《WBC世界Sミドル級挑戦者決定戦》
ーunder cardー
《WBC世界ライト級団体内王座統一戦》
《WBC世界Sライト級タイトルマッチ》
《ライトヘビー級10回戦》
開催日:7月12日(日本時間13日)
開催地/会場:米国ニューヨーク州ニューヨークシティ・クイーン
ズ区/ルイ・アームストロング・スタジアム
▼ MAIN EVENT
《WBC世界Sミドル級挑戦者決定戦》
WBO2位・WBA&IBF5位・WBC8位
エドガー・ベルランガ(28=O/usa)
VS.
WBO5位・WBC&IBF10位
ハムザ・シーラズ(26=O/gbr)
〈試合経過〉
序盤戦は大柄(191cm)なシーラズがジャブを繰り出すとベルラン
ガもジャブから右をヒットさせ上々のスタートを切った。
3回、シーラズが終盤左フックを浴びせて優勢な流れに。
4回、シーラズが左右連打から左フックでベルランガが背中からダ
ウン。立ち上がって再開するとシーラズの左右から右フック追撃で
ベルランガは2度目ダウン。立ち上がるとゴングに救われた。
迎えた5回、開始早々ダメージの抜けないベルランガにシーラズが
攻勢を強め左フックから右を浴びせるとベルランガは右グローブを
マットに触れた。レフェリーはこの場面でこれ以上の続行は危険と
判断して試合を止めた。
ーTKO・5回0分17秒ー
シーラズがWBC世界Sミドル級王座への挑戦権を獲得した。
シーラズは今年2月22日、WBC世界ミドル級王者のカルロス・
アダメス(ドミニカ共和国🇩🇴)に世界初挑戦したものの激戦の末、
12回1ー1の引き分けに終わり王座獲得はならなかった。
今回、階級を上げ思惑通りの成功となった。今後は9月13日(日
本時間14日)に開催される4団体世界Sミドル級タイトルマッチ
カネロ・アルバレス(メキシコ🇲🇽)VS.テレンス・クロフォード(
米国🇺🇸)戦の結果待ちでどっちにせよスーパースターとグローブを
交わすことになる。非常に楽しみです。
世界戦経験者のベルランガは2度目の挑戦を目指して臨んだが、挑
戦権獲得ならず、足踏みすることになった。
ベルランガは昨年9月14日、4団体同級統一王者カネロ・アルバ
レスに世界初挑戦したが12回0ー3(9P/9P/7P)の大差判
定負けに終わった。今回、下から上がってきた選手に屈辱のストッ
プ負けで世界戦以上に敗北感を味わったに違いない。しかし、これ
から先、奮起すればまだまだトップ戦線に絡む選手と見ている。
(PHOTOS BY THESUN.CO.UK)
それではシーラーズが素晴らしい勝ちっぷりで挑戦権を獲得した
シーンをどうぞ!(2分45秒)
※途中消除の場合ありです。
【両選手の戦績】
★エドガー・ベルランガ/25戦23勝(18KO)2敗
★ハムザ・シーラズ/23戦22勝(18KO)1分・無敗
▼ UNDER CARD
《WBC世界ライト級団体内王座統一戦》
WBC世界ライト級王者
シャクール・スティーブンソン(28=S/usa)
VS.
WBC世界同級暫定王者
ウィリアム・セペダ(29=S/mex)
〈試合経過〉
サウスポー同士の無敗対決!
序盤、右ジャブから左に繋げたいスティーブンソンにセペダは接近
してのボディー攻めの展開で始まった。
3回、セペダが前進してボディー攻めから右フックを浴びせてステ
ィーブンソンを仰け反らせて慌てさせる場面を作った。しかし、セ
ペダが優位に試合を組み立てるかと思われたが、続かなかった。
4回、セペダがスティーブンソンをロープに詰め左をヒットさせる
ものの、スティーブンソンのウィービングとヘッドスリップでセペ
ダは的が絞れず徐々に左を浴びて攻めあぐねてしまう。
中盤戦に突入してもスティーブンソンのアッパーやフックを浴びて
セペダの攻めは雑になり突破口を掴めない。
終盤戦に突入して11回セペダが執念の連打を見せたが、スティー
ブンソンは上手くパンチを躱して見せる。結局、最後まで強引に接
近してくるセペダに余裕を持ったスティーブンソンが左を浴びせる
中、ゴングとなった。
〈12回採点結果〉
119ー109(スティーブンソン)
118ー110(スティーブンソン)
118ー110(スティーブンソン)
スティーブンソンが3ー0大差判定勝ちで3度目防衛に成功すると
ともに暫定王座を吸収して統一した。そして24連勝とした。
まあ、スティーブンソンは度々ブーイングを浴びることで有名です
が今回も浴びていました。いわゆる強打での一撃必殺の選手ではな
く左を軸に連打攻撃に繋げる技巧達者として見ればメイウェザー二
世と呼ばれる所以(ゆえん)も分かる選手です。4度目防衛に期待。
暫定王者のセペダは王座統一に失敗して暫定王座から陥落、初黒星
を喫して無冠となった。結局、セペダはKO率82%を誇る強打も
殆どが不発。唯一3回右フック強打で仰け反らせる場面も見せたが、
続かず中盤戦以降徐々に正規王者の技巧に呑まれてしまった。悔し
さの残るセペダは出直しです。
(Photos by boxingnews24.com)
スティーブンソンが暫定王座で強打者のセペダを無類のテクニッ
クで跳ね返したシーンをどうぞ!(2分59秒)
※途中消除の場合ありです。
【両選手の戦績】
★シャクール・スティーブンソン/24戦24勝(11KO)無敗
★ウィリアム・セペダ/34戦33勝(27KO)1敗
▼ U・C
《WBC世界Sライト級タイトルマッチ》
WBC世界Sライト級王者
アルベルト・プエジョ(30=S/dom)
VS.
WBC世界同級8位・元IBF世界同級王者
サブリエル・マティアス(33=O/pur)
〈試合経過〉
初回、サウスポー王者のプエジョが左ストレート、右アッパーと幸
先いいスタートを切った。
2回、プエジョが圧力をかけ前進してくるマティアスに左ストレー
ト、右フックとヒットさせ見栄えがいい。
3回、マティアスも前に出てジャブから接近して左ボディー、左右
フックと手数を増やして巻き返しにかかる。
中盤戦に突入するとお互い引かず接近しては上下の打ち合いが続き
有効打数ではプエジョがリードを保っているように映った。
しかし、後半戦に突入するとマティアスも9回ボディー攻めから右
ストレートを打ち込みプエジョを追い上げた。
終盤戦はプエジョが右ジャブから右アッパー、左ストレートで引き
離しにかかると、マティアスも負けじと連打を見せるなどお互い引
かない中で終了ゴングを聞いた。
〈12回採点結果〉
115ー113(マティアス)
115ー113(マティアス)
114ー114(ドロー)
マティアスが2ー0判定勝ちで王座返り咲きに成功した。
マティアスは昨年6月15日、保持していたIBF世界Sライト級
王座の2度目防衛をリアム・パロ(豪州)の挑戦を受け対戦したが
12回0ー3判定負けで王座から陥落していた。1年ぶりの王者復
活もこれから先が正念場でしょう。もう既に指名挑戦者も決定して
1位のダルトン・スミス(英国=28/18戦全勝13KO無敗)との対
戦が義務付けられている。発表では11月中を予定としている。
果たして、テクニックに加え強打も備えたスミスにどう攻略するの
か初防衛戦が楽しみです。
無敗王者だったプエジョはWBC王座の2度目防衛に失敗して初黒
星を喫した。後半戦は相手の追い上げに手数で阻止したかに見えた
が、ジャッジの視線には有効打で劣ったと映ったに違いない。終盤
には左ストレート、右フックと的確に打ち込む粘りを見せたものの、
僅かに及ばず涙を呑んだ。再起に期待したい。
【両選手の戦績】
★アルベルト・プエジョ/25戦24勝(10KO)1敗
★サブリエル・マティアス/25戦23勝(22KO)2敗
▼ U・C
《ライトヘビー級10回戦》
前WBA世界Lヘビー級王者
デビッド・モレル(27=S/cub)
VS.
IBF同級6位・WBC8・WBA10位
イマム・ハタエフ(30=O/rus/aus)
〈試合経過〉
5回、ハタエフが右ストレートで元王者のモレルからダウンを奪い
そのままリードしていくかと思われた。
しかし、その後はモレルが元王者の片鱗を見せ左ストレート、右フ
ックとハタエフに浴びせ回を重ねるごとにポイントで挽回。終わっ
て見るとモレルの逆転勝ちとなった。
〈10回採点結果〉
96ー93(モレル)
95ー94(モレル)
94ー95(ハタエフ)
モレルが2ー1のスプリットながら判定勝ちで再起を飾った。
危ない勝ち方だったが、王座返り咲きを目指すでしょう。
今後に期待したい。
無敗で臨んだハタエフは元王者からダウンを奪ったものの後半追い
上げられての惜しい逆転負けとなった。ハタエフは初黒星となった
が、右に強打を秘め今後スタミナと試合組み立てを改善すれば必ず
トップ戦線に加わる選手でしょう。
【両選手の戦績】
★デビッド・モレル/13戦12勝(9KO)1敗
★イマム・ハタエフ/11戦10勝(9KO)1敗
アリ二世異名も悲運の元ヘビー級王者グレグ・ペイジ!
第29代WBA世界ヘビー級王者グレグ・ペイジは王座から陥落
後は王座返り咲きを目指し戦歴を重ねていた。しかし、好不調の波
が激しくもう一歩のところで負けチャンスは巡ってこなかった。
42歳となっても現役を続けていたグレグ・ペイジは76戦目とな
った2001年3月9日、米ケンタッキー州ヘビー級王座決定戦で
10回KO負け。頭部に深刻なダメージを負い昏睡状態に陥り緊急
開頭手術を受け一命は取り止めたものの脳梗塞と診断された。
グレグ・ペイジは結果的に左半身不随となり歩行困難者となった。
その後は車椅子での生活となり家族の介助で入退院を繰り返してい
たが合併症により容体が急変して介護も虚しく2009年4月27
日、ケンタッキー州ルイビルの自宅で帰らぬ人となったのでした。
まだ50歳の若さだった。
グレグ・ペイジは同郷出身のモハメド・アリに憧れアマチュアボク
シングを習い始めると早々と素質が開花する。国際大会への登竜門
とされたナショナルAAU(AMATEUR ATHLETIC UNION)大会の
ヘビー級に出場すると全米から集まった強豪相手に1977年〜7
8年と連覇するなど一躍地元で注目を浴びることになった。
同年の‘78年には権威ある伝統の全米ゴールデングローブ大会も
ヘビー級で優勝を果たすと鳴物入りとしてプロ転向を表明する。
’79年2月16日、ヘビー級6回戦をドン・マーティン(米国)
と対戦すると2回KO勝ちの華々しいプロデビューを飾りその後は
破竹の勢いで連勝街道を突っ走っていった。
郷里の憧れである地元出身の英雄モハメド・アリは1981年12
月11日、復帰戦を英連邦ヘビー王者トレバー・バービック(カナ
ダ)と対戦して10回0ー3(3P/5P/5P)差の判定負け。
アリはWBA世界ヘビー級王座から陥落して2連敗を喫したことで
年齢からくる衰えもあり、限界を悟ってこの一戦を最後に現役生活
から引退すると発表した。61戦目の39歳での引退だった。
一方、連勝中で入れ替わるように台頭して来た同郷の若いグレグ・
ペイジに白羽の矢が立ちアリの後継者として期待が高まり注目され
ることになる。
’82年6月11日、ペイジはアリに勝利したバービックにノンタ
イトル10回戦として対戦することになった。19戦全勝(16K
O)無敗の戦績を引っ提げ挑むことになる。しかし、アリに勝利し
て波に乗っていたバービックの技巧に晒され10回0ー3(6P/
6P/2P)差の判定負け。ペイジは20戦目で初黒星を喫してラ
ンキングも下降、世界初挑戦のチャンスを逃したのだった。再起後
は4戦全勝(2KO)と連勝して再び世界ランキング上位入りを果
たすとタイトル初挑戦のチャンスが訪れることになった。
’84年3月9日、WBC世界ヘビー級王座決定戦で世界戦経験者の
ティム・ウィザースプーン(米国)と対戦すると善戦したものの、
12回0ー2(ドロー/6P/6P)差の判定負けに終わり世界初挑
戦での王座獲得はならなかった。
’84年8月31日、再起戦で保持していたUSBA北米(IBF
傘下)ヘビー級王座の7度目防衛戦をデビッド・ベイ(米国)と対
戦すると12回0ー3(1P/2P/4P)差の判定負けで王座から
陥落。世界初挑戦から連敗したもののWBA世界ランキングに留ま
っていた為、再びチャンスが訪れることになった。
’84年12月1日、南アフリカ・サンシティでWBA世界ヘビー
級王者ゲリー・コーツィー(南ア)に挑戦して8回KO勝ち。敵地
で見事念願だった王座を獲得した。27戦目での頂点だった。元々
そのベルトを保持していた憧れのモハメド・アリからも祝福され嬉
びとともに地元ケンタッキー州ルイビルへの凱旋となった。
グレグ・ペイジが敵地で8回終了間際左フック一撃KOで王座を
獲得したシーンをどうぞ!(5分4秒)
’80年代半ばでの最高峰ヘビー級は新鋭有望株が次々と誕生して
誰が王座に就いてもおかしくない混沌としていた時代だった。
1985年4月26日、初防衛戦を20戦全勝のトニー・タッブス
(米国)と戦いまさかの15回0ー3(5P/3P/7P差=WBA
はまだ15回制)の判定負けで王座から陥落。ペイジは期待されな
がらも僅か5カ月足らずの短命王者に終わってしまうのだった。
その後、’86年1月17日、ジェームス・ダグラス(米国)に1
0回判定負け。‘86年6月12日、マーク・ウイルス(米国)に
9回TKO負けと黒星を重ねてしまう。この時期、実力者との対戦
は多かったが勝ったり負けたりを繰り返し調子は芳しくなかった。
‘93年8月6日、元WBA王者ブルース・セルダン(米国)と戦
い激戦の末、9回TKO負け。この試合によってペイジは頭部にか
なり重度のダメージを受けて2年9カ月間の空白を強いられた。
グレグ・ペイジはもう引退したかと思われたが、突然復帰する。
’96年5月16日、ロバート・ジャクソン(米国)に1回TKO
勝ちすると、その後、17戦16勝(14KO)1分と完全復活し
た。しかし、それでも落とし穴が待ち受けていた。
’98年10月23日、モンティ・バレット(米国)に10回判定
負けしてからは再び勝ったり負けたりで世界タイトルへのチャンス
は巡って来なかった。それでもグレグ・ペイジはリングに上がり続
けた。42歳となっていたが最後の"砦"とばかりに空位だった地
域王座のケンタッキー州ヘビー級王座決定戦に臨むのだった。
2001年3月9日、対戦相手のデール・クロウ(米国)は18歳
も若い相手だった。試合は激戦の末、グレグ・ペイジは最終10回
にKOされ昏睡状態に陥り直ちに病院へと搬送された。緊急開頭手
術で生命は保たれたものの脳梗塞と診断される。結果的に左半身不
随となり、車イスの生活を余儀なくされてしまう。その後は入退院
を繰り返す生活を送っていた。
元王者のグレグ・ペイジがデール・クロウとケンタッキー州ヘビ
ー級王座決定戦(10回戦)で争い最終回で力尽き壮絶KO負けし
たシーンをどうぞ!(画像悪し/38分58秒)
しかし、この試合は開催者の不手際で医師が帰ってしまったり
救急車を呼ぶのが遅れたりと最悪の結果となった。後に裁判沙
汰となりKO負けしたグレグ・ペイジ選手の処置を巡ってニュ
ースにもなり全米で論争が起こった。
〈エピソード〉
1990年2月11日、東京ドームで行われた3団体(WBA・
WBC・IBF)世界ヘビー級タイトルマッチマイク・タイソン(
米国)VS.ジェームス・ダグラス(米国)戦の開催前グレグ・ペイ
ジは元王者ながらもタイソンのスパーリング・パートナーとして日
本に同行していた。そしてスパーリングではタイソンからダウンを
奪いスポーツ紙に名前がクローズアップされ話題となった。そのこ
とから「タイソンの防衛は大丈夫なのか?」と危ぶむ記事も出てい
た。結果的に記事は的中してタイソンはダグラスにまさかの10回
KO負けで「世紀の大番狂わせ」と世界中に配信されたのでした。
その後、元王者のグレグ・ペイジは現役を続け復活を見せたものの、
もう一歩のところで敗北して世界再挑戦は巡ってこなかった。
結局、グレグ・ペイジは経済的理由から42歳となってもリングに
上がり続けリング禍に遭遇する結果となった。個人差はあるにせよ
やっぱり高齢での実戦は危険に晒されるということです。
(デール・クロウ戦での壮絶KO負け)
(在りし日の元世界王者グレグ・ペイジ氏)
モハメド・アリの後継者「アリ二世」として注目され期待されてい
たことはボクシング専門誌を読んで知ってはいた。
僅か5カ月の短命王者だったが、WOWOWのドキュメント番組だ
ったかで苦境にもめげず再び這い上がろうとトレーニングに汗を流
して頑張るグレグ・ペイジの姿にボクシングファンとして心打たれ
たことを懐かしく思い出した。
そして、勝ち負けを繰り返していた時期の専門誌インタビューでは
「俺は期待されながらもファンを裏切ってしまったからね。散々ど
ん底も味わってきたよ。だからこれから先も諦めずまた上を目指す
だけだ。ボクサーにはそれしか道はないからね。また頑張るよ!」
とコメントしていた。
グレグ・ペイジは試合によって脳にもダメージを被り話すことも儘
ならなかったとされる。亡くなった後の家族へのインタビューでは
「グレグはボクシングの話題になると敏感に反応して表情が笑顔に
変わった。体の不自由と闘い続け憧れた偉大なモハメド・アリ氏に
は王座に就いた日に祝福されボクシング人生に悔いはなかったはず
です。最後まで励ましてくれた世界中の全ての皆さんに感謝します」
と結んだ。 合掌
〈グレグ・ペイジMEMO〉
本名:グレグ・ペイジ(Greg Page)
出身地:米国ケンタッキー州ルイビル
生年月日:1958年10月25日
死没日:2009年4月27日(享年50歳)
階級:ヘビー級
スタンス:オーソドックス
身長/リーチ:188cm/206cm
〈プロ獲得タイトル〉
WBA世界ヘビー級王座(防衛0)
〈プロ生涯戦績〉
76戦58勝(48KO)17敗1分
〈アマチュアタイトル〉
1977年〜’78年 米国ナショナルAAU大会ヘビー級連覇
1978年 全米ゴールデングローブ大会ヘビー級優勝
〈アマチュア戦績〉
105戦94勝11敗
《IBFインターCウェルター級タイトルマッチ》
&《WBAインターナショナル同級王座決定戦》
開催日:7月5日(日本時間6日)
開催地/会場:英イングランド・マンチェスター/AO・アリーナ
(マンチェスター・アリーナ)
WBO世界ウェルター級11位
元WBOインターN・Sライト級王者
ジャック・カテラル(32=S/gbr)
VS.
IBFインターCウェルター級王者
ハーレム・ユーバンク(31=O/gbr)
〈試合経過〉
初回はお互いジャブで牽制し合って始まった。
2回も同じ展開も終盤サウスポーのカテラルが圧力をかけ右ジャブ
から左ストレートでユーバンクを退け反らせる。
3回、カテラルのワンツーから左ストレートがヒット。ユーバンク
も右ストレートで反撃を見せる。
4回〜5回とカテラルの左、ユーバンクの右と接近しての打ち合い
はカテラルが手数と有効打でリードしたように映った。
6回、お互い序盤から接近して打ち合うと終盤絡み合ってカテラル
が右目上をカットして血が滴り落ちる。ユーバンクも左目上をカッ
トした。一旦中断して両者は注意を受け再開すると再び絡み合いカ
テラルが振り払うとユーバンクがスリップ。再開するとゴング。
7回、開始前レフェリーが何やらリングサイドのドクターと話し合
う模様が映し出された。話が済むとレフェリーはリング中央で両手
を交錯させ試合終了とした。結果7回までの採点に委ねられること
になった。
〈7回負傷終了採点結果〉
69ー65(カテラル)
69ー66(カテラル)
69ー66(カテラル)
負傷終了もカテラルが3ー0判定勝ちで懸けられたIBFインター
コンチネンタル・ウェルター級王座とWBAインターナショナル同
級両王座を獲得した。ウェルター級初戦を地域王座獲得で飾ったカ
テラルはこれまでSライト級では2度の世界戦をともに1ー2僅差
判定負けに終わっている。最初の4団体Sライト級タイトルマッチ
(王者ジョシュ・テイラー=英国)では8回にダウンを奪って置き
ながら後半手数を減らして守勢に回ったことで逆転負けの格好とな
った。2度目のWBO世界Sライト級暫定王座決定戦(アーノルド
・バルボサ=米国)も中盤までリードして置きながら後半追い上げ
られての判定負けだった。今回そこそこの実力者相手に勝利したと
はいえメジャー王座に到達するにはもっとインパクトのある勝利が
必要だったと言えそうです。
無敗で臨んだユーバンクは保持するIBFインターコンチネンタル
・ウェルター級王座を賭け戦ったが初防衛失敗、初黒星となった。
ユーバンクはご存知クリス・ユーバンクJr.の従兄弟として注目さ
れてきた。本人は戦前「これまでクリスの親戚だけとしか注目され
てこなかった。ここで実力のあるところを示したい」と意気込みを
語っていた。ユーバンクにとって初の実力者との対戦だったが序盤
から先制されたことで途中終了も判定負けに終わった。21戦全勝
だったとはいえ7戦は負け越した相手との試合で明らかに作られた
戦績といえそうで化けの皮が剥がされた格好となった。
(PHOTOS BY PROBOXING-FANS.COM)
カテラルが無敗のユーバンクを下して地域2王座を獲得したシー
ンをどうぞ!(8分32秒)
【両選手の戦績】
★ジャック・カテラル/33戦31勝(13KO)2敗
★ハーレム・ユーバンク/22戦21勝(9KO)1敗

盛り上げ役のリングアナ🎤どっち派!
マイケル・バッファー&ジミー・レノンJr.
(PHOTOS BY INDEPENDENT.CO.UK)世界戦あるところに必ずといっていいほど盛り上げ役で登
場するマイケル・バッファーとジミー・レノンJr.の二大リ
ングアナウンサー。この二人の共通点は語学が堪能でスペイ
ン語とラテン語(スペイン語から派生も綴りと発音が違う)
やアメリカ英語とイギリス英語などの微妙に違う発音を使い
分ける才能があります。特に熱狂的なボクシングファンの多
いメキシコ(スペイン語圏)では人気を二分していて引っ張
りだこのようです。また、ここのところヨーロッパ各地での
リングにも両アナの登場が目立っています。もちろん、日本
(帝拳ジム興行など)を含めてアジア地域へも活動の場を広
めました。先輩格のマイケル・バッファーが日本で知られる
ようになったのは初来日した1988年頃からであり、特に
1991年から海外ボクシング専門に独占放送するようにな
った人気番組WOWOWエキサイトマッチの放送開始で日本
での知名度も更にアップしました。バッファーはこの頃すで
に世界各地で数々のビッグマッチのリングに登場して人気を
博しています。それから間もなくしてジミー・レノンJr.の
登場となったのでした。
〈マイケル・バッファー〉
生年月日:1944年11月2日(80歳)
出身地:米国ペンシルベニア州フィラデルフィア
〈人物・特徴〉
リングアナとしてはプロボクシングばかりではなく人気プ
ロレス団体のWCW(その後WWEが買収)や総合格闘技団
体K1などのビッグイベントリングにも携わっています。
※(豆知識)1921年1月13日、米国でNBA(全米ボ
クシング協会=現WBAの前身)が設立された際、プロレス
部門もあり当時リングアナウンサーは掛け持ちだった為、そ
の名残りが今でも続いているということです。👏
1988年3月21日、東京ドームのこけら落としの開催で
満員札止めとなったマイク・タイソン(米国)VS.トニー・
タッブス(米国)戦(タイソンの2回TKO勝ち)で初来日
して張りのある通る声で観衆を魅了していました。
また弟のブルース・バッファーも総合格闘技団体UFCの専
属リングアナとして人気があります。
紳士的で映画007の五代目ボンド役ピアース・ブロスナン
似の風貌でまるで俳優ばりのイケメンおじさんです。(笑)
実際、2006年に公開された大ヒット映画『ロッキー・ザ
・ファイナル』のシルベスター・スタローン監督&主演作に
リングアナの本人役として出演していましたね。
リング上でのアナウンスは歯切れのいい通る声で進行には定
評があります。世界各国には「追っかけ」も存在するとか。
また、一番のパフォーマンスは「"Wooooo let's get re
ady to rumbleeeee!"(さあ~、戦いの準備はいいか〜!
)」と選手と観客への一体感を持たせて試合前に盛り上げゴ
ングが打ち鳴らされます。それに長年の功績で「一声、100
万ドル!」の異名を持ちリングアナでは世界一の称号を受け
ています。因みに、最近の為替レートならギャラは日本円で
約1億7千万円です。ギャフ〜ン!
そして、ビシッとした出で立ちとダンディーさは現在80歳
とは思えませんね。バッファーさんにはまだまだ頑張ってボ
クシングを盛り上げて欲しいものです。
マイケル・バッファーの名調子をどうぞ!(22秒)
〈ジミー・レノンJr.〉
生年月日:1958年8月5日(66歳)
出身地:米国カリフォルニア州サンタモニカ
〈人物・特徴〉
ジミー・レノンJr.は元々父親のジミー・レノン Sr.(1
992年4月20日に死去)がプロボクシングとプロレスリ
ングのリングアナウンサーを務めて"名リングアナ"として
有名でした。昔のボクシング映画にも出演しています。
(JIMMY LENNON SR.)
父親と同じ道を歩んで以前はレノンJr.もボクシングと並行
して人気総合格闘技STRIKEFORCE(ストライクフォース)
の専属リングアナとしてリングに立っていました。
しかし、この団体は経営難に陥り2013年1月、27年間
の歴史に幕を下ろして消滅、その本体はUFC団体に統合さ
れ専属アナとしての務めも終了となった。
一方、ボクシングでは大物プロモーターのドン・キング氏に
リングアナとして以前から絶賛され気に入られていたことや
ストライクフォース時代にCBS傘下のスポーツ専門ケーブ
ルテレビ局の「SHOWTIME」で放送されていた関係もあって
ボクシングでの出番が多くなったのでした。
もう随分前に、レノンJr.が日本でも知られるようになった
頃、誰かに似てるなぁ~と思っていたところ、当時、日本の
テレビ番組に出まくっていたアメリカ出身の弁護士でタレン
トだったケント・ギルバートになんとなく風貌が似ているこ
ともあってか親しみやすさを感じましたね。
さて、こちらもバッファーに負けず劣らず張りのある大きく
叫ぶようなアナウンスには人気があります。リング上でレノ
ンJr.が「i〜t's show〜time!(ショーの始まる時間だ
!)」とお馴染みの一声で会場内の選手や観衆も一気にヒー
トアップしていくことになります。実はこれテレビ局の「SH
OWTIME」に引っ掛けている分かり易いシャレなんです。
そして、リングアナとして世界中に名前が知られる切っ掛け
となったのは、帝拳プロモーションが1990年2月11日
に2度目の招聘で開催したWBA・WBC・IBF世界ヘビ
ー級タイトルマッチマイク・タイソン(米国)VS.ジェーム
ス・ダグラス(米国)戦のリングアナとして起用され自身初
の大舞台を踏むことになります。試合は2度目となる東京ド
ームで開催されマイク・タイソンの全盛期でもあり九分九厘、
早いラウンドで倒してしまうだろうと予想されていました。
しかし、とんでもない"世紀の大番狂わせ"となるタイソン
の衝撃的10回KO負け。ニュースはたちまち世界中を駆け
巡ったのでした。タイソンに38戦目で初黒星をつけ一躍ヒ
ーローとなったジェームス・ダグラスのこの試合映像は日本
を含め世界中で何度も繰り返し放送された。おかげでジミー
・レノンJr.の名前も世界中に知れ渡るようになったのでし
た。また、これが切っ掛けでドン・キングの目に止まり次々
とビッグマッチに起用されるようにもなったのです。
そして、ジミー・レノンJr.は最初に世界への表舞台に導い
てくれた帝拳ジムへの恩返しの気持ちを込めのちに世界王者
となった西岡 利晃選手を皮切りに後々も帝拳興行の世界戦イ
ベントのリングに上がり続けているのです。
ジミー・レノンJr.の名調子をどうぞ!(31秒)
シティー派を漂わすバッファーさんと、ちょっとカントリー
派っぽいレノン Jr.さん。どちらも個性がありますね。
世界中のボクサーはこの二大リングアナウンサーに盛り上げ
られコールされることにより成功の証となるのです。
さあ〜皆さんはどちらのリングアナを贔屓にしますか!?
(PHOTOS BY SUPERLUCHS.COM)
《WBC世界クルーザー級暫定王座決定戦》
開催日:6月28日(日本時間29日)
開催地/会場:カナダ・ケベック州ラヴァル/プレイス・ベル
元WBC&WBA世界Lヘビー級正規王者
ジャン・パスカル(42=O/can)
VS.
WBC世界クルーザー級5位
ミハル・チェスラック(36=O/pol)
苦労人チェスラックが暫定王座獲得!
〈試合経過〉
初回、チェスラックが積極的に圧力をかけ攻め込もうとするとパス
カルは左右を振り回し接近するとクリンチを仕掛ける展開で始まっ
た。なにか凡戦の兆しも見え隠れした。
2回、チェスラックがジャブから左右で前に出るとパスカルもジャ
ブを返す。ラウンド終盤パスカルが前に出たところにチェスラック
の右フックでパスカルはダウン。しかし、ここはチェスラックが腕
で押し倒したとしてレフェリーはスリップ判定。
3回、パスカルは序盤から動かされ早くもスタミナ切れなのか終盤
チェスラックの左右でコーナーに詰められる。更に追撃の右を貰う
とパスカルは腰を落としかけコーナーにもたれかかったところでス
タンディングダウン裁定。カウントされ再開すると揉み合いパスカ
ルがスリップ。再開すると再び揉み合いパスカルが振り払うと今度
はチェスラックがスリップ。立ち上がってゴング。しかし、主導権
はチェスラックが完全に握った。
迎えた4回、パスカルは序盤からチェスラックに攻め込まれる。
1分近くチェスラックの右フックを浴びてパスカルはコーナーに押
し込まれ更に右アッパーから左フックを浴びたところでパスカル陣
営が棄権要請するとレフェリーは即座に試合をストップさせた。
ーTKO・4回1分10秒ー
チェスラックが3度目の世界挑戦で暫定ながらも王座初戴冠です。
チェスラックは2019年5月31日時点で20戦19勝(13K
O)1NC無敗と注目を集めていた。その後2度の世界戦を経験。
最初はWBC世界クルーザー級王座決定戦でイルンガ・マカブ(コ
ンゴ民主共和国🇨🇩)と戦い12回0ー3(2P/3P/5P)の僅差
判定負け。次にWBO世界クルーザー王者のローレンス・オコリー
(英国🇬🇧)に挑戦も5回にダウンを奪われた末、12回0ー3(5
P/3P/7P)差の判定負けと再び王座に届かなかった。しかし、
チェスラックの時折みせる正確な上下連打は評価されていた。要は
その連打が途切れ巻き返されてしまうことがネックだとされた。
プロ12年目の36歳となってようやく陽の目を見たチェスラック
の今後は現WBC世界クルーザー級王者のバドゥ・ジャック(スウ
ェーデン🇸🇪)が目標となるでしょう。果たして、正規王座に辿り着
けるのか注目したい。
元世界ライトヘビー級2冠王者のパスカルは階級を上げての2階級
制覇はならず。もうさすがに年齢からくる衰えは避けられないとい
った感じです。2019年8月の元WBA世界Lヘビー級暫定王者
マーカス・ブラウン(米国🇺🇸)や同年12月の元WBA世界Lヘビ
ー級王者バドゥ・ジャック(スウェーデン🇸🇪)をともに判定勝ちし
た頃がピークだったでしょう。現役を続行しても若手の踏み台にさ
れかねない気もしますが、果たして・・・
(PHOTOS BY RADIO-CANADA.CA)
チェスラックが3度目挑戦でようやく暫定王座を獲得したシーン
をどうぞ!(4分31秒)
※途中消除の場合ありです。
【両選手の戦績】
★ジャン・パスカル/47戦37勝(21KO)8敗1分1NC
★ミハル・チェスラック/31戦28勝(22KO)2敗1NC
《WBC世界Sミドル級暫定王座決定戦》
開催日:6月27日(日本時間28日)
開催地/会場:カナダ・ケベックシティ/ビデオトロン・センター
WBC世界Sミドル級1位
クリスチャン・エンビリ(30=O/fra)
VS.
WBC世界同級7位
マチェイ・スレッキ(36=O/pol)
エンビリ僅か148秒で暫定王座獲得!
〈試合経過〉
初回、お互いジャブの差し合いもエンビリがウィービングで前進し
ながら左右からボディー攻め。2分過ぎエンビリが右、左とボディ
ーを叩き追撃右アッパーを跳ね上げるとスレッキは横倒しダウン。
スレッキは立ち上がったもののロープ背にダメージで足元がおぼつ
かずレフェリーはここで試合を止めた。ストップは非難されるもの
ではなく妥当な判断だった。148秒の呆気ない幕切れでした。
ーTKO・初回2分28秒ー
エンビリが圧倒してWBC世界Sミドル級暫定王座を獲得した。
戦前予想は小柄(174cm)なエンビリは大柄(185cm)なスレッキ
に苦戦するのではないかと囁かれていたが見事覆してみせた。
これでいずれは4団体統一王者カネロ・アルバレス(メキシコ)と
の団体内統一戦が予想される。しかし、アルバレスは9月13日に
テレンス・クロフォード(米国)との試合が控え直ぐにとはいかな
いでしょう。もし、アルバレスが負けるとなれば当然対戦は消滅し
て代わりにエンビリがクロフォードとの対決になることも予想され
る。いずれにせよ今回エンビリにとって将来を占う大事な分岐点と
なる一戦でした。
スレッキは速攻になす術もなく敗れ去り王座獲得失敗。
スレッキは今年2月28日、WBCライトヘビー級シルバー王座決
定戦を敵地カザフスタンで将来有望視されていた24戦23勝(1
7KO)1敗のアリ・アフメドフ(29=🇰🇿)を10回TKOで破り
地元観衆の度肝を抜いた。この試合は当て馬的扱いだったことでス
レッキは一躍再評価されていた。しかし、今回の相手は実力的にも
のが違い過ぎた印象だった。
(PHOTOS BY FIGHTMAG.COM)
エンビリが全く相手にせず僅か初回で暫定王座を獲得したシーン
をどうぞ!(3分6秒)
※途中消除の場合ありです。
【両選手の戦績】
★クリスチャン・エンビリ/29戦29勝(24KO)無敗
★マチェイ・スレッキ/37戦33勝(13KO)4敗






























