【読書】 最近読んだ本 「正欲」と「戦国純情派シリーズ」 | ROUTE8787 サンサクキロク

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正欲 / 朝井リョウ

2021年発売 ☆☆☆☆

2023年4冊目 

息子が不登校になった検事・啓喜。
初めての恋に気づいた女子大生・八重子。
ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。
ある人物の事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり合う。

 

※文庫本が発売になりました。

 

朝井リョウさんというのは、社会や世間を、独特の角度から見れる人だと思う。

常に何事に対しても、歪で穿った目で、世の中を見てるんじゃないかなって。

 絶対に、素直に物事を見ない。

その裏にある、人間の弱さや、愚かさや、孤独を見出せる人なんだと思う。

 

「死にがいを求めて生きているの」も、かなり衝撃を受けましたが。

今回も、「多様性」という風潮のその向こうにある、「異端」という部分を、

描いている。

 人とは違う趣味や嗜好。

それらを認める「多様性」という言葉。

けれど、その枠に入る事が許されない「異端」が存在するという事を、

突き付けられる。

 一瞬にして「多様性」は、偽善に満ちた言葉になるのだから、恐ろしい。

私たちが忌み嫌う嗜好も、本来ならば、「多様性」に属するのではないか。

それを、認める事が、果たして出来るのだろうか。

 

ただ、本作においては、

物語の中心となる嗜好を「水」とした所に、

著者本人もまた、その領域に踏み込めていない事を感じた。

 「水が好き」という嗜好は、まだコントロール出来る容易さがあるので、

罪を犯す云々とのせめぎ合いは、少し無理矢理感が残った。

 例えば、それが「小児性愛者」だとしたら・・・?

 

異端である「小児性愛者」である矢田部は、

本作ではやはり、最大の罪人として描かれている。

 その描き方は、従来の描き方と大差なく、

結局そこが落としどころになるのだ。

 矢田部の内面を描けない。

それが、朝井リョウの限界であり、現代の限界なんだと思った。

 

本作は問題提起で、解決策はない。

「多様性」という言葉で全てを理解したような風潮に、

警鐘をならす。

 結局、マジョリティの「正しい欲」が 「多様性」を選択していて、

それを延々と繰り返しているのなら。

いつの世も、「多様性」に入り込めない、

少数派は存在している事になる。

 その現実を知る事が、「絶対」という枠を緩め、

社会へ投じる優しさの一滴になるのだろうか。

 

こちらの作品、稲垣吾郎さん新垣結衣さんで映画化されるみたいですね。

稲垣吾郎さんは、ハマってそうだし、言い感じだけど。

新垣結衣さんは、どうかな・・・・

 

 

 

 

 

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霊獣Cの受難(1993年2月)
覇者Nの誤算
反逆者Mの憂愁
2023年 5.6.7冊目

 

  読みました!!!

想像していた以上に、読みやすくって。

漫画みたいに読めるレベルでした。

 高瀬美恵さんの小説って、すごく読みやすいと記憶してたんですけど、

確かに読みやすいけど、物足りなかったかも(笑)

 私も、年をとったのか、

なんちゃって読書をしてきたけど、

それなりに読書能力が上がってるのかな。

 

そう・・・簡単に言うと、子供騙しみたいな内容で、

私も、騙されてたのかな??

 

いや、批判しているワケではなく、

逆に、こんなに読みやすいのに、しっかりと歴史ポイントを押さえられてるのが、

凄いとは思いました。

「レジェンド・アンド・バタフライ」とも時代が、

合致していて、比べて面白かったですね。

 

そして、やはり、歴史ものを扱った上での、

こういう話の展開は、面白いと思いました。

どうしても、1冊が短いので、クリスの説明・・・みたいな流れが多いので、

もうちょっと、それぞれの心情を描いて、分厚くしても良かったかな・・・

と思いました。

 

でも、面白かったです。

3冊、余裕で1日で読めましたが、

貧乏で暗くて、漫画と読書に明け暮れていた青春時代を、

想い出しました。

 あの頃は、漫画や小説を読んで、妄想の中で生きる事が、

喜びでしたね(笑)