★9月21日開催!IBF世界ヘビー級TM〜デュボアVS.ジョシュア戦/英国/No.1473 | ◆ ボクシングを愛する猫パンチ男のブログ ◆

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《IBF世界ヘビー級タイトルマッチ》
開催日:9月21日(日本時間22日)
開催地/会場:英国ロンドン/ウェンブリー・スタジアム




IBF世界ヘビー級王者(暫定⇒正規王者昇格)
ダニエル・デュボア(26=O/GB)
VS.
元3団体世界ヘビー級統一王者
アンソニー・ジョシュア(34=O/GB)

4団体世界ヘビー級統一王者のオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)が12月21日、タイソン・フューリー(英国)との再戦を選択したことでIBF王座の指名戦を消化出来ないことから6月25日に王座を返上した。これにより暫定王者のダニエル・デュボアが正規王者に昇格している。


デュボア元3冠王者ジョシュア相手に王座守れるか?

デュボアは2017年4月のデビューから2020年8月にかけ持ち前の強打を武器に破竹の勢いで15戦全勝(14KO)無敗と快進撃を続けていた。この間、あらゆる地域王座も総なめにするなど評価されWBO2位、WBC6位とランクインして期待も高まった。しかし、その先には落とし穴が待ち受けた。
コロナ禍真っ最中の2020年11月28日、同国のライバルでリオ五輪Sヘビー級銀メダリストのジョー・ジョイスとの対戦だった。序盤は得意の強打でリードしていたものの、中盤戦からディフェンスの甘さを突かれジョイスの左ジャブを再三浴びて左瞼が腫れあがった。途中まで耐えていたが10回開始早々ジョイスの左ジャブを浴びると試合を断念したかのように自ら膝を着きそのまま10カウントを聞きKO負けを喫した。16戦目での初黒星だった。
この試合でデュボアは眼窩底骨折に加え神経損傷と診断された。
その後、デュボアは体力低下を危惧して3カ月後にはトレーニングを再開するとWBAの10位に留まっていたことで再起戦がいきなりWBA世界ヘビー級暫定王座決定戦への出場が発表される。
2021年6月5日、WBA世界ヘビー級王座決定戦をWBA4位で強打者のボグダン・ディヌ(ルーマニア)と戦いわずか2回開始早々右ストレート一撃のKO勝ちで見事暫定王座を獲得した。
しかし、WBA団体は同年8月25日を持って暫定王座を廃止すると発表、デュボアには1位として王座への挑戦権を与えられた。
2022年6月11日、敵地の米国フロリダ州マイアミでWBA世界ヘビー級王者トレバー・ブライアン(米国)へ挑戦。試合は序盤から左右強打を叩き込み王者ブライアンを退がらせデュボアが圧倒リードした。迎えた4回、1分半過ぎ動きの鈍ったブライアンに左フックを浴びせるとダイブするようにうつ伏せダウン。ブライアンは立ち上がりかけたが再びうつ伏せでダメージ深く立ち上がれなかった。デュボアが4回1分58秒のKO勝ちで悲願だったWBA世界ヘビー級正規王座獲得に成功する。
2022年12月3日、WBA12位のケビン・レレナ(南ア)と対戦するとデュボアは初回にレレナから3度ダウンを奪われるピンチも回復して巻き返す。迎えた3回、右ストレートでダウンを奪い返し再開すると再び左右連打でレレナから2度目のダウンを奪ったところでレフェリーストップとなり初防衛に成功した。
その後、統一戦のビッグマッチ発表となった。

2023年8月26日、大一番はポーランド・ヴロツワフでの開催となった。3団体世界(WBAスーパー・IBF・WBO)統一王者のオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)とのWBA団体内王座(スーパー&レギュラー)を含める統一戦となった。
試合は序盤から攻防の探り合いで互角の展開だったが、回を重ねると徐々にウシクの左ストレートが機能し始めた。
8回、終盤ウシクの左ストレートから追撃左右連打でデュボアはダウン。この回デュボアはなんとかゴングに逃れた。
迎えた9回、序盤ウシクの左ストレートをモロに浴びたデュボアはダウン。間を置き立ち上がったものの10カウントを聞いた。デュボアはKO負けで統一ならず王座から陥落となった。
2023年12月23日、復帰戦をWBA7位のジャーレル・ミラー(米国)とノンタイトル10回戦を戦い最終回に左右連打を浴びせてレフェリーストップを呼び込むTKO勝ちで再起に成功した。
今年6月1日、IBF世界ヘビー級暫定王座決定戦をフィリップ・フルゴビッチ(クロアチア)と争った。試合は序盤からお互い得意の右ストレートからフックの打ち合いでスリリングな展開で回を重ねた。しかし、回を重ねるごとにデュボアの上下攻撃が冴えフルゴビッチはスタミナを削がれていった。
迎えた8回序盤、デュボアの左右連打を浴びてフルゴビッチの両目瞼が腫れ上がった。この場面でレフェリーはドクターチェックを要請、結果はドクターから続行不可の診断が下され試合終了。デュボアがTKO勝ちでIBF世界ヘビー級暫定王座を獲得した。
その後、4団体統一王者のオレクサンドル・ウシクがIBF王座の指名戦を拒否する形で選択試合(タイソン・フューリーとの再戦)を優先することでIBF王座を返上。暫定王者のデュボアが正規王座に昇格した。そして、今回新旧対決が実現することになった。

それではデュボア直近戦のフルゴビッチとのIBF暫定王座決定戦で壮絶な打ち合いとなったシーンをどうぞ!(3分9秒)



ジョシュア3年ぶり王座返り咲きなるか!

〈元3団体統一王者 アンソニー・ジョシュア〉

アンソニー・ジョシュアは3団体(WBAスーパー・IBF・WBO)世界ヘビー級統一王者だった2019年2月13日に予てから希望していた米国リングデビューが発表された。22戦全勝(21KO)無敗を引っ提げ敵地米国へと乗り込むことになった。
2019年6月1日、米ニューヨーク・マンハッタンのマディソン・スクエア・ガーデンで相手はWBO同級王座決定戦で惜敗していたWBA5位・WBO11位のアンディ・ルイスJr.(米国)との対戦だった。ルイスは実力者との対戦は少なかったが戦績は33戦32勝(21KO)1敗と侮ってはいけない危険な相手だった。
試合は様子見の展開で始まったが3回ジョシュアが左フックでダウンを奪い早々決着かと思われた。ところがルイスは立ち上がり再開すると今度はルイスが左フックでジョシュアからダウンを奪い返し、再開すると更に連打でダウンを奪った。その後ジョシュアは立て直したかに見えたが7回序盤ルイスの左右連打にジョシュアは膝を着くダウン。再開するとルイスの追撃連打に4度目ダウン。ここもジョシュアは立ち上がったもののレフェリーは戦意喪失と判断して試合を止めた。伏兵に等しいルイスの7回TKO勝ちにメディアは「世紀の大番狂わせ!」と一斉に報じた。
この試合の2年前元3冠王者のウラジミール・クリチコ(ウクライナ)戦でも右ストレートを浴びダウンを喫して打たれ脆さも指摘されていた。しかし、2019年12月7日、ルイスとの再戦では距離感のあるアウトボクシングに徹した末、12回3ー0(8P/10P/8P)の大差判定勝ちで3王座奪還に成功した。
その後、挑戦者クブラト・プーレフ(ベルガリア)を9回KOで退け初防衛に成功するとビッグマッチが発表された。

2021年9月25日、元4団体世界クルーザー級統一王者でヘビー級に転向したオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)の挑戦を受け対戦した。試合はサウスポーから繰り出されるウシクの鋭い左ストレートにジョシュアは苦戦。結局、その後は最後までウシクの上下に散らす攻めに苦しめられる格好で終了。結果は12回0ー3(5P/2P/4P)差の判定負け。ジョシュアは3王座をウシクに明け渡してしまった。試合後、ジョシュアは直ちに再戦を要求した。
2022年8月20日、再戦ではジョシュアが前回より攻めを改善して打っては離れる接戦の展開に持ち込んだものの、相変わらずウシクの攻めが上回っていた。結果は12回1ー2(115ー113/112ー116/113ー115)の判定負けで王座奪回はならなかった。
その後、無冠を余儀なくされたジョシュアはスピードを活かしたアウトボクシングに徹してここ4戦を4勝3KOと勢いを取り戻している。直近戦は今年3月8日、WBC世界ヘビー級王者(後に王座から陥落)タイソン・フューリーからダウンを奪って世界中から注目されたフランシス・ガヌー(カメルーン)と10回戦を戦い3度ダウンを奪いわずか2回KOで終わらせている。

ジョシュアの直近戦はタイソン・フューリーをダウンさせ一躍有名になったフランシス・ガヌーを全く相手にせず3度ダウン奪い快勝したシーンをどうぞ!(3分16秒)



〈ちょい後記!〉
ジョシュアが最初にIBF世界ヘビー級王座を保持していた7年前、デュボアはプロデビュー間もなくジョシュアのスパーリングパートナーを務めた時期があった。そんな中ジョシュアからダウンを奪ったと報じられデュボアの名は一躍知られることになった。
しかし、ジョシュアは最近のインタビューで「確かに猛攻されたのは事実だが、ダウンはしてないよ!」と否定している。
確かに、当時デュボアは騒がれたがそのダウンシーンの写真が存在する訳でもなく真相は明らかではない。
それはともかく、両者は共に持ち前の強打を秘めるものの、どちらも打たれ脆さがあるのも事実なのだ。
ジョシュアが3敗の内1度のストップ(TKO)負けなら、デュボアは2敗をともに10カウントを聞いたKO負けがある。
ジョシュアはこれまで技巧派の左アウトボクサー(ウシクなど)を苦手としていた。最近はサウスポー相手にジャブで距離を取り無謀な打ち合いはしなくなり打つタイミングを重視するようになった。
しかし、顎の弱さは鍛えようがない。これまで以上に打たせないディフェンス技術が向上したのか強打者相手に試される。
一方のデュボアは相変わらず突進してのファイターぶりは変わっていない。得意の右が当たれば倒すことも考えられるが、これまでの打ち合いでは相手の返しパンチを浴びて倒された場面も何度かあった。デュボアはディフェンスそっちのけで打ち合うところにスリリングで見応えがあり人気もある。果たして今回デュボアは強打炸裂なるか注目したいところ。まあ、実績と技術の総合力でジョシュアが勝機を掴むような気がしますが・・・

【両選手の戦績】
★ダニエル・デュボア/23戦21勝(20KO)2敗
★アンソニー・ジョシュア/31戦28勝(25KO)3敗