【読書日記】『太陽と鉄 私の遍歴時代』(三島由紀夫) | 「そば屋さのあんちゃん、息災け?」

「そば屋さのあんちゃん、息災け?」

稀有な病気をはじめ、人のあまり経験しないことを経験しました。
そんなことを織り込みながら、日ごろの読書を中心に綴っていければと思います。

『太陽と鉄 私の遍歴時代』(三島由紀夫)。

 
「三島文学の本質を明かす」。

 
本書(本文268頁)は、文芸批評家であり、母校の出身学部は違いますが、現在は京都大学で研究をされている浜崎洋介氏の著作を読んで、もう少し知りたいという欲求が湧き、拝読したもの。
 
三島由紀夫氏には従前から関心を持っていたこともあり、拝読したもの。
 
その考え方の一端に触れればと、いう思いがありました。
 
本書に収録の「太陽と鉄」からの引用が中心となりますが、いくつかに分けて、気になったところを引用しておきたいと思います。
 
今回は「私の遍歴時代」の「9」
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「人間の政治的な立場」
 
人間の政治的な立場が形作られるには、確固たる思想や深刻な人生経験ばかりでなく、ふとした偶然や行きがかりが、かなり作用しているようにも感じられる。
私の現在の政治的立場なども、思えばいい加減なものであるが、それは自分で選んだ立場というよりも、いろんな偶然が働いて、何かの力で自然にこうなってきたのかもしれない。
だから一方、どうせ政治なんてその程度のものだ、という考えも私から抜けないのである。
 
(P143)
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(2024・7・17読了)