「どうよ、この問題?」

「ん?」

「昔さ、ムーとかみてたじゃん」

「滅亡のこと?」

「そ!今回こそはそうなんじゃないかと思うんだけど」

「ふーむ」

「ノストラダムスとかさ」

「ミレミアムの時も懐かしいな」

「あったねえ2000年問題!あれって何だった?」

「お騒がせだったな」

 

グビグビ

 

「今回が本当だとするとあと一年しかないじゃん?」

「そだな」

「それまでにやっておきたいことってある?」

「なんだ?死んじゃうみたいじゃん?」

「もしだよもし!」

「ふーむ」

「お前たちさ、またやったら?」

「ん?」

 

別れ際の一言

 

「そうねえ」

「まあな」

 

スニーカーを履きながら

 

「あの頃と全然変わってないとこもあり

変わってたとこもあり

今がいい感じなんじゃないかなあ

って思った」

「そうか?」

「そう」

 

そんな感じなのだという。

 

「またな」

「おう」

「また近いうちに会おうぜ」

 

時は巡りまた夏が来る。

「お前は?」

「オレ?やっぱ7っしょ!」

「やっぱね」

 

ゴクゴク

 

「セブンスターだしな」

「ウルトラマンもセブンだし」

「やっぱラッキーセブンじゃん」

「分かりやすいやっちゃなー」

「まあね。北斗の拳世代だし」

「相川七瀬聴いてたしな」

「あ、そうなの?」

「昔ね」

 

ゴクゴク

 

「そっちは?」

「オレ?おれは三だろうな」

「だろうね」

「3のこだわり、うるさかったもんなあ」

「何で3なの?」

「なんかさ、しっくりくるわけよ」

「どんな?」

「そのバランスというか、形っていうか」

「はあ」

「『3人集まれば政治が始まる』とかいうじゃん」

「そうなの?」

「三角関係とかさ、三国同盟だとかさ、三国干渉だとかさ」

「はあ」

「デュオもいいけどトリオとがいいな。コーラスも三声が好きだし」

「ははあ」

「単位だってさ、日本はcmより寸とか尺でいいと思ってるよ」

「へえ」

「好きな俳優も三國連太郎だしね」

「三船敏郎じゃなくて?」

「三宅裕司じゃなくて?」

「ミヤケならイッセイだな」

「石田じゃなくて?」

 

ゴクゴクゴク

昨晩の話

 

「八分って言うけど8にこだわりあるわけ?」

「そうだなあ」

「パレートの法則とか?」

「それもあるね」

「そうなんだ」

「それもあるけど一番落ち着くんだわ。

末広がりとか、そのバランスというか、八百万の信仰というか」

「うっかり八兵衛とか?」

「嘘八百とか?」

「まあそれも・・・・・・それはないかも」

「タコのハッちゃんとか?」

「宅八郎とか?」

「東八郎とか?」

「結構あるね」

「でもさ、やっぱオクトパスホールドじゃない?」

「エイトマンとか?」

「しかしさ、お前らのそれって昔から変わらないな」

「あ、そう?」

「なんか昔を思い出しちゃったな。そのノリ」

「ノリノリのりへいとか?」

「いやいやアンパンマンじゃないから・・・・」

 

ゴクリゴクリともうどうでも良くなっていた。

「あんな冷たいシャワー浴びてんの??」

「あ、うん、あ、ごめん!温度そのままにしちゃったか」

 

翌朝、順番にシャワーを浴びた時の会話

 

「朝は水なんだわ」

「「え??」」

 

「スッキリするから。昨日の酔いも醒めるし」

「酔いも醒めるっつーか心臓に悪いんじゃねえの?」

「そうかなあ?ずっとやってる」

 

水なのだということらしい。

それも常温の

 

体内はほぼ水分だから。

そして飲んでは放出し

常に循環しているのが大切であると。

 

生物は

そして日本人は

水が大事なんだと言う。

 

「手洗いとうがいが基本じゃん?」

「ま、まあね」

「ま、飲みなよ」

 

湯呑みに注がれた水をゴクリと流し込む。

熱くもなく、冷たくもない。

ごく当たり前の水が体に染み込んでいくような気がした。

 

「なんか美味いな」

「なんかの湧き水とか?」

「水道水だな」

「あらそ」