母の日に思う | モダンと暮らす、カカと生きる

モダンと暮らす、カカと生きる

脳出血で右半身マヒ&失語症になっちゃった〝カカ〝。
甘えん坊の個性派ビーグル〝モダン〟。

この大切なふたつの宝物を守るべく、介護&家事&稼ぎにいそしむ、お気楽のんびり屋な〝トト〟。そんな仲良し家族の日々をつづります。


5年くらい前から
2月か3月に早期予約で
母の日の数日前に
カーネーションを届けている。

今年は定番の赤いカーネーション
毎年、違う色を届けてもらう

届いたらいつも
「あんたからカーネーションが
届いたよ。ありがとう」
と、携帯に母から連絡がある。

だが、今年はなぜか?
トトんちの一般電話に留守電。
何を思ったのか?
当然、いないからつながらない。

翌日、実家に立ち寄り
「この花、どうしたと?」
と試しに問うと
「これは、ほら、あの人……
あ~、顔は思い出すけど
名前が出てこん!
あの人が送ってくれたと」
と、のたまう(苦笑)。

誰からの贈り物かはおろか
私に電話したことすら
すぐに忘れている。
もう、これがデフォルト。

短期記憶がことごとく失われ
記憶違いや思いこみ
何より〝作話〟がすごい。
今の母の話は
7割方が〝作話〟だ。
やり手のストーリーテラー(笑)
次から次に物語が生まれる。

「な~んね
しっかりしとんしゃーやない!」
と、母と話した人は言うが
「あれ、7割方、作り話です」
と言うと、みな驚いている。
それほど流暢に
ありもしない話を語る。

数年前にアルツハイマーと
診断され、ゆっくりゆっくり
できないことが増えつつある母。

昨年11月に階段から落ち
圧迫骨折で1ヶ月間老健入所。
帰宅してから、とんと老いた。
外出をしなくなり
身体機能の衰えに比例して
脳の働きも鈍くなった。

平日は週2回のデイサービス。
それ以外の平日は
週3回、夕方にヘルパーさん。
毎週金曜は訪問リハ。

7歳で発症し、長年苦しんできた
慢性リウマチの進行は止まったが
運動量が激減し
筋肉が落ち体重が減ったのもあり
ひざ関節症の症状が出て
家の中でも壁づたいに
ヨロヨロと歩いている。

「自分で動けんごとなったら
家にはおられんよ」
と〝おどして〟(苦笑)
座ったままできる自主リハを
うながしてはいるが
そのこと自体を忘れるから
どうしようもない。

カカが退院して1年間、毎日
身体リハと言語リハを
それぞれ1時間やっていた頃を
思い出した。
認知症も高次脳機能障がいも
自主的、計画的なリハビリなど
そもそも難しい話なのだ。
誰かが誘導しなければ
自発的にやるなど夢物語。

とは言え
カカに対して必死にやれた事が
母や父に対して
同じようにはやれない……
というか、しない自分がいる。
理由をあげつらうのは簡単だが
母に対する自分のスタンス
父に対する自分のスタンスを
静かに見つめる自分がいる。

もう自己嫌悪さえ
感じなくなった(苦笑)。
開きなおった、とは違う
自分と相手との関係があるだけ。

一筋縄ではいかない
頑固ジジイの父に比べれば(笑)
全体的に機能低下中の母は
むしろ扱いやすくなった(笑)。
おでかけ大好きな母だったから
正直、徘徊が一番怖かった。 
でも、機能的にもう無理だし
車いすのカカと同じで
知らぬうちにいなくなる
ストレスが無いのは有り難い。

母の日だからと
甘い優しい想い出ではなく
あらためて振り返る
日々のリアル。

穏やかに、のんびりと
暮らしてくれれば、それで十分。



◆トト飯

久しぶりの「うまかっちゃん」
椎茸ほうれん草のソテーと
玉子をトッピング
アスパラひらたけもやし炒め、
新じゃが新たまねぎと南関あげの
味噌汁、だし巻き玉子、
青菜漬&キムチ&釜揚げしらす
鶏軟骨ほうれん草の豆豉炒め、
青菜漬&キムチ、残りの味噌汁、
にんじん昆布、ごぼう煮
恵比須飯店の皿うどん、絶品♪