
京都の本物のしば漬けを食べた事はありますか?
スーパーで売ってるしば漬けはしば漬けではありません。
本当のしば漬けはナスと赤じそと塩だけで漬けられています。
私が京都の本物のしば漬けを知ったのはかれこれ15年以上前の事。
大阪のグルメな友人が「ほんまもんのしば漬けを食べた事ある?」と言って、
わが家に遊びに来てくれた際にお土産に持って来てくれたのです。
開封してビックリ!それは、今まで知っていた「しば漬け」とは全く違うもの。
具のひとつひとつが大きくて、具の種類も少なくて、なによりもミョウガとか生姜が入っていない。
こんなのしば漬けであるはずがない!そう思いました。
それを我が家にて、その友人がいる前で炊きたてごはんで食べてみました。
正直言って、味が薄い!酸味しか口に残らない。
醤油をかけないとオカズには厳しいかな?
食感もパリポリしていなくてシナッとしてて今まで食べていたしば漬けとはまるっきり違うもの。
確かに美味しいけれど、スーパーで売ってるしば漬けの方がオカズになるかな!?
そう思いつつも、漬け物好きの私は毎日食べていました。
ある日、そのしば漬けもなくなってしまい、私は禁断症状に陥った・・・といえば、大袈裟ですが、
それなくしては、毎日の食事が物足りなくなるまでの好物なっていたのです。
その後も、その友人にお願いして何度か送って頂きましたが、
私の性格上、自分で作ってみたくなったのです。
当時の私は野菜作りをしておらず、購入した野菜で作っていました。
でも、うまく行かないのです。
よく似た味にはなるけれど、何かが違うんです。
何しろまったくの勘で作っていましたから。^^;
クセになるあの乳酸菌の味?ナスの味より乳酸菌の味。
ただの赤紫蘇の香りとはちょっと違う、大量の乳酸菌に占拠されているような赤じその香り。
やはりプロの仕事!素人には到底真似が出来ない・・・
そう思ってあきらめ、何年も経った先月の事、
テレビ番組の「満天☆青空レストラン」にて、思いもよらぬ企画が!
それは、京都大原の本モノのしば漬けを特集した番組でした。
紹介されていたのはこちらの「志ば久」さん。
読み方は「しばひさ」でも「しばく」でもなくて、「しばきゅう」さん。
よ~~し!!!これで、自分でも京都の本物のしば漬けが作れるぞ!(作れるのか?^^;)
買ったほうが確実に美味しくて早くて安上がりなのは解っていますが、作りたいのです。
▼まずはナスを収穫するとします。

京の漬け物なので使うナスは京都の加茂ナスあたりかな?
と、思っていましたが・・・
そのしば漬け屋さんと交流のあるナガオヨウコさんの情報によれば現在は千両系のナスだそうな。
千両系は現代のナスの品種なので、インドからナスが伝来して間もない平安時代のしば漬けには、
もっと違うナスが使われていたのかも知れませんね。
私は昨年より千両2号ナスの片親である立石中長茄子を作っています。
千両2号と比較して皮が薄く、肉質が柔らかく、皮の渋みやエグミも少ない美味しいナスです。
農家さんには豊産種ではないところがちょっと難点かも?でも、家庭用には丁度いいです。
▼ちりめん赤じそもワサワサに茂っています。

売り物にするのなら7月の赤じその方が虫食いも少なくて品質がいいのでしょうけど、
自家用なので問題ないです。
完全無農薬のナスと赤じそ。そして良い塩を使って、いざ!しば漬作りの開始です。
▼テレビで紹介されていた事をマネして作ってみます。

ナスのヘタは固い部分だけを切り取り、ヘタを少し残すそうです。
それは、ヘタからも色素が出て色よく仕上がるからだそうです。
▼切る厚さは7~8mmだそうです。

もっと細かく切るのかと思っていたのですが、縦にスライスするだけでした。
皆さんはしば漬けはどうしてしば漬けというかご存知ですか?
私はテレビ番組を見るまでこう思っていたんです。
柴犬、柴グレ(メジナの小さいの)漢字は違うものの芝生などなど、
「シバ」という言葉に対して「小さな」というイメージがあるのです。
だから、しば漬も細かく切ってから漬けるからしば漬なんだろうか?と・・・
しかし、本当は「紫葉漬け」と書くそうで、
「ムラサキの葉で漬けた漬け物」早い話が赤じそで漬けた漬け物の事だったのです。
柴と紫・・・文字もよく似ていますね。
その歴史は長く、京の大原に隠棲した平清盛の娘、建礼門院(平徳子)が献上された地元の漬物を気に入り、
紫葉の入った漬物=「紫葉漬け」と名付けたという事です。
さて、一番肝心な塩分はさすがにテレビで紹介されていませんでした。
しかし、私が食べた感じでは本物のしば漬けはまったく塩辛く無く、
多くて5%で、少なければ3%くらいの塩分ではないかと思います。
▼ナスの重さは全部で749gです。

赤じその重量はこの際は計算に入れないでおくとします。
▼電卓で計算すると5%なら37.45g

ということで、38gの塩を使うことにします。
▼赤じそ、塩、ナス、赤じそ、塩・・・と重ねるとします。

テレビでは豪快に全てを混ぜ合わせていましたが、
ボウルの中ではそんなに豪快にかき混ぜられませんので。
▼こんな感じかな?

気になるのは赤じそを塩揉みして灰汁抜きしなくていいのか?と言う事。
でも、テレビではそう言う作業は施していないであろう、イキイキした赤じそが使われていました。
少量なので漬け物樽ではなくネジ式で重石を調整出来る漬け物容器で漬けるとします。
ここで大事なのは容器の隅々まで隙間無くナスと赤じそを詰め込む事だそうです。
▼簡易漬け物容器に入れて圧力(重石)を掛けるとすぐに水があがって来ました。

テレビではこれは灰汁だということで、すぐに捨てていました。
この状態では赤じその灰汁は抜けていないと思うのですが・・・
ひょっとして赤じその灰汁はこの漬け物にとって必要なのだろうか?
▼次はフタ代わりの赤じそを用意するとします。

テレビでは2日後にフタをしていましたが、
それは水分が抜けて目減りした2樽を1樽にまとめるので、2日後に赤じそのフタをするのかも。
私の場合はたったこれっぽちしか作らないので、今赤じそのフタをします。
▼コレばかりは塩揉みをした赤じそを使うことにします。

テレビではそんな事を言っていませんでしたが、
塩の効いていない赤じそを夏を挟んで三ヶ月も放置しているとよくない気がするからです。
▼と言う事で塩揉みして灰汁を絞った赤じそでフタをしました。

梅酢を使って絞ればクエン酸と反応してもっと色鮮やかな色に漬かるとおもうのですが、
そんな事をしたら「ほんまもんのしば漬け」では無くなるのでヤメておきます。
さて、この先はどんな作業をするのかな?^^;
テレビでは三ヶ月間寝かせると言っていましたが・・・
▼翌日、こんな感じになっていました。

テレビで見た二日後の状態と同じ様な色合いになっています。
問題は重石を途中で軽くするのか?この汁を捨てなくても良いのか?って事ですね。
少し軽くしてみようかな~?^^;汁は捨てない方が良いかな~?
とりあえず少しだけ重石を軽くし、このまま漬かるまでじっと待つとします。
三ヶ月後が楽しみです。^^カビとか生えませんように~(。-人-。)
デューク・エイセス 「女ひとり」
詳しい作り方をご存知の方。気になるところがあったらご指摘おまちしています。