洗い物 | 認知症の義母と嫁の私

認知症の義母と嫁の私

認知症の義母との話つづります

 
 
今日は誰か来客がいたようだ。
 
義理姉の電話をすぐにきった義母。
 
よそよそしく丁寧に電話を切ったから後から面倒な事にならないか気にしていた義理姉。
 
だが、私はもう義母が誰を呼んで話をしていてもさほど気にならなかった。
 
多分これは、免疫がついたのかも…
 
「お母さん。」
 
「はい。」
 
今日は自ら洗い物をしてくれたのでそのままにしておいた。
 
「叉絵描こうか。」
 
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義母は赤いお花を描きました。
 
いつもながらやはり上手い。
 
「お母さん。やっぱり絵上手いよなー。」
 
「いやー。私は絵は苦手じゃ。」
 
「今日お昼誰か来た?」
 
「あー。誰か電話してきたんよ。大した用事じゃないんじゃろー。」
 
「ふーん。」
 
後は突っ込まない。納得するしかないがおかしい…
 
義母の家の電話はキャッチではないからだ。
 
「カーネーションも暑くなったら持たないなー。」
 
「うん。そうじゃなー。」
 
多分お水をあげるのも忘れているんだろぅ。
 
「お水やったないからじゃ。ちょっとやろうか。」
 
あら、以心伝心したのか?
「あー!お母さん。サバ缶カービーがきとるよー。」
「わかった。もう捨てる。」
「今日はバーバサンとこ行った?」
 
「いかんよー。」
 
「明日はバーバサンお仕事(ディケアー)やすみじゃん」
 
「そうかなー。」
 
お仏壇のご飯とお茶をさげて洗い出した。
 
ごくごく普通の義母の姿。
これが毎日だと義母も楽に過ごせるのに…ふと思った。
 
いかん…いかん…現実を見ないと…って自分にいい聞かせる私がいる。
 
「あら?薬飲んだがなー。」
「飲んだよ。」
 
「何がどうなっとるかさっぱりわからん。口座がどこでとまっとんかなー?」
 
「再発行したら終わりだわ。大丈夫。○○(長男)が行くから。」
 
でいつもの話に戻った。
 
でも比較的穏やかな顔をしていた。