同じ日に代掻きして同じ日に田植えした2枚の田んぼ。
右側が私が耕作させて頂いてる田んぼです。
すごく濁っています。
そして左側が人様の田んぼ。
もう完全に澄みきっています。
濁りの原因は水生生物です。
私の田んぼにはカブトエビ、ホウネンエビ、カイエビが泳いでて、泥をかき回すので濁りができます。
中でも、カイエビとホウネンエビは絶えず動き回るので特に濁ります。
この濁りにより、光が遮られ、草が生えにくくなるとも言われていますが、そんな事はありません。
普通に生えます。
カブトエビは発芽したばかりのコナギなどの雑草を食べてくれます。
しかし、水が澄み切っていると水鳥などに食べられてしまうと思います。
なので、カブトエビはホウネンエビなどと共生関係にあると感じています。
さて、水生生物が繁殖する環境について少し調べてみる事にしました。
▼まずはpHについて調べてみます。
使用するのはリトマス試験紙です。
同じ水源のポンプアップされた地下水を使っているので差はないように思います。
▼左が水生生物の居ない田んぼで右が居る田んぼ。
結果はいずれもpH5〜6の弱酸性でした。
土壌のpHとの関係もあるでしょうけど、彼らが生息するのは土の中ではなく、水の中。
なので、土壌のpHはさほど関係ないように感じます。
お次はブロ友のあぐりさんの依頼で土の温度も測ってみるとします。
計測したのは晴れた日の朝の8時すぎ。
▼温度計を5cmくらい泥に差し込んで1分放置して測りました。
予想では光が遮られているから濁った水の方が水温・地温ともに低いような気がします。
▼結果は・・・濁っている田んぼは21.5℃
そして
▼澄んでいる田んぼは19.5℃
この田んぼの水量から見て、計測当日や前日に水を貯めたとは思えません。
おそらく、化成肥料とその種類?
無肥料栽培では肥毒という言葉があり、肥毒層が地中にできると地熱が伝わらず地温が低下するという説もあります。
しかし、今回の調査?では、水生生物の繁殖につながる鍵は見つかっていないのと同じです。
なぜこんな事を調べるのかというと、水生生物がいない田んぼに他の田んぼから捕獲してきた水生生物を放流しても、
翌年には全く繁殖していない事が多いからです。
繁殖する水田は農薬を使っていないから?化成肥料を使っていないから?
いえいえ、そんな事は全く関係ありません。
▼自宅前のご近所様の水田。
稲の収穫が終われば農薬兼肥料の石灰窒素を使い、田植えの際には箱苗処理剤を使い、
田植えが終われば除草剤をつかい、その後、防除農薬も使っています。
でも、この水生生物の密度と濁りかた。
http://www.eonet.ne.jp/~aoibiwako/kagaku/kabu2.htm
こちらの中学の科学部でもカブトエビの事について調べられているようですが、断定的な結果は出ていないようです。
しかし、土によって繁殖する土としない土があるようです。
ちなみに、記事中にカブトエビとおたまじゃくしは共存できないと書かれていますが、私の田んぼでは共存しています。
カブトエビなどを確実に繁殖させる事が出来れば雑草密度も減り、無農薬の稲作がもっと楽になります。