初めてのJA出荷用の青ちりめん高菜栽培が終わりました。
JAに出荷し、漬物会社がそれを買い取るというものです。
なので、他の方が作った高菜と混じることになりますから、無農薬で栽培する意味も特にありません。
しかし、土や土壌の微生物や有益菌のことを考えるとできる限り化学肥料や農薬は使いたくありません。
元肥には醗酵鶏糞を8アールの面積に825kg施肥しました。
これでマニュアル通りの窒素成分は補えるのですが、化成肥料もわずかに使用し、初期生育を促したいと思います。
中晩稲品種の水稲きぬむすめの後作の栽培ですので、植え付けが少し遅れることは予想できましたが、
一昨年に続いて、まさかの2年連続の秋の長雨。
一昨年は畝立てすらできずに栽培を断念しました。
さて、10月29日に定植を開始しましたが、台風や長雨により、定植を終えたのはなんと11月17日。
その後、時間を見つけては草退治していました。
反当窒素量が45kgというマニュアル通りの多肥栽培ですから、主な雑草のウシノケグサの生育も半端なくすごい。
草退治を怠ると完全に高菜はウシノケグサに飲み込まれてしまいます。
▼そして、ようやく収穫の時を迎えました。
収穫を開始したのは3月9日です。
JAは月曜日〜木曜日は午前8:30〜午前11:00と午後1:00〜午後3:00まで荷受を受け付けてくれます。
金曜日は午前8:30〜午前11:00だけ。
土曜日と日曜日は休業です。
ということで、主に日曜日に収穫して月曜日の午前中に出荷するという形になります。
収穫用には一輪車を使います。
道路に面した圃場ではレタスカーとかアルミワーカーと呼ばれる4輪台車を使って収穫できますが、
道路に面していないので一輪車を簡単に改造して使用することにしました。
▼改造車の完成♪
コンテナを使うよりもこのほうが効率よく運べます。
▼タイヤも新品のノーパンクタイヤに交換しておきました。
シャーシは錆びまくっていますが、昔の一輪車なので堅牢です。
▼大きなもので1株2kg前後です。
1株3kg〜4kgにしたかったのですが、やはり遅く植えたのと度重なる寒波で予想外の生育不良。
▼おまけに霜に負けてしまって葉の縁が変色してしまっています。
こういうものは縁を切り取って出荷しないといけません。
結構な手間です。
▼刈り取ってから汚い葉を取り除いて畑で干して柔らかくします。
干すとおおよそ1.5%の収量減になりますが、シャキシャキの株よりも効率よく運搬できます。
▼シャキシャキのままだとこんな感じであまり詰め込めません。
さて、最初に定植したある程度大きな高菜は収穫を終えましたが、後の方に植えた株はもう少し待ってから収穫するとします。
▼念のために目方を測ってみるとたったの200g!?
これではお話になりません。
せめてもう少し大きくしてから・・・。
ただ、もういつトウ立ちが始まるかわからない時期です。
頃合いを見て収穫しないと元も子もありません。
15本の畝で栽培していますが、半分は遅く植えたものでこの株くらいの大きさです。
▼その後、2度のまとまった雨と気温の上昇で少し大きくなりました。
収穫再開です。
日曜日は丸一日収穫に費やしましたが、株が小さいので汚い葉を取り除くとほとんど目方がありません。
▼そしてついに・・・とうが立ち始めました。
とうが立つと栄養成長から生殖成長に移り、葉が固くなり始めます。
そんなものは出荷できません。
▼さらにシロサビ病も発生。
高菜の収穫は2通りあります。
株が成長した冬に霜にやられたりして葉が変色する前に葉だけを欠いて収穫する葉欠き収穫と株採り収穫です。
株採り収穫した高菜の漬物は主に刻んでしまうそうですが、こんな病気の株を出荷するのもどうかと・・・
ということで、収穫をこれで断念しました。
▼もったいないといえばもったいない。でも、ほとんど収穫できました。
釣りもほどほどによく頑張りました。
稲の草退治は出穂するまでですが、野菜は延々と続きます。
今年こそは草対策と地温上昇目的で黒マルチを使うとしましょう。
昨秋は雨続きでそれどころではありませんでしたから。
▼最後の出荷に行ってきます。
丸一日かかってたったこれだけ・・・
大株なら1日3車分は収穫できたんですが。
▼さて、最終的な売り上げはいかがでしょう?
家庭菜園では美味しく安全な作物を作ることが肝心です。
しかし、営農用には美味しく安全で美しい作物を作らないといけないし、肝心なのは利益です。
私は本業は農業ではありませんが、利益が出ないと次につながりません。
▼荷受伝票の重量を合計してみました。
なんと!1トンもありませんでした・・・
目標は5〜8トンでしたが株が小さく、葉欠き収穫もできなかったので残念な結果となりました。
▼売り上げ公開!(笑)
もちろん単位はドルではなくて円です。
う〜〜ん・・・お話になりませんね・・・
経費をかけず手間もかけずに放任で栽培したのならまだしも、秋から春までずっと草削りしてコレは・・・
自分自身の頑張り度は正直90点行ってると思いますが、自然相手ではその努力も結果になって現れませんでした。
赤字になっていないのがせめてもの救いです。
この秋始まる高菜の栽培ではもうこんな目にあうことのないように考えて栽培しよう。
もしも、長雨で11月初旬までに植え付けできないようであれば栽培を断念する方が得策かも。
ただ・・・負けっぱなしでは悔しいので今年の教訓を生かして来年の今頃は笑っていたいです。