本日の懐かしのホラー映画は、「キラーフィッシュ」(1978)。
タイトル通り、殺人魚設定にされる事が多いピラニアが人々を襲うパニック作品です。



鉱山会社に目を付けた とある盗賊グループが、保管室にある宝石(エメラルド)を盗み出し、発電施設を爆破する所から物語は幕をあけます。
盗賊グループは、メンバーの1人に車の処分を託し、自分達は釣り人に扮して逃走を続けていました。
まんまと逃げおおせたポールを中心とする盗賊グループは、エメラルドを収めた化粧箱を湖に沈めて隠します。すぐには回収せず、ほとぼりが冷めてから回収しようと言う事になり、協議の結果、60日後に回収する方向でメンバーの同意を得ました。


しかし、悪党の集団が約束を守る訳もなく、トニー兄弟は遠出をすると皆にウソをつき、コッソリとエメラルドが沈められている湖へと向かうのでした。皆を出し抜き、兄弟でエメラルドを持ち逃げする為、トニーが潜水服に着替え、湖に潜ります。すると、突然苦しみ出し、瞬く間に湖中へと沈んでしまいます。水面には血の池が見る見るうちに広がって行くのでした。


トニーが湖で何かに襲われ死亡した事をメンバーに打ち明けた弟は、2人で現場へ戻り、兄と同じ末路を辿る事になります。


実は、エメラルド強奪作戦を立案したポールが、秘密裏に湖へピラニアを放っていたのです。繁殖させる為、雌と雄50匹ずつ投入していたので、今頃相当な数に増殖している見込みでした。

トニー兄弟の事を知ったポールは、エメラルド回収に踏み切る事にします。

ポールがピラニアにエサ(肉)を与え注意を逸らしている間に、ケイトが潜水してエメラルドの収まっている化粧箱を回収すると言う作戦でした。途中、エサに注意が行かなかったピラニアに遭遇し、パニックを起こしながらも、ケイトは何とか化粧箱を回収したのでした。


無事宝石を回収した2人は、現地へモデル撮影に来ていたガブリエル達の小型船に乗せて貰う事にします。これで、ようやくこの地からオサラバ出来ると思った矢先、運の悪い事に竜巻が発生します。ダムは決壊し、竜巻の余波で小型船は座礁してしまいます。

小型船からの脱出を試みるも、湖に居るピラニア達に襲われ、モデル撮影班が犠牲になってしまいます。湖に遊泳に来ていた子供も襲われ、事態は拡大する一方。ダイナマイトを使い、ピラニアを退治する事にしたポール達でしたが・・・。


本作の主人公達は、盗賊。悪党が中心になって物語が展開する珍しいパニック映画だと思いました。エメラルドを我が物にしたいと考える者達の思惑が交錯し、まさかのピラニア登場でパニックが拡大して行きます。


冒頭30分位は、ピラニアのピの字も出て来ず、トニーが突然湖で苦しみだすので、観る側としては一体何事が起きたのだ?と当惑してしまいました。

トニーが犠牲になってから、湖の秘密が解き明かされ、ようやく先の事態を理解できる様になります。

終盤の諍いは、自業自得と言いますか、「策士、策に溺れる」と言えるオチでしたね。


水中でピラニアに襲われるシーンは、描写が早過ぎて良くわからなかったのですが、CGの無い時代に色々と試行錯誤した結果、あの描写に至ったのだと思う事にしました。

竜巻のシーンは、少し陳腐に映りましたが、そのぶんダムの決壊シーンの特撮は実に見事でした。本編で使用されている場面は僅かながら、かなりの費用を投じているのではないか?と予想しています

正直、ピラニアに襲われる部分よりも見所の様に感じてしまいました。(;'∀')


盗賊グループの紅一点ケイトを演じているのは、カレン・ブラック。

1970年代は、カレン・ブラックの出演作が多かった気がします。本作では、まだモデルの様なスリムな体型でしたね。


もう1人のヒロイン・ガブリエルを演じているのは、マーゴ・ヘミングウェイ。マーゴは、本作の2年前に製作された「リップスティック」(1976)が衝撃的でした。



一応、「キラーフィッシュ」のサントラ盤がリリースされていますが、本編では余り音楽が流れている印象はありませんでした。本編使用パートが少ないながらも、音盤としてリリースされたのは快挙と言えるかも知れませんね。本作は、比較的手頃な価格で一応 DVDがリリースされています。
(ただし、余り画質は良くないです。。)


ピラニアのパニックに加え、エメラルドを巡る人間同士の騙し合い(争奪戦)も見所の一つとなっています。最後にエメラルドを手にするのは誰か?これから鑑賞される方は、その部分にもご注目下さい。