《比類なき絶対王者決戦!ウシクVS.フューリー戦〜ほかナバレッテ》サウジA・米国/No.1451 | ◆ ボクシングを愛する猫パンチ男のブログ ◆

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《4団体世界ヘビー級王座統一戦》
ーundercardー
《IBF世界クルーザー級王座決定戦》
《IBF&IBO世界Sフェザー級王座統一戦》

開催日:5月18日(日本時間19日)
開催地/会場:サウジアラビア・リヤド/キングダム・アリーナ




WBA(S)・IBF・WBO世界ヘビー級王者
オレクサンドル・ウシク(37=S/UKR)
VS,
WBC世界ヘビー級王者
タイソン・フューリー(35=O/GBR)


ウシク体格差ものともせず4団体統一成功!

この最高峰の最強を決める対決は2度の延期から3度目の発表でようやくゴングとなった。

〈試合経過〉
序盤はサウスポーのウシクがボディーを攻めフューリーは退がりながら距離を取り長い左ジャブでけん制する展開で始まった。
前進してウシクが右ジャブからボディーを突くとフューリーも左ジャブから接近して右アッパーを突き上げる。4回にはフューリーがノーガードで挑発する場面も見せる。しかし、前半戦はウシクが手数、有効打で上回り優勢に映った。
6回〜7回とフューリーが右アッパーを跳ね上げると再びノーガードで挑発する場面も見せた。ウシクが左ストレートを繰り出したあとフューリーが右アッパーから左ボディーを叩く。
8回、ウシクが前進して左ストレートから右フックでフューリーは鼻から出血を見せる。フューリー左右攻撃も有効打はウシク。

9回、フューリーが左ジャブから右アッパーを繰り出して攻め寄る。ラウンド終盤ウシクが左ストレートを打ち込み更に連打を浴びせるとフューリーはコーナーロープにもたれかかりスタンディングダウンを取られる。カウント8で再開するとフューリーはゴングに救われた。終盤戦はフューリーも逆転を狙って左ジャブ、右アッパー、右ストレートと浴びせるとウシクも負けじと左ストレート、右フックと浴びせる中、最終ゴングを聞いた。

〈12回採点結果〉
114ー113(ウシク)
113ー114(フューリー)
115ー112(ウシク)

ウシクが2ー1のスプリットも判定勝ちで4団体世界ヘビー級王座の統一に成功した。WBAスーパー3度目、IBF3度目、WBO3度目の防衛に成功するとともにWBC王座も獲得してクルーザー級に続く2階級で4団体王座を束ねた。主要4団体制となってからのヘビー級では史上初の偉業です。これで2階級での4団体統一はSライト級・ウェルター級のテレンス・クロフォード(米国)、バンタム級・Sバンタム級の井上 尚弥(大橋)に続く3人目となった。前日計量及び体格測定ではフューリーと比べ身長で15センチ、リーチは19センチ、体重では13キロも劣り体格差では圧倒的不利とされたが、ものの見事に覆して見せた。
ウシクは以前メディアインタビューで「ボクシングは体格で戦うものではない。如何にパンチを当てるかのスポーツなんだ。全く気にしてない。相手は強気発言してるがまあ、観れば分かるよ!」となにか秘策がありそうなコメントしていた。そして、見事勝利した。
しかし、実際にはこれで決着した訳ではなく対戦契約書に再戦要項が盛り込まれていて両者に対戦意思があれば再戦となる。早速、負けたフューリーが再戦を要求するとウシクもそれに応える意思を示して再び戦うことになる。

フューリーはWBC世界ヘビー級王座の4度目防衛に失敗するとともに統一ならず王座から陥落して無冠となった。
36戦目で初黒星を喫した。一人のジャッジは114ー113でフューリーの勝ちとしたが良くて引き分けにしか感じなかった。
9回は完全なダウンではないがロープにもたれかかり足元はゆらゆらでスタンディングダウン取られても仕方ない場面だった。やっぱり心配されていたフランシス・ガヌー(カメルーン)との戦いが影響していたようだ。その一戦は3回にガヌーの左フックをモロに浴びてダウンを奪われその後も足元を揺らす場面もありかなりダメージを受けていた。10回2ー1で勝利したとは言え、7カ月経っても影響は残っていたと考える。今回、試合後のインタビューでは「自分が勝っていたはずだ。再戦要項を行使したい。10月辺りに戦いたい」と負けを認めず再戦を要求した。





(Photos by boxingscen.com)

それでは激戦の末、ウシクが9Rダウンを奪いフューリーに勝利したシーンをハイライトでどうぞ。必見です!(3分16秒)
※途中消除の場合ありです。


【両選手の戦績】
★オレクサンドル・ウシク/22戦22勝(14KO)無敗
★タイソン・フューリー/36戦34勝(24KO)1敗1分








ーundercardー
《IBF世界クルーザー級王座決定戦》


IBF世界クルーザー級3位・元IBF世界同級王者
マイリス・ブリーディス(39=O/LAT)
VS.
IBF世界同級4位・元IBF世界同級王者
ジェイ・オペタイア(28=S/AUS)


〈試合経過〉
前半戦はサウスポーのオペタイアが左ストレートや上下連打の有効打でブリーディスをリードして折り返した。
中盤戦に突入してオペタイアの左ストレートはヒットするもののやや手数を減らした場面でブリーディスもここぞと右ストレートで攻めるが決定打にならず付き合ってしまう。
10回、ようやくブリーディスが右ストレート、左フックをヒットさせオペタイアを慌てさせる反撃を見せた。
11回、ブリーディスが右アッパーから右ストレートでオペタイアを追い上げる。最終回もブリーディスが右アッパー、右ストレートで懸命に攻めてオペタイアは勝利を確信したか冷静にパンチを躱す中、ゴングとなった。

〈12回採点結果〉
117ー111(オペタイア)
116ー112(オペタイア)
116ー112(オペタイア)

オペタイアが3ー0判定勝ちでIBF世界クルーザー級王座に返り咲いた。オペタイアは2022年7月2日、当時IBF王者だった今回のマイリス・ブリーディスに挑戦して3ー0判定勝ちで王座を獲得。しかし、去年9月30日、初防衛に成功して2度目の防衛戦を組んだもののIBF団体が2戦連続の選択試合を許可しなかった為、王座を返上していた。それを今回の再戦で返り討ちする形で王者復活となった。今後は余裕を持ってどこまで防衛出来るのか楽しみな選手です。

元IBF同級王者のブリーディスは王座返り咲き失敗となった。
1年10カ月ぶりの再戦となったが、リベンジすることは出来なかった。WBC世界クルーザー級王者時代の6年前は今をときめくオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)と戦い激戦の末、0ー2(2P/2P)の僅差判定負けに終わったが、ウシクの連打に怯まず打ち合う姿は称えられた。ウシクのクルーザー級時代の最も苦戦した試合だった。この頃がブリーディスの全盛期だったのかもしれない。39歳となったブリーディスは今回パワーこそ衰えたが、まだ現役続行出来そうです。

【両選手の戦績】
★マイリス・ブリーディス/31戦28勝(20KO)3敗
★ジェイ・オペタイア/25戦25勝(19KO)無敗





ーundercardー
《IBF・IBO世界Sフェザー級王座統一戦》


IBF世界Sフェザー級王者
ジョー・コルディナ(32=O/GBR)
VS.
IBO世界Sフェザー級王者
アンソニー・カカチェ(35=S/GBR)


〈試合経過〉
3回、王者コルディナはサウスポー挑戦者カカチェの左フックでグラつくと追撃の左右連打から右アッパーでダウン。コルディナは再開に応じるとカカチェの追撃にクリンチで耐えゴングに救われた。
4回、コルディナも右ストレート、左フックと立て直したかに見えたが5回はカカチェの左フック、右アッパーでコルディナは再び危うくなった。その後もコルディナはカカチェの左フックから左アッパーを浴びてロープを背にするなどピンチから抜け出せない。

迎えた8回、開始序盤カカチェがロープに追い込み左ボディーから左右フック連打を浴びせてコルディナが防戦一方となったところで見かねたレフェリーが割って入り試合を止めた。

ーTKO・8回39秒ー

カカチェがIBO王座の2度目防衛に成功するとともにIBF王座も獲得して王座統一に成功した。カカチェは唯一の黒星(2017年の英国地域王座戦0ー3僅差判定負け)から7連勝で35歳にしてようやくメジャー王座の表舞台に躍り出た。接近しての速い左右ブローは天性のものでしょう。初防衛戦に注目したい。

無敗王者だったコルディナはIBF王座の2度目防衛に失敗するとともに統一ならず初黒星を喫した。コルディナは3回のダウンが尾を引いてしまう格好だった。徐々に立て直したかに見えたが中盤戦突入で再びアッパーやフックを被弾してダメージ蓄積、挽回する余力もなく力尽きた。無念のコルディナは再浮上なるか・・・

【両選手の戦績】
★ジョー・コルディナ/18戦17勝(9KO)1敗
★アンソニー・カカチェ/23戦22勝(8KO)1敗










《WBO世界ライト級王座決定戦》
開催日:5月18日(日本時間19日)
開催地/会場:米国カリフォルニア州サンディエゴ/ペチャンガ・アリーナ




WBO世界Sフェザー級王者・3階級制覇者
エマヌエル・ナバレッテ(29=O/MEX)
VS.
WBO世界同級1位・WBOインターN同級王者
デニス・ベリンチク(36=O/UKR)


無名のベリンチク番狂わせ新王者!

〈試合経過〉
初回、序盤からジャブの突き合いでスタートしたが途中で左にスイッチしたベリンチクにナバレッテが左ジャブから右ストレートを繰り出すもののフットワークで躱されヒットしない。
中盤戦に突入してもベリンチクの右から左ストレートがヒットすると焦り出したナバレッテが左右を振り回し時折右ストレートが浅くヒットするくらいで攻めあぐねる。
あれよあれよという間にコツコツと左右がヒットするベリンチクが確実にポイントを重ねていく。
後半戦に突入してようやくナバレッテの左ジャブから右が当たり始めるとベリンチクのフットワークに躱され攻めきれないままゴングとなった。

〈12回採点結果〉
115ー113(ベリンチク)
116ー112(ナバレッテ)
116ー112(ベリンチク)

ベリンチクが2ー1のスプリットも世界初挑戦でWBO世界ライト級王座を獲得した。地域王座ながらWBOインターN・ライト級王座の8度防衛は伊達ではなかった。しかもロンドン五輪Lウェルター級銀メダリストときてるから並の選手ではない。
まあ、36歳の遅咲きとはいえ隠れた実力者だった。ただ強打者ではなく無類の技巧派ボクサー。今後の防衛戦に注目したい。

メキシカンスターのナバレッテはWBO世界Sフェザー級王座を保持したまま4階級制覇を目指したが王座獲得失敗となった。おそらく今後はSフェザー級王座の防衛に専念するでしょう。強打を秘めたナバレッテでも当たらなければなんの意味もないことを実感したでしょう。ここ2戦を1敗1分でWBOスーパーフェザー級王座の防衛戦にどう影響するか・・・

【両選手の戦績】
★エマヌエル・ナバレッテ/41戦38勝(31KO)2敗1分
★デニス・ベリンチク/19戦19勝(9KO)無敗