前回の続きです。
かれこれ、20年くらい雑誌などで少女漫画を描いてきたのですが。
ご縁をいただいて、昨年の4月より、日本で唯一、マンガ学部のある大学・京都精華大学マンガ学部マンガ学科ストーリーマンガコースの特任准教授として新任した、つづき萌重(もえ)です。
前回に続いて、私が大学で何をやっているのか⁉ということを簡単に書いておこうと思います。
どなたかの何かの参考になるのか謎ですが。
大学って、オープンなようで、あまりわからなかったりしますよね。
ましてや、マンガを教えている大学って⁇
興味ありませんか⁉
※書いている内容に関しては、あくまでもつづき萌重個人が勝手に思ったり感じたことです。
大学でのことを書いていますが、大学とは全く関係ありませんので、そこをよろしくお願いします。
私が昨年、担当した授業は、以下の3つでした。
①オープン授業の「マンガデザイン」
②「3年生のゼミ」
③「2年生の授業」
前回は、①について書いたので。
今回は②「3年生のゼミ」についてです。
火曜日は、ストーリーマンガコース3年生のゼミを担当しました。
大学というところは、学生が自主的に学ばなければ身につかないようになっている世界だと思いますが、それは先生も同じでした!!
あ、ちょっとニュアンス違うかもしれないのですが。
ゼミって、「担当講師の私×ゼミ生」ということで、他の授業と違って、他の先生方が関与しない授業なのです。
おおざっぱに言えば、授業の内容も先生(私)にすべて任されている。
自由度がものすごく高い…!
先生によっては、得意な分野が違うので、外で取材をさせたり、立体物を作らせたり…。
なのですが、私は一応、漫画家なので。
学生には、マンガを描いてもらうことになります。
私が特に重点を置いてたのは、雑誌デビューに向けた「投稿作」を描いてもらうということでした。
ゼミ生は、先生によって担当学生数が違っていて、私も複数名、担当させてもらいました。
同じ3年生でも、みんなレベルが違います。
海外からの留学生もいるので、日本語が不自由な学生もいます。
そんな学生たちのレベルや克服すべき点を考慮して、制作過程で、作画からストーリー、さまざまなテクニックなど、一人ずつに合ったアドバイスをしていきます。
ちょっと、出版社の担当さんみたいな感じです。
ここで、私が雑誌の編集担当さんに言われ続けたこと、マンガのレベルアップのために読み漁った参考書や文献、悩みを聞いてくださった先輩方、投稿作を描いていたアシスタントちゃんたちに伝えていたこと、開設していた漫画イラスト講座をするにあたって、いろいろ調べたこと…何もかもすべてが、役立ちました。
マンガの〆切に間に合うかの瀬戸際で、なんとか乗り切った笑い話さえ、自分が今まで経験してきたことが、これから業界で活躍しようとしている学生たちの役に立つことに、驚いたと同時に、感動すらしました。
自分の経験が役に立つ...とてもありがたいことです。
学生たちにとって私は先生でありますが、親身になって、ひとりの業界の先輩のような立場としても接しています。
漫画家になると、なかなか機会がない限り、漫画家の友人や先輩が知り合いになることはありません。
基本的に漫画家って、引きこもりだし。
業界を経験している先輩漫画家たちが、身近にいて、悩みを聞いてくれたりアドバイスしてくれる、というのは、学生にとって、とても心強いことなんじゃないかと思います。
デビュー前の学生は、いろんな悩みを抱えているのですが。
私自身が必死になって経験したことから、的確なアドバイスができて、学生が勇気を出してくれたり、笑顔で夢に向かって進もうとしてくれたとき、私もとてもうれしいです。
もちろん、おもしろいマンガが完成して投稿作し、担当編集者がついたという連絡を学生からもらえた時も、心からうれしい気持ちになりました。
同じ、マンガを愛して、描くもの同士ですもんね。
ものすごい才能を持った学生たちがいるので、将来がとても楽しみです。
ゼミは、自由度が高い分、いろいろな授業ができる可能性もあるので、来期は、もうちょっとそこをツッコんでやっていきたいです。
ゼミ生、来期は増えるので、がんばります。
続きます。