
親孝行らしい事がしたくなってちょっとお節介してみました。
今年は父母の金婚の年にあたります。
結婚記念日は3月3日。
忘れていた訳ではないのですが、その日に金婚式を祝ってあげることが出来ませんでした。
同じ日に両親2人をお祝いしてあげられるのは今回が恐らく最後。
何かしてあげる事は出来ないだろうか・・・?
そう思っていた頃、いつもお世話になっている方がオーナーを勤める宿が
リニューアルオープンする事になりました。
その宿は日本屈指の伊勢海老の漁獲高を誇る「すさみ漁港」の近くにあります。
かつて、エリザベス女王や時の合衆国大統領フォード氏が来日された時、
京都のホテルで食されたのが、「すさみ」で採れた伊勢海老です。
漁獲高はもとより、枯木灘と呼ばれる荒海で育った伊勢海老の味の良さが
シェフに認められたと言われています。
その伊勢海老のフルコースを両親に食べてもらい、
まだリニューアル数日しか経っていない気持ちのいい新しい宿で体を休めてもらい、
新婚旅行ならぬ金婚旅行をプレゼントする事にしました。
それにしても、親父もおふくろも年を取りました。
特に親父は滅多に逢わないせいか顔を合わせる度に老け込んでいる気がします。
まだ74歳だと言うのに・・・
▼若い頃の二人(+私)

私は母親を尊敬しています。
どんな苦しい時でも弱音を吐かず、経営していた工場の業績が傾いた時も、
社員に給料を払うべく、自分はほぼ毎日徹夜に近い感じで働き、
深夜に寝て間もなく早朝に起きて家族の食事の用意、炊事洗濯、工場の経理、
何もかも1人でこなしてきました。
この家に嫁いで来て以来、母親に自由なんてあったのだろうか?
そんな状態でありながらも父と力をあわせ、私を大阪の専門学校に行かせてくれました。
そのおかげで現在私はその道で生きています。感謝しても仕切れません。
そして・・・野球がうまい若い頃の父も私の自慢でした。
気がつけば両親が結婚して50年。
色々ありましたが、この度二人そろって金婚の年を迎えられた事は本当に嬉しい事です。
車を走らせ40分。
午後4時に目的の宿に到着。
宿の名前は数寄屋モダンの宿「あきば何求庵」(あきばなんぐうあん)
ここのオーナーは華道師範であり、
テーブルコーディーネーター・フラワーアレンジ・シルクフラワーフローリスト等、
様々な肩書きをお持ちのあらゆる面で美にこだわる女性。
宿のリニューアルの際も建築家の大江一夫氏にデザインを依頼し
素晴らしい宿に仕上がっていました。
あきば何求庵のホームページ
▼館内に入ると素足が気持ちいい手彫りの床

さすが、一流建築家の先生にかかれば以前の面影は全くありません。
▼ココはダイニング

この宿は2組限定の宿で、ダイニングも2部屋。
バスルームも2部屋、スイートルームも2部屋。
▼白いバスルーム

そして
▼黒いバスルーム

宿に到着して父と母は、早速風呂に入りました。
後で聞いた話しですが、なんと一緒に入ったとか・・・(笑)
背中の流しっことかしたのでしょうか?
いつもそれくらい仲のいい夫婦で居てくれればスゴく嬉しいです。
▼ダイニングから見える庭園

夕日が映る縦長の水盤が印象的でした。
▼両親が泊まったスイートルーム

広々していてスゴく落ち着く、竹をふんだんに使ったお部屋でした。
▼天井

梁むき出しの和の雰囲気がモダンな造りとすごくあっています。
▼いよいよ料理が出てきます。

伊勢海老のフルコースを夫婦水入らずで楽しんでもらいたいので、
私は食事が出てくる前に宿を後にしました。
ところで、親孝行ってなんでしょう?
お金を出して何かをしてあげる事でしょうか?
それとも、一生懸命生きている姿を見せてあげる事でしょうか?
昔と違い、現在の私は特に心配かける様な事をしていないので、
ちょっとは親孝行しているって事になっているかな?^^;
親父へ・・・この日は新婚当時の気分を思い出してくれたかな?これからも夫婦仲良くして下さい。
おふくろへ・・・いつもありがとう。感謝します。コレからも元気で。