【洋画】 リピート鑑賞 陽のあたる教室 ネタバレ感想 | ROUTE8787 サンサクキロク

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陽のあたる教室 / アメリカ

1995年 144分 DVDリピート鑑賞

2023年 26本目 ☆☆☆☆☆

1965年、アメリカ。作曲の時間欲しさにバンド活動をやめ、グレンは高校の音楽教師となった。だがやる気のない生徒たちの姿を見て、彼は音楽の素晴らしさを彼らに教えようと決心する。やがて子供が産まれて喜ぶグレンだったが・・・・

 

 20年前にリアルタイムで劇場で鑑賞。

凄く感動して、2回観て、サントラ買いました。

 時折、思い出しては観たいなぁ~・・・と思っていたんですが

なかなか観る機会もなく。

 

【まとめシリーズ】で好きな映画をリスト化するのをキッカケに、

持っていない好きな映画のDVDを収集し始めてます。

 で、この作品を持っていない事に気付いて、1番に購入しました。

 

やっぱり、20年経過しても、

良い映画は良い映画でした。

 ホランド先生の音楽教師生活30年を、アメリカの時事とともに、

描いた作品です。

 

ホランド先生は、そもそも作曲家としての夢を持っていたんです。

その夢を成功させる為にも、副業的な気持ちで、

音楽の先生になったんですね。

 はじめは、片手間に始めた教師だったけど、

様々な生徒たちとの出会いを経て、それが天職となり、

人生を捧げる事になっていくワケなんですね。

 

 30年という月日を描いているけれど、

とにかく、とても中身の濃い内容になっている事が、

この作品の素晴らしい所です。

  

ホランド先生に影響を得て、成長する生徒たちを描きながら、

ホランド先生自身の成長も、見事に描いています。

 

昔、特に胸に響いたのは、

歌が上手で、NYへ行こうと決心する生徒のエピソードです。

 この時の、リチャード・ドレイファスの名演が素晴らしくて。

ただの、年の差の恋愛という事ではなく、

夢を追うか、諦めるかの瀬戸際。

そして、夢を追い求める事が出来る若さと才能に、

ホランド先生が憧れ、羨望する心情。

そうできない自分の人生を悔やんだり、数パーセントの望みにかけたいという

気持ちが、切実に伝わってくるんですよね。

 

この時の女優さんも上手で、ホランド先生への尊敬と愛情が、

まだ、分かっていない、あどけなさを演じていて、

 本来なら、無理のある設定を、

この作品にはなくてはならないエピソードに昇華させているんですよね。

 

 この時のホランド先生の最後の決断・・・

生徒の唇へのキスをかわして、頬にキスするんですよね。

夢を諦めた瞬間であり、妻と子供を捨てなかった瞬間で、

ホランド先生の人柄やカッコよさが表現されていて、

凄く良いんですよね。

 

 そして、耳の聴こえない息子とのエピソードも、涙です。

音楽を愛するホランド先生にとって、息子の耳が聞こえないという現実は、

どれほど、ショックだったかと思う。

 その現実から耳をそらすように、教師の仕事に没頭し、

息子と向き合わないホランド先生。

 その気持ちも、分かるけれど。

 

ジョンレノンの死に触れ、その悲しみを共有出来ないと思い込む父親に、

息子が、

「耳が聞こえないから、何も知らないと思っている。

自分は、ビートルズも知っているし、ジョンレノンも知っている」

 ハッとしたホランド先生は、聴覚障害のある人たちに向けたコンサートを開催します。

そこで、息子に向けて、手話で歌を披露するんですが・・・・

涙腺崩壊です。

 30年を描く作品で、尺は限られているのに、

ここまで親子の心情を描けるのは、本当に凄いと唸るしかないです。

 

そして、最後。

予算の削減で、音楽の授業がなくなり、ホランド先生は解雇となります。

子供たちから音楽をなくしたら、想像力もない大人になってしまうと

反発するけれど・・・・

 ホランド先生は諦めて、学校を去ります。

その最後の日、教え子たちが体育館に集まり、

ホランド先生の作曲したシンフォニーを演奏します。

 勿論、タクトはホランド先生が。

 

ホランド先生は、作曲家になれず、

自分の人生は失敗したと思っているかも知れませんが、

そうではありません。

私たちが、先生の音符であり、シンフォニーなんです。

 

 

夢を持ち、追い続けても、

叶わない事もある。

けれど、与えられた人生を、誠実に大切に生きる事で、

それ以上のものを、手に入れる事が出来る。

そして、

人生において、

人と接する事は、影響を与え合う事なんだと

 小さな音符を生み出す事なんだと。

 

 ホランド先生の30年の歴史と、音楽が、

それを教えてくれる名作です。

 

 恥ずかしながら、私も昔は(高校生頃まで)

小説家になりたかったんですよね。

で、小説家で売れるまでは、生活もしないといけないし・・・と、

看護師になった・・・という経緯があって。

 いつしか、看護師の方が天職だな・・・といつしか思うようになって。

今に至ってるんですが。

ホランド先生と同じというには、ほんと、恐縮なんですが・・・(笑)

 ひょっとしたら、

私の関わった患者さんの中でも、私の事を覚えてくれていたり、

私の一言で元気になってくれたり、笑顔になったりしてくれたりしたかな・・・

と思ったりして。

 

人間って、自分が思っている以上に、

良い影響を与えてるのかも知れないですよね。

 自分のさりげない一言や行動で、相手を幸せに出来るなら、

人生、豊かになりますよね。

 そんな事も、不意に思わせてくれます。

ありがとう、ホランド先生。