20代前半のころ、数年お付き合いさせていただいた女性がいました。
お互いの擦れ違いから結局は別々の道を歩む選択を選びました。
僕としては将来の花嫁と決めていた人だっただけに、そして人生初の同棲を経験した人だっただけにこの失恋は今までにないほどショッキングなできごとでした。
過去の経験からも時間が解決してくれるのを待つしかないとわかってはいるのですが、その時が来るまでの1分1秒がやたらと長く感じる。
死別したわけではないので、その人のもとに行こうという状況ではなかったのですが、それでも精神的ダメージは今までの比でないほど大きく、押しつぶされそうでした。
このままでは失恋から立ち直る前に自分がダメになってしまう。
そう思うようになっていました。
そのとき、ふと以前お世話になって病院を思い出しました。診療科は精神神経科。
ここで相談したら投薬ではなくても何か解決されるかもしれないと思い、当時住んでいた近くの精神科病院に行ってみたのです。
自分の順番が来て診察室に入ると50代ぐらいの体格のいい男性医師がいました。
「どうしました?」の問いかけに、なんと答えたのか覚えていません。
おそらく、失恋したとかそんな類のことを言ったのでしょう。
その日、病院はそれなりに混んでいました。そのためかこの相談をしたところ
「ここはあなたのような人が来るところではない!自分で解決しないとならないことでしょ!今回は薬の処方も何もないですから時間が経つのを待ちなさい!」
怒られました。
僕としてはただ、寄り添ってほしかっただけなんですが。怒られたというより怒鳴られたと言ったほうが正しいのかもしれません。
そのときはやはり間違った選択だったんだと自分の行動を恥じました。こういうことは友達に相談すべきことで精神科やカウンセラーには相談するようなことではないんだと。
ですが、心理職のプロを目指す身となって勉強し、この時の医者の言動・行動・対応すべてがおかしなものではないかとおもうようになったんです。
セラピストとしての話ですが、最も重要なことは“耳を傾け続けること”つまりクライアントの話を聞いてあげることですよね。
そして医療提供の理念は「生命と個人の尊厳の保持」と「医療を受ける者との信頼関係の築き」とこれは医師法に明記されていることです。
“こんなの法律違反だ!!!”というつもりはないですし、医師もひとりの人間です。そのときの感情の起伏もあるでしょう。
ただ、医療従事者としてはその感情を殺し、どんな思いで患者が今日、今目の前にいるのかを考えてほしいです。
これは将来、自分への戒めともなることでしょう。大事なことを学び、思い出させてくれたこと、逆に感謝しないとならないかもしれませんね。