9月13日、とっても素敵なところを視察しました。
今年度で開級20年目となる高根沢町の、いわゆる「適応指導教室」です。
 
適応指導教室(あるいは教育支援センター)は、各市町村にありますが、高根沢町の教室はまったく別物、という感じ。
 

 
築100年の古民家を改修して、不登校児童生徒のためのフリースペース(フリースクールではなくフリースペース)、居場所をつくっています。名前は「ひよこの家」。表面的な学校復帰を目指さず、とにかく、安心して心と体を休ませ、自分らしさを発見できるようゆったりと過ごすことが目的。
 
前町長で現参院議員の高橋克法氏の「どこで学ぶかが大事なのではない。何を学ぶかが大切なんだ」という信念が、現在も受け継がれ、「ひよこの家」全体を包んでいました。
 
古民家には、なんと囲炉裏があり、冬場は活躍するそうです。
 
 
そしてそして、立派な梁にロープがかけられ…
 
 
家の中で、ブランコが楽しめます!
 
 
「ひよこの家」での活動は4つ。
 
●心の充電
●行事やイベント、体験学習等
●カウンセリングや進路相談
●自主学習
 
まず最初に、心の充電、なんです。
これには、とっても感動し、なんだか私も肩の力が抜けていくようでした。
 
給食は、なんと小中学校と同じ給食。
これを実現するのは本当に苦労したとのことですが、学校と同じ給食とすることで、ひよこの家の児童生徒は、学校に行かなくとも、所属感を持つことができている、と言います。
 
 
機織機もありました。
いいですねー!
 
 
古民家ということで、エアコンが入っておらず、その点は今後、検討しなくてはならない、という風に町としても考えているようでした。

どの部屋で何をしていてもいい、というゆるさが、とってもいいなぁと思いました。
 
 
離れの納屋がイベントや音楽ができる部屋に改修されていて、たくさん楽器がありました。
 
 
ドラマーっぽいかしら?
 
 
指導スタッフ体制は、常勤の教育相談員3名と非常勤スタッフ3名で、毎日、常勤3名、スタッフ1名の4名が、ひよこの家にいるようです。
 
 
この20年間で150名以上の児童生徒がひよこの家に通っているとのこと。
約25%が在籍している小中学校に復帰、高校進学までを学校復帰と考えるとほぼ100%になるといいます。
 
町の児童生徒数は2200人弱。
およそ月30人が不登校とのこと。
 
現在、通級しているのは16人。
小学生1人、中学生15人で、町外児童生徒は3人。
 
町外であっても、子どもに市町の境は無い、という考えで受け入れ、それは近隣市町も同じで、高根沢町から他市町に通っている子どももいるとのことです。
 
なお、ひよこの家の予算は、年間1500万円で、ほとんどが人件費。その他、光熱費や古民家賃借料、修繕費など。
 
 
ひよこの家の自己負担は給食費と、イベント時の入館料くらいだとのこと。
 
 
こういう形で、こどもが安心して過ごせる居場所(適応指導教室)をつくっている自治体を、私は他に知りません。埼玉県のなかでも、ひよこの家を参考にして、心の充電ができる居場所をつくっていきたいです。
 
 
本当は「不登校」などという言葉も、変えていきたいです。
世界ではホームエデュケーション、家での学びを支えるしくみがある国もあります。
 
不登校になったら大変、ではなく、なぜそんなに子どもたちが行きたくないところになってしまっているのかを、見つめなおし、学校が変わっていくこと、なにより、学校に管理的な教育を強いるような圧力を強めている国の姿勢を見直す時です。
 
 
今回の視察では、くらしづくり常任委員長の澤畑町議、副委員長の野口町議、坂本教育長はじめ職員のみなさんにご対応いただきました。
 
お忙しい中、本当にありがとうございました。
 
この場をお借りして、感謝申し上げます。