本日の懐かしのホラー映画は、「吸血鬼ドラキュラの花嫁」(1960)。
ハマー・フィルムが製作した「ドラキュラ」シリーズ第2弾になります。

夜、中々寝付けないマリアンヌは、窓から外を見ると、別室のバルコニーから飛び降りそうな男が居ました。彼を引き留めようと、マリアンヌは城内を急ぎます。
彼の部屋の前に辿り着いたマリアンヌは、夫人が話していた病気の息子・マインスター男爵その人である事を知ります。彼は左足が鎖で繋がれ幽閉されていたのです。
世間的には、男爵は死亡している事になっている様でした。
こんな事があってはならないと思ったマリアンヌは、夫人の部屋から鎖の鍵を盗み出し、寝室からバルコニーに居る男爵へ鍵を投げ渡します。
自由を手にした男爵は、母親である夫人を噛み殺し、逃亡します。
場面は移り、森の中。ヘルシング教授が馬車で移動中、森の中で倒れているマリアンヌを発見し、介抱します。マリアンヌが訪れた食堂に着くと、首を噛まれ亡くなった若い女性を町の住人達が弔っていました。首筋に噛み跡がある。ヘルシング教授は一抹の不安を抱えながらも、マリアンヌを彼女の本来の目的地である女学校へと送り届けます。
食堂へ戻ったヘルシング教授の周辺を蝙蝠が飛び交います。吸血鬼に違いない。!教授は蝙蝠を追って、マインスター家の城へとたどり着きます。
そこには、息子に噛み殺され吸血鬼になった夫人が居ました。
吸血鬼であるマインスター男爵と一戦を交えるヘルシング教授。
ヘルシングから逃れた男爵は、マリアンヌの居るが女学園に現れます。
男爵との再会を喜ぶマリアンヌ。男爵は、マリアンヌに求婚し、2人は結婚を誓います。
吸血鬼と結婚しようとしているマリアンヌを止める為、ヘルシング教授は男爵と最後の決戦に臨むのでした。
本作は、ドラキュラ伯爵亡き後、ヘルシング教授と新たなるバンパイアの戦いを描いた作品です。クリストファー・リーが出演する「吸血鬼ドラキュラ」が余りにも評判が良かった為、リーが出演しない本作の興行は不発に終わってしまった様です。
ロッキーとアポロだって、2回しか対戦していません。
同じキャラクター同士で何作にもわたって戦うのは如何なものか?と個人的には思うので、コレはコレでアリなのかな・・が自分の感想になります。
(ドラキュラシリーズ 3作目以降、現段階では未見の為、その後は未だ判っていませんが。)
VHS時代、本作とは縁がなかった為、ホラービデオカタログ補完の為、昨年(2024年)輸入盤Blu-rayを海外から取寄せ、後に海外版VHSを縁あって入手致しました。その為、本記事の為に初めて鑑賞しました。

彼女が羽織る紫のガウンが艶めかしくも美しく、彼女の魅力を一層引き立てていました。また、物語後半にマリアンヌと暖炉の前で語らい、マインスター男爵の餌食となるジーナがパンを焦がすシーンがあります。昨年、身内でバーベキューをやった際、思いっきりマシュマロを焦がしてしまった事を思い出し、可笑しくなってしまいました。
ジーナ役の女優さんが吸血鬼になったシーンを何かの映画で観た(フライトナイト辺り?)様な気がするのですが、イマイチ思い出せません。
でも、どこかで観た顔だなぁ・・と思ったのでした。
ヴァン・ヘルシング役は、ピーター・カッシングが続投。
今回も紳士的な主人公を好演していました。
吸血鬼である男爵とマリアンヌが結婚する事を知ったヘルシング教授は、彼女に真実を告げず、黙って男爵との戦いに臨もうとする場面は、ヘルシングの優しさが滲み出ていましたね。風車小屋での死闘の最中、吸血鬼に首を噛まれてしまったヘルシング教授が傷口を焼き、聖水をかけて吸血鬼から受けたダメージを無効化する設定は新鮮でした。また、吸血鬼のマインスター男爵が聖水をかけられ、顔が一気に爛れる時のメイクも見事でした。
クライマックスの風車の羽根を十字架に見立てる演出も粋で、「興行成績が悪い=作品の出来が悪い」ではない事を実証している1作だと思いました。
残念ながら、日本ではVHS止まりとなっていますので、海外のBlu-rayでのみ視聴可能です。ドラキュラシリーズ3作目「凶人ドラキュラ」で、クリストファー・リー演じるドラキュラ伯爵がトリッキーな設定で復活を遂げます。
以降の作品はホラービデオカタログ未掲載となりますが、折をみて紹介を継続して行きたいと考えています。