時の、ジャソンが、魅力的過ぎて、

度肝抜かれました・・・・

image

思い出すシーンは、2人であんな大人数を?・・・って思ったりしたけどね・・・

 

まとめ

とにかく、

演技はすべての役者さんが申し分なしでした。

隅から隅まで無駄がない

秀逸な脚本だったと思います。

若干、出だしから恐ろしい場面がありますが、

この名作を、是非、観て頂けたらな・・・

という気持ちで、

おススメしたいと思います。

 

善と悪の境界線の難しさを、見事に描きながら、

結局、人とのつながりが全てなんじゃないかと

思わせてくれます。

 血生臭く、憎み合い騙し合いのある

「悪」の世界で、

信頼で結ばれた関係が、

人間の純粋さを、浮彫にさせてくれます。

 

ダークサイドに堕ちていく人間を、

これほどまでの説得力とともに 

描いた作品も珍しい。

善と悪だけで答えが導き出せるほど、

世の中は単純ではないのだ。

 

image

image

image

image

ファンジョンミン様がたまに、

貴乃花親方に見えちゃう不思議・・・・(笑)