どうもこんにちは。
ついにPS版Inscryptionが発売されましたね! めでたいめでたい。
追加点・変更点はないそうで、ほっとしたような、ちょっと寂しいような。
今回はギリギリ考察と呼んでよさそうな記事になったので、考察記事の更新です。
ネタバレ注意!!
お題箱
https://odaibako.net/u/m0ch1m0ch1Ak1ta
記事もくじ
表記について
目次
▶︎油絵の謎、謎の油絵
▶︎リングの試練と試練のためのリング
▶︎同じくらい戦いを楽しむようになるだろう
▶︎おまけ:「油絵が好きならそう言うのだ」
今回は「考えあぐね」行きになりかけた、Act1の油絵とリングについてです。
油絵の謎、謎の油絵
まず、油絵について。
油絵(OIL PAINTING)であることはレシーの発言から分かります(「ふむ、あの油絵からそれを抜き出したか。」クローバーを抜き出した時のセリフ。)
レシーの小屋、金庫の向かって右にかかっている絵画です。
2枚のカード配置が提示されており、本編でもMODでもこの配置通りにカードを並べると画面が歪んで効果音がし、油絵からアイテムを「抜き出」せるようになります。
本編で取り出せるアイテムは3つ。
クローバー、ろうそく、ハチのフィギュアです。
クローバーはレシーにカードのディールをやり直させることができます。Act2の獣の神殿そばにある桟橋でもクローバーは入手可能で、こちらは最初のドローをやり直すことができます。
ろうそくは「命のロウソク」そのもので、残機が2から3に増えます。
ハチのフィギュアはリス代わりにハチを引けるようになるもの※。
※MODのリス魚チャレンジでは、ちゃんとサイドデッキのリスのフィギュアが水棲リスのものに変わっています。細かい……。
考えたのは、「これはマグニフィカスの残した『ゴミ』ではないか?」というものです。
「ゴミ」については主に#16で触れました。他のスクライブの3Dデータがバグって出てくると考察したものですね。
根拠は3つです。
①額縁がマグニフィカスやスライムのものと同じであること
Act4で月を描くキャンバスの額縁はマグニフィカスのもののはずです。
また、Act4でマグニフィカスの使う魔法のカードは額に入った絵の形をしています。
これらの額縁は、Act1の額縁と同じデザインになっています。
また、スライムの描いた「私の希望を表現した」絵の額縁は、この月の絵の額縁やAct1の小屋にある額縁と同じです。
②本編ではレシーに不都合なアイテムが出てくること
ロウソクはさることながら、クローバーはレシーの配ったカードをリセットすることで選択肢を広げることができますし、
ハチは攻撃力を持つ上に虫のトーテムを使うことができ、レシーには不利です。
また、挑戦者が絵画からアイテムを抜き出した時のセリフからは、挑戦者が望むものが出てくるようなニュアンスが感じられます。
クローバーは”YOU MUST NOT LIKE THE CARDS THAT I DEAL YOU.”(私が出すカードがそこまで気に入らないのかね。)と、
ロウソクは” YOUR PERSISTENCE IS GROWING QUITE TIRESOME.”(日本語版うろおぼえ、君のしつこさには飽き飽きしてきたところだ)と、
ハチのフィギュアは”YOU DON’T LIKE SQUIRRELS?”(リスは嫌いなのかね?)と話します。
だとすると、この額縁から取り出せるアイテムはマグニフィカス由来と考えることもできます。
③カードを正しく配置した時の音が「未完成のボス」で使われている効果音と同じなこと
これはかなり弱い論拠になります。
Act3の「未完成のボス」とのバトルではプレイヤーが戦闘ルールを設定することになります。
設定されたルールは額縁に入れられることからマグニフィカスを意識しているだろう……
ということよりも、このルールが発動した時の効果音が、Act1の効果音と同じであることに着目します。
Act3の未完成のボスがマグニフィカスを意識したものであるように、Act1の油絵もマグニフィカスに関連したものである可能性があります。
ただ、効果音は流用しやすい部分なので参考程度のものですね。
で。
考えあぐね行きになりかけたくらいなので反論がパワフルです。
反論は2つあります。
一つ目は、MODにおいてはレシーが考えたらしいアイテムが出てくることです。
MOD内のセリフは資料がない上にうろ覚えなのですが、
魔法の漂白剤については「ヤツより君の手元にあるほうがふさわしい」、時計については「ライバルからインスピレーションを得た」という旨の発言をします(カササギの目の虫眼鏡については全く覚えていません、すみません……)。
したがって、少なくともMODでは油絵のアイテムを提供しているのはレシーだと考えられます。
二つ目は、マグニフィカスに心酔するスライムがこの絵画について話す際マスターに言及しないことです。
これは手痛いです。
絵画から一度もアイテムを抜き出したことがない状態では「アレ(油絵)から色々なものが出てくるのを見たんだ!」と、
そこから実際にアイテムを入手すると「君は絵画の謎を解き明かした。」と発言しますが、原文はMYSTERIOUS PAINTING、絵画そのものが謎だと述べているのです。
スライムにとって謎であるということは、マグニフィカスの持ち物ではない可能性が十分にあります。
……が、今回は無視します。
無視させてください。
リングの試練と試練のためのリング
で、同じく周回容易化アイテムであるリングについても考えてみます。
当初、結論は「全く考察の余地がない」でした。
リングを手に入れるためのヒントは「レシーの森の恩恵」を得るための試練に使われる板に刻まれています。
リングを所持しない場合は他の試練と同様に3枚のカードが引き出されます。
「リング」扱いになるのは(私が認識している範囲では)リングワームとウロボロスで、
所持しているときは真っ先に引き出され、「ああ、リングか。」というセリフが聞けます。
それだけです。
リングも、リング扱いになるカードも持っていない場合は、
「ふむ…リングは1つもなし… 失敗だ。」と、他の試練と同じような失敗コメントになります。
それだけです。
リングを入手した時のセリフは「指にはまるかね?」(DOES IT FIT?)。
#21でも書いたように、レシーは鳩時計に指輪が入っているのを知っているようです。
好悪の感情は特に見えません。
リングの試練をこの指輪で突破した際は「なかなかいいリングをつけているな。」「君のリングを見逃しそうになった。」といったコメントがもらえます。
それだけです。
したがって、リングそのものについて、ストーリー上の理由を考えるための材料は全くありません。
ただ試練の時にヒントがあって、鳩時計から出てきて、恩恵が確実に一つ得られるようになる。
リングにまつわる話は何もないのです。
同じくらい戦いを楽しむようになるだろう
「歯ごたえがある戦いに期待」(Act2,敗北時のセリフ)するレシーからしてみると、簡単に恩恵が得られるようになるアイテムは喜ばしいものではないはずです。
なぜリングなんてものがあるのか。
絵画のアイテムたちもそうです。
MODでは絵画のアイテムはレシーが提供しているように見えます。
なぜ本編ではレシーの不利になるようなアイテムが出てくるのか。
……と、考えていました。
逆ではないか?
簡単に恩恵が受けられるようになった挑戦者をレシーがいかに倒そうとするか。
よりカードゲームが有利になるアイテムを手にした挑戦者が、どんなバトルを展開し、どれだけレシーを楽しませてくれるか。
そのために、わざと絵画の仕掛けや「リングの試練」を用意したのではないか?
ヒントに気付くような、あるいは絵画の謎に挑むような挑戦者ならもっと面白い戦いができる、だから自分の難易度を上げようと考えたのではないか?
この場合、絵画はマグニフィカス由来でも、操作はレシーがしていることになります。
これは不自然なことではなく、P03もAct3で鳩時計の下の扉の中身はウロボットにしていたので、「ゴミ」への介入は可能だと考えられます。
ザ・スモークがパワーアップしたグレイト・スモークも同じ考え方ができます※。
グレイト・スモーク取得イベントの際、レシーは「ボス戦の前に君の余ったロウソクの火を消すのを、私は大変気に入っている。君も、私と同じくらい戦いを楽しむことになるだろう。」と述べます。
原文”PERHAPS YOU WILL NOW ENJOY IT AS MUCH AS I DO.”という「今」を強調した言い方から、
挑戦者がボス戦までろうそくの火を消さないように進むためのインセンティブを強化したことを言っていると思われます。
そこにさらに今回の考え方を適用して、「レシー自身がさらに戦いを楽しむために、挑戦者にさらなるアドバンテージを与えた」とも解釈できます。
※ただし、グレイト・スモーク取得イベントで出てくるカードは「ザ・スモーク」であることもあり、グレイト・スモークはレシーがくれたものとは断言できない部分があります。
とはいえ、この考えではなぜレシーが絵画のアイテムに対してあんなにも不愉快そうな反応をするのか、なぜ挑戦者が望むものが出てくるような言い方なのかは説明しきれません。
特にろうそくは、レシーが望むような生きるか死ぬかの戦い(#10, #28参照)の邪魔になります。
が、これ以上は追究しないことにします。
おまけ:「油絵が好きならそう言うのだ」
おまけです。
論拠にしようと思ったらできなかった上に謎が増えた話。
Kaycee’s MODのスライムマスのレシーのセリフで「油絵が好きならそう言うのだ。」というものがあります。
本来は、スライムが油絵が好き→マグニフィカスが油絵を描くから油絵が好き→小屋の油絵はマグニフィカスの手になるものでは、と推論する予定でした。
しかし、原文を確認したところ”JUST SAY YOU LIKE THE PAINTING.”。
「あの絵画」という言い方だったのです。
レシーの堅い話し方からすると、JUST SAYは主語省略ではなく命令文だと思われます。
ただ〜と言うがよい→〜ならそう言うのだ、という訳になっているのでしょう。良い訳〜!
で、「あの絵画」のあの(the)で参照できるものはこの場では小屋の油絵しかない。
だから日本語訳はこのようになっているのではないかと思います。
……というわけで、論拠として使えない上に、なぜ「"あの"絵画が好きならそう言うのだ」と言ったのか、という新しい謎が生まれてしまいました。
そもそも他のセリフはスライムを厄介者扱いするものばかりなのに、このセリフだけ妙です。
マスターのように絵が描きたい、そんなに絵が好きならあの油絵が好きだと言うがいい、その中に閉じ込めてやろう……ということなのか。
何か思いつくところがありましたらお題箱に入れていただけると幸いです。
◇
MODと本編で仕様が違う部分を、いかにロア上合理的な範囲で説明づけるかはかなり戦いですね……。
今回は触れませんでしたが、MODでは最初からクローバーがあるわけですし。
これまでの考察でもできる限りMODとの整合性が取れるようには考えてきているのですが、
構想があったにしても後付けの性質を持つ上本編クリアのボーナスでもありますし、特にカードゲームの仕様そのものに関わってくる部分は難しいです。
次回は考えあぐねになるかと思います。
アクションゲームが死ぬほどへたくそなところに加えてマウス操作でないと実質プレイできないパートに入り、The Hexが全く進みません。
プレイ動画でカンニングしながら泣きそうになりつつプレイしています。
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