山田での稲作最終年 | 自然派で行こう♪

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自然な農法での安全な米・野菜作りをしています。
釣りと料理と自家製素材を使った味噌作りもしています。



通称「おたきさん」と呼ばれる不動明王様の御神水

この滝の一番水を使って稲作が出来る。

ただそれだけで私にとってはものすごく魅力的に感じ、この渓谷の田んぼに出会ったのが2年半前。

田の所有者の話では過去に獣害はほとんどなく、収穫量も密植すれば反収で8俵弱と不思議なほど多収。

もちろん中山間地向けの品種を育てた場合であろうけど、平野部向けの品種でもそれなりにあるだろう。

という事で、即決でここを借りる事にしました。


▼真夏の日照り続きでも山から流れるあふれんばかりの水。


冬期湛水も出来るし、何よりも一番水なので安心・安全。

という訳で一昨年、意気揚々と稲作を始めたのですけど・・・


▼ここは獣の巣窟でした。


畦に生える枯れ草が部分的に無い・・・獣道になっているようです。

田んぼの地主さんは決して「獣害はほとんどない」という嘘を言った訳ではなく、

この渓の下流域で稲作をされている人に伺ったのですが、本当に前年まで獣害が無かったそうです。


▼ネットをしても破られる



▼波トタンで囲っても無意味。


こんなに獣が増えた原因は少し離れた場所で1年前まで高速道路の工事が進められていました。

そして、田んぼを挟んだその反対側では約25ヘクタールという大規模なメガソーラー設置工事が・・・

挟み撃ちにされた獣はこの渓に追いやられてしまったのでしょう。

猪、鹿、アライグマ・・・

最たる脅威はニホンザルです。

隣の地域にあった猿公園が閉園し、そこから逃げたニホンザルが群れをなしてこの辺りにやってきたようです。

そんな獣たちが住み着く山田での初年度の収量は全部でわずか1俵半。

7枚で2反あるこの山田は収穫目前で6枚が猿の群れに襲われて壊滅。


▼唯一被害を免れたのは爆音機を設置していたこの田んぼ1枚のみ。


除草剤をはじめ、農薬を一切使わず、肥料も使わず草取りに明け暮れてこの結末・・・

やってられません。

しかし、自然の驚異はそれだけではなかったのです。

昨年秋に豪雨が原因で起きた山崩れで田んぼに山の土砂が流れ込みました。


▼今でも大きな石が通路に転がり落ちます。


これはいくらなんでも危険すぎます。


▼私が借りている田んぼの近くではついに箱罠を設置しました。


今までこの田んぼの持ち主さんはこんな事をした事が無いそうです。

ちなみにブルーシートをかぶせている部分は山崩れがあった場所。

もはやここまでかな・・・



この田んぼは今年で手放して、少々狭くても、もう少し安全な山田で稲作するとします。

もちろん、水が究極にきれいで冬期湛水できる田んぼに限ります。


という事で、今年がこの山田での最後の稲作の始まりです。

渓の中での稲作は本当に怖い・・・