[道具や技法の紹介、検証]

道具や技法、というかサービスの検証なんですが。DMM.makeの3D Printサービスを試してみたのでレビュー記事を書いてみます。結果から言うと利用してとてもよかったと満足しています。今回、初めて3Dプリントを試したのは先日ZBrushでモデリングしたガレージキットのサターニャさん。ZBrushでSTLファイルをエクスポートし、DMMのサイトにアップロードしたのが下の画像になります。アップロード前にファイルチェック&リペア(書籍で紹介されていたnetfabb評価版[30日使用可]を使用)も行っています。

 余談ですが、1つのSTLファイルに10個のオブジェクトを配置するとチェックが正常に通れば「10シェル」と表示されるようです。ちなみにDMMの説明を見ると、1ファイルに10オブジェクトが上限でした(素材により変わるかも)。また、DMMからリンクされているMiniMagicsというチェックツール(チェックのみ可能。10日間のみ)では、詳細なチェック内容が見れますが「反転三角」が0、「バッドエッジ」が0というのが正常ファイルと判定されるようです(ただし、1STLファイルに複数シェルがあるとなぜかエラー判定されてしまいますがDMMにUPしたところ正常データとして扱われました)。

注文して佐川急便で届いたのがこちら(注文時にコメント欄で時間指定したんですができなかったです)。箱には「貴重品」のラベルが貼られていました。目安として注文から9日間とありましたが実際はもっと早く、1週間かかりませんでした。送り元を見ると意外にも石川県加賀市とあります。どうやらDMM.makeの3Dプリント事業部はこちらにあるようです。

開封。出力したガレージキット原型は1/8スケールの全高約200㎜、パーツ数は細かいものを含め全15パーツです。出力素材は複数ある中からアクリル(Ultra Mode)を選択しました。素材によって価格が変わり、もっと安いクリアアクリルを選ぼうと思ったんですが再現性を見ると「形状先端は最小幅で1mm程度」とあったので、「形状先端は最小幅で0.3mm程度」のアクリル(Ultra Mode)を選択しています。

気になるのはお値段だと思うんですが、なんと約39,000円!!3Dプリントって価格が小慣れてきている感があったんですが、現状はこんなもんです。それでもいろんなサイトをちょっと調べてみるとDMMは安い部類に入るようです。このレビュー記事読んで注文が増えて価格がもっと下がらないかなーなんて思ったり。ただ、3Dプリントって出力の際に余分なサポート材が付くのでそれ落とす必要があるんですよね。これは人の手による作業になってしまうのかな。自分が注文したのを見ると、完全に落ち切ってはないもののよくここまで綺麗に落とせるなーってちょっと感激してしまったり。それを思うと値段にもちょっと納得したり。注文の際に、サポート材除去は俺がやるぜ!その分値段安くして、って選択肢があってもいいかも。

そしてパーツを組んでみたのがこちら。まさか初めての3Dプリントで普通に組める物が作れるとは思ってもみませんでした。各パーツをよくよく見ると、出力時のうねり(?)の跡が残っている部分だったり、エラー修正でポリゴンの穴を閉じたと思しき個所の内部が空洞になってしまっていたりと整形は必要ですが。なお、ダボ(勘合)のオス、メスのサイズは工夫してやる必要があります(オス側を数%小さくするなど)。今回はこんなもんかなー、とちょっと余裕を持たせてみたところドンピシャだったので正直嬉しかったです。

 さて、ここまで読んでくれた方にお得情報。DMMの場合ですがSTLファイル内のオブジェクト配置具合で価格がけっこう変動します。あと1ファイル1オブジェクトよりも複数まとめた方が安上がりです。自分は1枚目の画像のように配置したんですが、サポート材がいい具合に付くよう各パーツ最適な角度にし直して出力してくれていました。これもおそらく人力によるところ。データ見ただけで組みあがりを意識して配置してくれたんでしょうね。サポート材の除去含め整形時にディテールを損なう恐れが低く抑えられるのでとてもありがたいです。さて、長くなってしまいましたが以上です。

※キャラクター物の造形で著作権的にはどうなんだって話ですが、今のところ個人利用の観点ではグレーゾーンっぽいです。たぶん白に近い方ですけど。もちろん勝手に販売なんかはご法度ですが。自分はいずれワンダーフェスティバル(WF)で当日版権の許可取って販売したい、そんなつもりで3Dプリントしてみました。