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今回の記事では、

SEVENTEENが2021年に行った

POWER OF LOVE プロジェクトにおける

ウジの役について

考えていきます。

 

また、その内容と関連して

2022年4月に公開された

NEW RINGS CEREMONY

Darl+ing含む新プロジェクトへの繋がり

にも軽く触れたいと思います!

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※この記事は以下の記事の続きです。

 

※考察をはじめから読むには以下の記事をご覧ください。

 

 

★・ ・ ・ ★ ・ ・ ・★

(12) WOOZI

ヒツジの生まれ変わり/支配人リヴィエール》

 

 

 他のメンバーにも複数の役を兼任している場合があったように、ウジにも二つの役があります。

 

 一つは、ヒツジの生まれ変わりです。前回の記事でお話ししたディエイトとジョンハンのように、ジュンとウジも対になっているのではないかと考えられます。

 

 もう一つは、サン=テグジュペリの別の作品『夜間飛行』に登場する航空会社の支配人・リヴィエールです。フランスの航空事業の先駆者であり、郵便航空会社で操縦士たちを指揮した実在の人物をモデルとして書かれたキャラクターです。

 

 ウジの役の考察についてはあまり自信が無いのですが、SEVENTEENの中の彼の役割や他のメンバーとの関わりなどを踏まえて、私なりに推測したことを書いていきます!

 たぶん制限字数に収まらず二つの記事にまたがってしまうと思うのですが、ストーリー全体のまとめなどもあるので、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです☺

 

《POWER OF LOVEからTEAM SVTへ》

 ウジの役についてよりわかりやすく説明するために、まずPOWER OF LOVEプロジェクト全体のストーリーを一度整理したいと思います。

 

 私は去年の10月、Attacca Op.2の写真が公開された頃に「これはサン=テグジュペリ作品への引喩なのでは?」と感じ、それ以来その点については確信を深めてきました。

 しかし、フィクションの登場人物と実在の人物の扱いや、前世のストーリーと現代のストーリーの重なりなど、ぼんやりとイメージしつつも確信が持てずにいる部分もいくつかありました。

 

 そんな中、今年4月に、NEW RINGS CEREMONYという動画が公開されました。

 

 この映像作品は、SEVENTEENがこれまで正規アルバムをリリースするごとに更新してきたお揃いの指輪がまたひとつ更新されることを記念し、SEVENTEENの結成からこれまでの歩みを美しいアニメーションで振り返ったものです。

 

 私は、これを見て、これまでの細かな疑問がすべて解消され、考察の答え合わせができたような気持ちになりました。そして、もうこのブログを書く必要はあまりなくなったなあ…という気もしました。

 というのも、私がPOWER OF LOVEから読み取り、ぜひファンの方々と共有したいなと思って書いてきた彼らの物語やメッセージのほぼ全てが、この三分ほどの動画の中にあったからです。

 

 というわけで、まずは、こちらの素晴らしい動画をご覧ください

 

SEVENTEEN NEW RINGS CEREMONY:

 The Sun Rises

 

 SEVENTEENのリアルな物語が、ファンタジーテイストのアニメーションで説明されています。美しい畝を描く砂漠に、星座の瞬く夜空、紙飛行機、空飛ぶ船など、郵便飛行士であり作家であったサン=テグジュペリの生涯や作品にぴったりのモチーフでいっぱいです。

 

 そして、この動画の物語は、「年齢も住む場所も、そして生き方も異なる13人が集まって…」と、メンバーたちが出会うところから始まっています。

 

 私は、この「運命のような奇跡的な出会い」を表現するために、SEVENTEENは「僕らは前世でも仲間だった」という設定でPOWER OF LOVEを描いたのだと思っています。

 

 下の画像は、私が先日Twitterに投稿した、POWER OF LOVEのストーリーのまとめの一部です。 NEW RINGS CEREMONYで13人が出会う前の段階が【Past Life(前世)】の部分だと考えて、ご覧ください。

 

 上の画像と重複しますが、もう少し詳しく整理すると以下のようになります。

 

【前世】

①サン=テグジュペリやその飛行士仲間たち。雪山に落ちても妻を思って帰ってきたギヨメや、サン=テグジュペリとともに砂漠に落ち歩いて生還した機関士プレヴォなど。

 王子さまやキツネなどのフィクション内の人物も、同じ世界に実在したものとする

 奇跡のように出会い、家族のような絆を結んだ。全員でひとつの魂のような、同志であり、友人だった。

[画像1. 9th Mini Album 'Attacca' Op.3の写真。引用元は記事末尾に記載]

 

 

②別れ。

 しかし、固い友情で結ばれた飛行士たちは、様々な事情によりばらばらになってしまう。

王子さまはヘビに噛まれて故郷の惑星へ(『星の王子さま』)

郵便飛行士ファビアンは暴風に巻き込まれて帰らず(『夜間飛行』。物語詳細は後述)

そのほかの飛行士たちも皆、戦争や事故により亡くなっていった(伝記的事実)

 

 

【天国のような一時的な居場所】

③おそらく、Behind動画でエスクプスが「過去、現在、未来をつなぐ場所」と言っていたRock with youのMVのガラス張りのエレベーターのような部屋がここかなと思います。

SEVENTEEN 'Rock with you' MVよりスクリーンショット。 

 

 

④13人の人間として現代に生れ落ちる。

 

 

【現代】

※ここからNEW RINGS CEREMONYと同じ流れ。

※終盤はDarl+ingFace the Sunとも重なっていきます。

⑤ばらばらに生まれ育った13人が、音楽というひとつの情熱を胸に奇跡のようにめぐり逢い、SEVENTEENが結成された。

[画像2]

 

 

⑤職業は飛行士ではなくアイドルだが、前世の名残のような特徴を持っている。『星の王子さま』を持って踊った ‘Pretty U’で初めての一位を獲得。正規1st albumのタイトルはLove & Letter💌

SEVENTEEN NEW RINGS CEREMONY: The Sun Risesよりスクリーンショット。
 
 

⑥グループはワールドツアーを行うまでに成長。まるで、数々の航路を開拓し手紙を世界中に届けた前世の郵便飛行士たちのように、世界中に愛の歌を届けた(紙飛行機は、手紙+飛行機のイメージかなと思います)。

 

 

⑦しかし、まるで前世の悲劇(欧州行きの郵便物を積んだ飛行機が暴風に巻き込まれ、夜の雲の上に座礁する『夜間飛行』の物語)を繰り返すかのように、現代でも、パンデミックがワールドツアー“Ode to you(あなたに宛てた歌)”を襲う。

 

 

⑧ここから世界が、二つに分かれる。

オンラインコンサートやSNS上で笑顔を見せ、映像作品の中で“Ode to you”を続行する「ネバーランド(仮想現実)」※1と、

その世界からカットされた影(=笑顔や頼もしい姿の裏にある孤独や焦り、不安、葛藤)に苛まれる現実※2である。

 ※この項の末尾に、根拠となる別記事などを貼っておきます。

 

⑨いつしか、居心地の良いネバーランドの方を現実と思い込むようになる(Darl+ing前半)。

しかし、「ここには自分たちの影が無い」と気づき、今まで目を逸らしていた鏡の中の自分を知り(Darl+ing中盤)、ネバーランドの幻想が崩れ去る(Darl+ingラスト)。

 

 

⑩影の無いところには本物の太陽も無い。太陽と向き合って、自分たちの影も連れて生きることを決意。ネバーランドから踏み出し、本物の太陽を探す旅に出る(Face the Sun)。

そして、今度は自分たちが、CARATを照らす太陽になりたいと願う(ワールドツアーBe the Sun)☀

[画像3]
 
To be continued!!

 

 

 いかがでしょうか…? 私はNEW RINGS CEREMONYのおかげで、POWER OF LOVEプロジェクト全体のストーリーラインをすっきりと整理することができた気がしています。

 

 上のようなストーリーで考えれば、他の方々の素晴らしいDarl+ing(ネバーランド)考察とも矛盾せず、次のプロジェクトであるTeam SVT第一弾のFace the Sunへも無理なく繋がるように思います※3。

 

【 注釈】

※1 私の解釈では、Ready to loveからDarl+ingまで、Ode to youで行けなかった国の風景を再現したと思われる作品が続いてます。

 ・Ready to love~Rock with youについてはこちら。

 

 ・Darl+ing=スペイン説についてはこちら。


 ・台湾だけはいまだに見つけられないのですが、オンラインコンサートPower of loveでは、To youの背景が無数のスカイランタンでした。スカイランタンの行事がある国は世界にいくつかありますが、台湾の「平渓天燈節」はかなり有名です。ぎりぎりFace the Sunリリース前である5月26日に、結成7周年記念のSpecial Videoとして台湾を思わせる風景の中でTo youを歌う映像が公開されるのかも…?と予想しています。

 

 ※2 Face the Sun Trailer: 13 Innner Shadowsが、この影の部分(現実の世界)にあたると思われます。

 

 ※3 映Face the Sunの13 Inner Shadowsやep.q Controlが映画『マトリックス』っぽい雰囲気に仕上げられているのも、「仮想現実から抜け出して、厳しくも自由な現実と向き合う」「太陽と再び出会う」という テーマのためだと考えられます。映画『マトリックス』との関係はこちらをご参照ください。


 それでは、ストーリーが整理できたところで、ウジの役について考えていきましょう。

 

 

《ヒツジの生まれ変わり》

 

 [画像4,5]  SEVENTEEN 9th Mini Album 'Attacca' (2021) Op.1 Concept Photoのウジとジュン。

 

 まずはヒツジについてです。私が彼がヒツジ(ジュンの役)の生まれ変わりであると考える理由は以下の通りです。

 

●「帰って来る王子」が二人いること

[画像6,7] SEVENTEEN 9th Mini Album 'Attacca' (2021) Op.2 Concept Photo 

 
 前回の記事でお話しした通り、ディエイトとジョンハンは、二人で重なり合いながら、「王子さまの帰還(生まれ変わり)」というストーリーを表現していました。
 
 その根拠の一つとなったのが、このジョンハンの写真です。これはサン=テグジュペリの死後何十年も経ってから海で発見された彼のブレスレットを表していると考えられますが、このジョンハンの写真とウジの写真はよく似ています。
 
 Attacca Op.2ではボーカルチームは全員海にいますが、なぜこの二人が特に似て見えるかというと、(1)金髪である(特にカムバック期間中は二人だけが金で、他のメンバーは皆それを際立たせるかのように黒~暗褐色でした)、(2)手にガラス玉のような物を握っている、(3)銀色の腕輪をしたその腕を伸ばし、目を瞑っているポーズ…といった共通点があるからです。
 
 そして、ここに、ひとつ疑問が浮かびます。王子の帰還(転生)に掛けて、サン=テグジュペリの銀のブレスレットを表現したいだけなら、それを表現するのは一人で十分じゃないか?ということです。あるいは、ボーカルチーム全員で表現してもよいかもしれません。
 なぜ、あえて二人なのでしょう?
 
 そこで私が思いついたのが、ジョンハンはディエイトと、ウジはジュンとペアになっているという仮説です。
 
 私は、POWER OF LOVEは、パンデミックにより直接会うことが叶わなくなった世界中のCARATたちへの愛を綴った手紙であると同時に、別々の場所で生まれ育ち、奇跡的に出会ったメンバーたちへ送る愛の手紙でもあると感じています。
 
 Attaccaのカムバック期間中、ディエイトとジュンは彼らの故郷、中国にいました
 
 ジョンハンとディエイトのような明らかな証拠はありませんが、ジョンハンとウジが二人で「約束を果たしに帰って来る人」を表しているように見えるのは、SEVENTEENにとって、帰って来てほしいと願う王子さまが二人いたからだと考えると、非常にしっくりきます。
 
 『星の王子さま』原作小説では主人公の王子さまに比べるとヒツジは端役ですが、前々回のジュンの記事に書いた通り、POWER OF LOVEにおいてはそうではありません。ヒツジは王子さまと互いに切り離せない一心同体の存在(ヒツジも王子さま)であり、また、いつか生まれ変わってもう一度出会えた時にお互いに気づくための再会の目印でもあります。
 ※詳しくは、こちら。

 

 
 双子のように海辺で眠るウジとジョンハンは、必ずまた会おうという約束を果たしに帰って来る、二人の王子(=ヒツジと王子さまの生まれ変わり)を表しているのではないでしょうか。
 故郷ですばらしい活躍をし、そして、SEVENTEENのもとへ必ず帰って来る、ジュンとディエイトの思いを背負って。
 
 この考察は証拠不十分で私の願望によるところも大きいのですが、いつも仲間思いで支え合っているように見えるSEVENTEENならば、二人と遠く離れていた期間のカムバックだからこそ、二人を物語の主人公にしたということはあり得そうだなと思っています。
 
 また、次の項でお話しする『夜間飛行』の物語においても、ウジとジュンをペアにして考えるとすっきりとまとまりますので、あながち間違った仮説ではないのかなという気がします。
 
 Attacca Op.1のウジの白い衣装とふんわりとした髪は、POWER OF LOVEでは雲や風船でもあるヒツジのイメージにもよく合っていますよね(画像5)。
 
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[画像8]
 
 次に、先ほどのふんわりと柔らかいイメージからは一転して、黎明期の夜間飛行事業を鉄の意志で支えた孤高の支配人・リヴィエールを演じるウジについてお話ししたいと思うのですが、制限字数を超えてしまうため、続きは次回にまわしたいと思います。
 

 

[画像8,9] 2022年1月にリリースしたソロ曲'Ruby'のウジと、POWER OF LOVEにおける前世の世界を表していると思われるAttacca Op.3のウジ。次回は、SEVENTEENのプロデューサーとしての顔も持つウジと、飛行士たちを指揮する支配人リヴィエールとの重なりについて書いていきます。
 

 今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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画像引用元
画像1
 
画像3
 
画像4,5

 

画像6,7

 

画像9

 

画像8