完成品 MS-06GR ザクII ナランソロンゴ・ボルドバヤル大尉専用機 | Modelers Survey Service

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MG(マスターグレード)を中心に、ガンプラ(機動戦士ガンダムのプラモデル)の製作過程や完成品などを紹介します。模型の作例はジオン軍のMS、中でも一年戦争時のエースパイロットの専用機やMSV関連の機体が大半を占めます。1/100の旧キットとのミキシングもやってます。

MS-06GR陸戦用高機動型ザク改は、陸戦高機動型ザク(G型)をベースにした現地改造機で、ザクタイプを凌駕する性能と戦果を示したことから、現地でMS-06GRと型式番号を分類された機体です。

作例は「モンゴルの銀狼(ガンロン)」の異名を持つジオン公国第22特務遊撃隊隊長、ナランソロンゴ・ボルドバヤル大尉の専用機として製作しました。

使用キット1:MG 1/100 MS-06J ザクII Ver.2.0

ナランソロンゴ・ボルドバヤル専用ザク1


ヒート金剛棒や内蔵式のヒート・ナックルなど、ゲリラ戦や対MS戦を重視した武装を持ち、全身は黒で 左肩のスパイクアーマーは銀色というパーソナルカラーで塗装されているのが機体の特徴です。

一年戦争時は、主に旧・北京の長城戦線や北米戦線で活躍しましたが、北米ミサイル基地防衛戦にて大破し、僅かに残った上半身部は、ボルドバヤル隊に所属する「MS BOYS」と呼称されたザクタンクのパーツとして再利用されました。



ナランソロンゴ・ボルドバヤル専用ザク2


MS-06GRは、高山瑞穂氏のコミック「機動戦士ガンダム 極東MS戦線記」「機動戦士ガンダムMS BOYS -ボクたちのジオン独立戦争-」に登場するMSです。
2014年の今現在、「MS-06GR」というと、MSV-Rで設定された別機体を思い浮かべる方が多いと思われますが、こちらも歴としたMS-06GRなのです。

このMS-06GR、「モンゴルの銀狼」ナランソロンゴ・ボルドバヤル大尉の専用機として知られていますが、作中で実際に搭乗するのはガンロンの異名を引き継いだクルト・ブラット伍長です。
潜在的に高いMS戦の技量を持つ伍長は、周囲からは疑われずガンロンの名に恥じない活躍を見せてくれました。



ナランソロンゴ・ボルドバヤル専用ザク3


ナランソロンゴ・ボルドバヤル大尉とMS-06GRですが、初出は講談社より刊行された「ガンダム短編集」に収められている短編の「極東MS戦線記」。
この時は、舞台が地上であるにもかかわらず、脚部の仕様がMS-06R-2と同じものになっていましたね。

戦時下の現地改修機ですし、運用時期や地域によって形状や武装面で差異が見られるのは当然のこと。(……と、温かい目で見守るのがファンの心得というものです)



ナランソロンゴ・ボルドバヤル専用ザク4


ベースとして使用したキットは、MGザクJ型Ver.2.0です。
主な改修箇所は5点となります。

1. 頭部のアンテナの形状変更
2. 脚部にバーニアを追加
3. バックパックにタンク追加
4. スパイクアーマーをR-2仕様に変更
5. ヒート金剛棒、ヒートナックル両武装の製作

詳しくは製作記事をご覧ください。


カラーリングですが、同じくボルドバヤル大尉の専用機であるグフ・カスタムとドムを参考にしました。
と言うのも、このグフ・カスタムとドムは、それぞれコミック「MS BOYS」の1巻と2巻の表紙を飾っているからです。


残念ながら単行本は全2巻なので、大尉のザクは表紙には登場していません。


白黒のコミックなので当然ですが、肩以外はベタとスクリーントーンで表現されているため、この表紙を参考に、配色をザクに当てはめながら塗装をしました。
表紙ではもう少しグレー寄りのカラーリングなのですが、「黒と銀色の肩」という設定を活かすために、イラストよりもブラックに近い配色にしてみましたが、いかがでしょう。

それでも、「ただ真っ黒なだけ」にならないように、クレオスのMr.カラー「C1 ブラック」「C71 ミッドナイトブルー」「C14 ネービーブルー」の組み合わせでパーツごとの色合いを少しずつ変えてあります。



ナランソロンゴ・ボルドバヤル専用ザク6


「銀狼」の名を示す肩の銀色には特に気を使いました。

作中では肩の銀色が「メッキ」とされていましたが、さすがにメッキ加工をする技術は無いので、メタリック塗装でこれを表現しました。

シルバーの塗料も、クレオスのメッキシルバーNEXT、アルクラッド、スパッツスティックスのアルティメットミラークロームなど、候補は色々ありました。
そんな中でも使い勝手のよさと、金属粒子がギラつきが素敵なフィニッシャーズカラーの「フォーミュラクローム」を選びました。

メタリック塗装のコツは人それぞれかと思いますが、私はいつも、以下のようなやり方で行っています。

サーフェイサー後、ツヤありのブラックを滴る寸前までたっぷりと吹き、しっかり乾燥させます。

その後、エア圧を若干強めにして、付かず離れずの距離でメタリック塗料を優しく吹き付けます。

これもまたよく乾燥させ、最後にツヤありのクリアコートをすればできあがりです。
クリア塗料も全体に膜をつくるような感じで、何回かに分けて塗り重ねていくといいかもしれません。
コツと言うほどのものでもないですね。

塗装後は軽くコンパウンドで磨いてあります。

こちらの製作記事で、もう少し詳しく工程を説明していますので、よろしければ参考にしてみてください)


現地改修機なので、マーキングは派手になり過ぎないよう控えめに、グレーのものを中心に貼っています。
それから、MGギャン用のガンダムデカールに銀色のジオンマークがありましたので、ここぞとばかりにシールドと胸部に使用しました。



ナランソロンゴ・ボルドバヤル専用ザク5


武器のヒート金剛棒は、プラパイプを軸にし、プラ板を6角形になるように貼りつけ、形を整えました。

異なる径のプラ棒やプラパイプ、コトブキヤのオプションパーツなどで柄と柄頭に装飾を施してあります。
柄には薄いプラ板を巻いて持ち手の滑り止め的な表現を加え、先端にはスパイクを接着しました。
接着面の関係で、スパイクの位置が原作と違っていしまっていますが、ご容赦を。


お次はヒートナックルですが、こちらもコトブキヤのパーツとプラ板から製作しました。
おそらくエネルギー供給経路でしょう、設定画にはパイプのような物が描かれているのですが、コミック作中でも形状がよくわかるコマが無かったため、これ幸いと省略させていただきました。



ナランソロンゴ・ボルドバヤル専用ザク7


「違う……僕は……、オレ……はクルト・ブラットじゃない……!」




ナランソロンゴ・ボルドバヤル専用ザク8


「オレは銀狼だ!!」




……ということで、今回は私にしては珍しく、アニメ本編やMSVなどではなく、コミックから生まれた機体をつくってみま した。
このように、ゲームやコミックが出典になっている機体にも面白いものがたくさんありますので、また機会があれば、いろいろと手を広げていきたいと考えています。



以上、「MS-06GR ザク II ナランソロンゴ・ボルドバヤル大尉専用機」でした。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!



製作記はこちらからご覧ください。

製作中 MS-06? ザクII その1(製作開始)
製作中 MS-06? ザクII その2(頭部改造)
製作中 MS-06? ザクII その3(脚部改造)
製作中 MS-06? ザクII その4(武器製作 1)
製作中 MS-06? ザクII その5(武器製作 2)
製作中 MS-06? ザクII その6(武器製作 3)
製作中 MS-06? ザクII その7(メタリック塗装)
製作中 MS-06? ザクII その8(製作終了)