【前回までのあらすじ】

マケドニアの国王だと思ったらスタンド使いだった。



中国株:「あっ、おねーさん。ショートドリップウィズミルクで」


株式ちゃん:「うっ・・・!」


『本日のコーヒーSサイズミルク入れてください』をこんなにかっこよく言うなんて、さすがは今いけいけの中国株です。タダものではありません。株式ちゃんは警戒心をあらわにしました。


中国株:「お前も何か飲むか?おごってやるよ。今、どこの店でもこのデビットカード、金幣が使えて便利だぜ」


株式ちゃん:「ぼ・・僕は大丈夫だよっ。まだキャラメルマキアートがあるもん!それより君が噂の中国株なんだね」


中国株:「ふっ・・」


『噂の』というところに、ぴくっと中国株は反応しました。


中国株:「そうさっ。俺が今話題の中国株さ。世界経済をけん引して、GDPもニポンを抜いて、世界2位になる予定の中国株様さっ」


株式ちゃん:「うっ・・・!そうかい、大分羽振りがいいみたいだね。君のご主人様は一体何をしてるの?」


中国株:「ん?俺のご主人さまかい?家電とか、その辺かな。最近は不動産投資もやって儲かりまくってるらしいぜ?」


株式ちゃん:「家電・・?不動産投資??」


中国株:「そうさ、今国の補助で、家電や自動車が安く買えるんだ。だから、みんなこぞって家電を買うってわけ。そこで俺のご主人様は抜け目ないからな、もうかった金を不動産投資にまわして、さらに儲けてるっていうわけだ」


株式ちゃん:「へぇ・・」


どっかで聞いた話だなぁと株式ちゃんは思いました。そうです。あれです。泡景気です。ニポンであったという伝説の好景気の時期です。製造業とか貿易とか、もうなんでも、もうかっちゃって、みんなそれを株式投資や不動産投資にぶっこんでいたという幻の好景気です。


ニポンの好景気は、泡の如く消えてしまいましたが、中国の場合は大丈夫なのでしょうか。

そこで株式ちゃんは根本的な疑問が浮かんできました。


株式ちゃん:「っていうかなんで、そもそも君の国は、そんな景気が良くなったわけ??」


中国株:「ん?そんなことも知らないのか?まったくお前らニポン株はぬるま湯の中にいるなぁ。よし教えてやるよ。ありがたく思えよ?」


そうして、ありがたくも中国株による中国経済の話が始まりました。


【このブログは・・・】

有価証券が人の形をとる世界・・・・故郷の村を後にして、資金繰りのため華の都大東京に来た株式ちゃんの愛と感動の語りをつづったものである。


【前回までのあらすじ】

商人だと思ったら、マケドニアの国王だった。



ここはエマージング通り、大東京のおしゃれな若者とかが集まるストリートです。たとえるなら、中目とか・・まぁ中目とか・・そんな感じの街でした。株式ちゃんはその街角にある、おしゃれなカフェのテラス席で、キャラメルマキアートを飲みながら、梅雨に入る前の初夏の風を楽しんでいました。

今の優雅な生活は、野村さんのお宅の軒先でこぶ茶を飲んでいた時と比べ物になりません。

しみじみと株式ちゃんが、幸福をかみしめていると、お店から軽快なポップスが流れてきました。今、メディアを席捲中のPIIGS の曲です。


株式ちゃん:「わぁすごいなぁ!ギリシャ国債さんたち。最近じゃどこでもPIIGS の曲が流れているなぁ」


××:「チッ」


株式ちゃんが関心していると、あからさまに舌打した青年がいました。見ると、株式ちゃんの向かいの席に座っている男の人からのものでした。切れ長の目をした、黒髪の若者です。


××:「PIIGS の何がいいんだ。あんな豚野郎どもの曲なんてよ」


わざと聞こえるように言ったのでしょうか。その若者の言葉に株式ちゃんは、カッチーンと来ました。


株式ちゃん:「ちょっと、君、失礼じゃないか?ギリシャ国債さんは僕の友達なんだ!」


××:「友達?あんなのが友達なんてあんたの程度も知れてるな。こっちはあいつらのせいで大迷惑してるんだ」


株式ちゃん:「そんなの知らないよ!きみんとこの御主人さまの『きぎょーどりょく』が足りないんじゃない?」


××:「企業努力だと・・・?ハハ!そんなこと言うなんて、お前ニポン株だな?誰にそんな口きいてるんだ?俺は、泣く子も黙る中国株だぞ?」


株式ちゃん:「げげっ!」


中国株といえば、今最も勢いがある株式たちです。

その成長率はすざましく、たとえるなら、うーん、なんだろう・・たとえるなら・・増えるわかめちゃんぐらいの膨張率っていうか・・・うーん・・違うな・・。


株式ちゃん:「い・・いくら今イケイケだからって、ギリシャ国債さんに対するその非礼は許さないぞ!」


中国株:「まぁまぁ。お前がニポン株っていうなら話は別だ。まぁ座れよ。仲良くしようぜ」


株式ちゃん:「・・・・」


確かにこんなおしゃれなカフェでリアルファイトをするのは株式ちゃんのキャラではありません。

株式ちゃんは、言われるまま、しぶしぶ中国株のテーブルへとつきました。

ギリシャ国債の話は、こうでした。ありていに言えば愚痴でした。


企業が赤字が続けばその企業は倒産します。では、国の赤字が続けばどうなるでしょうか。

つまりは「破綻」します。

破綻すれば、借金が返せなくなります。

借金が返せなければ、ギリシャ国債は、ギリシャに戻れなくなるのです。

存在価値そのものがなくなってしまうのです。

ギリシャ国債のお客さんは、個人というよりも国や大企業が主です。つまりはめっちゃ、ギリシャ国債を買っています。それの価値がなくなるのです。ぞっとしますね。たとえば、あなたが友達に1000円貸していて、それがなかったことになったらどうしますか?その友達をぶちのめしますよね?

ドイツなんかがギリシャ国債のお得意さんなんですが、この借金が返せないとなるとドイツの財政を圧迫することになります。ドイツ、めっちゃギリシャぶちのめしますよね?

そんなわけで、ギリシャ国債のお客さんであるEU各国は、ドキドキしながら、ギリシャのやりくりを見守っているわけです。


借金を返すためには、国の収入を増やさないといけません。国の収入は税金です。

しかし、ギリシャの産業は、地味です。聖闘士星矢ぐらいしか売りがありません。

収入の担い手である企業に元気がありません。しかもみんなめっちゃ、脱税が得意でまっとうに税金を納めようとしません。しかも失業率が12%なので、納税者の12%は、ニートでネットばかりしています。


じゃあ、収入が増えないんだったら支出を減らそうとおもうのですが、ギリシャめっちゃ公務員多くて、人件費が国の財政を圧迫しています。


つまりは、ギリシャ国債のご主人さまはギリシャは やりくり☆BE☆TA でした。


ギリシャ国債:「まったく、まいったよね。EUに入りたい入りたい言ってて・・・僕は無理だっていったんだけど・・。数字まで変えて入っちゃってね・・・。あ、ごめんごめん。ちょっと暗い話になっちゃったね・・」


株式ちゃん:「えっ、あっ、そんなことないよ!あ、いま流れてる音楽いいね!誰の曲だろうね!」


ギリシャ国債:「あ、これかい?じ・・実は僕、音楽活動しててさ。その最新曲なんだ」


株式ちゃん:「へー!すごいね!」


ギリシャ国債:「こんなときだからがんばらなきゃね」


株式ちゃん:「なんてグループ名なの?」


ギリシャ国債:「‘PIIGS‘さ。ポルトガル国債、イタリア国債、アイルランド国債、スペイン国債たちとグループを組んだんだ。みんな利回り高くてさ、話がすごい会うんだよっ。音楽性もばっちりだよ」


株式:「へ・・へー・・・。いいねぇ・・」


国債の世界も大変なんだなぁと株式ちゃんは思いました。

株式ちゃんは、ギリシャ的な料理を御馳走になったので、今度は自分が故郷の料理を御馳走すると約束し、ギリシャ国債のお家を後にしました。


株式ちゃん:「ふう。国債も大変なんだねぇ」


債券:「こんなご時世だ。どこも大変なんだろ」


株式ちゃん:「債券も・・大変・・?」


債券:「俺は・・・そうだな・・・色々あったな・・・」


株式ちゃん:「今度聞かせてね!僕も債券に話したいこといっぱいあるよ!!でもPIIGSの曲よかったね!僕もバンドやろうかな」


債券:「お前が?」


株式ちゃん:「そうさ!そうだ!債券も一緒にやろうよ!!二人でツインボーカルで有価証券音楽業界を席捲するだ!」


そういって、株式ちゃんはおかしそうに笑って故郷の歌を歌い始めました。彼の声はとてもしみわたるようで、債権は遠い故郷を思い出しました。


債券:「この通りをまっすぐ行けば、株式投資信託通りだ。俺が案内できるのはここまでだ」


株式ちゃん:「ありがとう!債券!荷物が片付いたらすぐに遊びにいくね!」


債券:「あぁ・・」


株式ちゃんは、かけだしました。その後ろ姿に思わず債券は、「株式!」と大きな声をあげました。


株式ちゃん:「なに?」


債券:「・・・・・・。お前ら中小型株がこのニポンの未来を背負っているんだ・・・!!!がんばれ・・!!」


株式ちゃん:「なんだよ、債券、そんな大げさな。分かったよ。頑張るよ」


株式ちゃんは照れたように笑って、また走りだしました。その背中が見えなくなるまで債券は彼を見送りました。

債券が家に戻るとそこには、見知った姿がありました。


債券:「・・・・・・!旦那様・・!!!」


ご主人様:「ひゅう!債券!元気してたー!?もう!めっちゃクラウドで、めっちゃもうかっちゃって(笑)みたいな次世代情報化時代万歳って感じだよ!」


そこにいたのは、株式ちゃんと債券の発行元であるご主人さまでした。この間見たときより、着ているスーツの生地がぐっとよく、センスアップしていました。


債券:「ということは・・・・」


ご主人様:「あぁ、君を買い戻しに来た」


債券:「!!!」


ご主人様:「君には、色々苦労かけたね。これからの資金繰りは全部株式にまかして、君は僕のために毎日お茶でも汲んでくれてればいいよ」


ぽんっと、ご主人様は、債券の肩をたたきました。


債券:「・・・・えぇ・・・・・最近利回りが下がってましたから・・・薄々・・気づいていました・・・」


債券は、窓の外を見ました。

橙色の夕日が沈んでいくのが見えました。世界のどこで見たって夕日は同じ色です。

今度は、債権がこの夕日を見ながら故郷の村で株式ちゃんのことを思うでしょう。

そうして、彼のために彼を思って、故郷の歌を歌うのでしょうか。

今度はさよならが言えなかったことを悔みながら、債券は株式ちゃんの笑顔を思い出すのでした。



おしまい。


あ、ギリシャ財政問題少ししか書いてねぇや。てへ☆