本日の懐かしのホラー映画は、「怪奇ミイラ男」(1964)。
ハマー・フィルム作品「ミイラの幽霊」に続く、The Mummyシリーズ 第2弾です。
双子の王子は、全く正反対の性格をしており、兄のラーを疎ましく思ってたビーは、兄を国から追放。刺客を放って暗殺してしまいます。
デュボア教授を中心とした調査チームが非業の死を遂げたラー王子の墓を見つけ、着々と準備を進めている最中、現地人に捕らえられたデュボア教授は処刑されてしまいます。現地に来ていたジョンの婚約者でジュボア教授の1人娘アネットは、深い悲しみに包まれます。
デュボア教授亡き後、教授の意志を引き継いだジャイルズ卿達は、墓からラーの棺を運び出します。そのタイミングに現れた出資者の1人キングは、世界中を巡業してラー王子のミイラで金儲けをしたいと主張し始めます。
金儲けの為ではなく、貴重な文化遺産として安置すべきと考えるジャイルズ卿は賛同できずに居ました。
船で移動中、ジャイルズ卿が謎の暴漢に襲われます。ジャイルズ卿の部屋から出て来た暴漢と偶然出くわしてしまったアネットも襲われそうになります。それを救ったのは、船に偶然同乗していたアダムと言う青年でした。
アネットに婚約者が居るにも関わらず、アダムはアプローチを始めます。
紳士的な振る舞いで、貴重な装飾品を贈ってくれるアダムに対し、アネットは気持ちが揺らぎ始めていました。
ラーの棺を披露する世界巡業に先立ち、キングは新聞記者達を集めたお披露目の機会を設けます。関心を持ったマスコミ関係者に囲まれ、壇上のキングはラー王子の棺をあけます。ある筈のミイラが収まっていない。会場は騒然となります。
大恥をかいて幕を閉じたお披露目会から帰る途中のキングの元に突如ミイラ男が現れます。
ミイラ男に階段から突き落とされ、キングは命を落としてしまいます。
続けてミイラ男はジャイルズ卿の部屋を襲撃。ジャイルズ卿もミイラ男の餌食となるのでした。
ジョンを裏切り、アダムと一緒に駆け落ち同然で旅立とうとするアネット達の元にもミイラ男は現われます。一体、誰が何の目的でミイラ男を甦らせたのか。?
この襲撃事件により、アネットは衝撃の事実を知る事となるのでした。
前作「ミイラの幽霊」とは直接関連のない、新しいミイラ男の物語となります。
ドラキュラやフランケンシュタインの怪物は、何作にもわたって同じキャラクターが登場する形を取っていますが、同じミイラ男が何作にも渡って暴れると言う話には無理があります。
それぞれ独立した物語にして正解だと思いました。
ミイラになってしまった人物の背景や経緯が全く異なりますので、前作を観ていなくても問題なく楽しめると思います。
今年10月にホラーマニアックスシリーズにてBlu-ray化されるシリーズ第3弾となる「ミイラ怪人の呪い」も新しい物語になると思いますので、気負わず手に取っていただけたらと思います。(「ミイラ怪人の呪い」については、Blu-ray発売後にレビューする予定です。)
ラー王子の棺を巡り、呪いの話が出た時、ふと小学校低学年の時に書籍で読んで震え上がったファラオの呪いについて思い出しました。
ファラオの墓を暴いた関係者が次々と不審な死を遂げた事から、ファラオの呪いではないか?と言われる様になった話です。
蓋を開ければ、蚊に刺された人が感染症に罹ったり、偶然関係者が事故で亡くなった事が重なっただけで、それらの事象を呪いと関連づけて話す様になったと言う都市伝説でした。子供の頃は、都市伝説とは思わなかったので、本当の話と信じ込み、とても怖い思いをしたものです。
それよりも不思議なのは、ソニーピクチャーズさんから発売されていた「妖女ゴーゴン」や本作のDVDがパタリと廃盤になってしまった事です。たまたま権利が切れてしまった事が原因の終売なのか、何か問題が起きたのか、事情に疎い為、判りません。
両作品とも、偶然にも取扱い終了前に入手していた為、プレ値で買わずに済んで幸いでした。
前作と比べてしまうと、ミイラ男が動き出す動機が判り辛かったり、設定に無理を感じる部分もありましたが、80分と言う短い尺に上手く収まっていたと思います。
唯一残念だったのは、ミイラ男の登場が遅かった点でしょうか。
本編が始まってから、53分間は全く出番がないので、いつ出てくるのだろう?と疑問に感じてしまいました。
もう少し早く登場しても良かった様な気がするのは自分だけでしょうか。(;'∀')