街の上で
2021年4月公開 日本
130分 ☆☆☆☆☆
NETFLIX 2022年⑯
あらすじ
下北沢の古着屋で働く青年・荒川青は、たまにライブを見たり、行きつけの古本屋や飲み屋に行ったりしながら、基本的にひとりで行動している。生活圏は異常なほどに狭く、行動範囲も下北沢を出ることはない。そんな彼のもとに、自主映画への出演依頼という非日常的な出来事が舞い込む。
感想
今泉監督作品は、好きも嫌いもあるけど、
とにかく、キャスト選びが抜群にセンスが良くて好き。
役者さんたちへの信頼も高いような気がして、
そのせいか、作品が独りよがりでなく、観ていて気持ちが良い。
好きも嫌いもあるけど・・・
今回は、ドンピシャです。
もう、何、この面白さは・・・。
こういう内容で、こんな主人公で、130分。
普通に凄いな・・・って思う。
言葉のセンス、間の取り方のセンス。
沈黙の中にある空気感。
何より、
若葉竜也さんの、あの存在感の無さを(←誉め言葉)
その魅力を、そのまま、主役に置き、これほどの作品に仕上げる力量。
うむ。考えれば考えるほど、素晴らしい。
4人女性の方が登場するけれど、どの方も、
普通なんだけど、印象に残っている。
中でも、関西弁の中田青渚は、ホントに絶妙だった。
日常にある関西弁・・・・調べると、神戸出身。
まるで、友達がしゃべってるような感じだったもんね。
さて、内容は、大きな出来事が起こるわけでもなく、
恋人に浮気された青の、その後の日々。
今時の若い人たちって、こんな感じなのかな??と思ったりして、
そう思うと、なかなか、面白いな・・と思った。
そして、なんとなく名前だけは知っている「下北沢」
平凡でありながら、自分を主張できる、そんな街なんじゃないかと思った。
平凡だけど、自分の好きなものを知っている
誰もがスルーしそうなものでも、自分には価値がある。
そういう自分にとって、大切なもの好きなものを知っていて、
それらを、実に自然に選択しながら、さながら自由を満喫しているような。
そんな青の生活と、下北沢という街が、
非常にマッチしていた。
特別出演の成田凌さん。
やっぱり存在感ありました。
役者同士の中で、オーラを出す成田凌さんが凄いのか、
役者同士の中で、オーラを消す役者さんたちが凄いのか。
これから春の季節。
昔の友人と、のんびりと話をしてみたり、
自分の街を歩いてみたり。
自分の好きなものを書き出してみたり。
そんな、自分の小さな世界を、愛でたいと思わせてくれる作品だ。
好きな言葉
嫉妬とか、そういう感情がなくなったら、
つまんない感じがするけどね。
ある種の証拠というか。
自分が相手を好きだと思う、ひとつの決定的な証拠。
曖昧じゃん、好きとかそういう気持ちって。
文化ってすごいよね
創作物 漫画とか映画とか小説とか音楽とか
やっぱ残るから
街とかよりも凄いなって思う時あるよ
街はどんどん変わるから、店も景色も。
でも街も凄くないですか?
変わってもなくなっても、あったって事は事実だから