★米国ボクシング・コミッション協会がWBA団体に抗議書簡!/特別編/No.1190 | ◆ ボクシングを愛する猫パンチ男のブログ ◆

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ついに動き出したWBA団体への抗議!

もう随分前からファンを筆頭に識者(評論家・解説者・専門記者)などでWBA団体による王座乱造には批判が高まっていた。
勿論、ファンや関係者には複数王座に賛成派もいることは確かだ。
しかし、現在のWBA団体にはスーパー王座、レギュラー(正規)王座、ゴールド王座、暫定王座、休養王座とあまりにも王座が乱立しているのは紛れもない事実で目に余るものがある。
分かりやすく例えれば、昔、日本の相撲界では横綱が3人以上存在した際、正横綱と張出横綱(下位横綱)が存在した。
つまり、ボクシングで言えば正横綱は正規王者であり、張出横綱は下位王者(暫定的)ということになる。
1994年には多方面から最高位の番付表に上下があるのはおかしいと議論を呼んだ為、日本相撲協会は長年続いた張出横綱や張出大関を廃止することになった。
相撲評論家は廃止に対して、しきりに関取が増えた為の番付表が問題だったと説明していたが、真実は相撲協会が人気低迷を恐れての措置だったのでした。
まあ、ボクシングの認定団体もよそ事ではなく王座を増やせばこんな結末になることを思い知ったほうがいい。😤
WBA団体はファンの声に聞く耳を持てといいたい。

抗議の切っ掛けは疑惑判定問題!

ファンや関係者の声に危機感を示した米大陸やカナダなど各州で試合認定や対戦記録を管理するコミッションで構成された米国のABC(ボクシング・コミッション協会/Association of Boxing Commissions)は王座の乱造、頻繁な急造ランキング、ジャッジの不透明採用、不可解な判定などあらゆる案件について承認団体であるWBAに対してファンや関係者に混乱を招くような運営に抗議する書簡を8月13日付けで送ったと各メディアに発表した。

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切っ掛けとなったのは、8月7日(日本時間8日)米国ミネソタ州ミネアポリスで行われたWBA世界ウェルター級暫定王座決定戦のガブリエル・マエストレ(ベネズエラ)VS.マイカル・フォックス(米国)戦の不可解な採点だった。

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試合は2回サウスポーのフォックスが左ストレートでマエストレからダウンを奪ってリードした。その後はマエストレも前に出て左右で巻き返したが、フォックスは退がりながらもテクニックで躱しつつ左右フックや左ストレートでマエストレを度々仰け反らせた。
マエストレはアグレッシブさがあって時折左右を打ち込み見た目は良かったが、空振りが多くポイントにはならなかった。
終わった瞬間、接戦とは言え個人的には有効打で1、2ポイント差でフォックスの優勢と映り、悪くとも引き分けになると感じた。
しかし、採点結果は12回3ー0(114ー113/115ー112/★117ー110)でマエストレの勝利となった。
フォックスはどうしてなんだという表情だった。

採点に疑問符がついた問題の一戦をハイライトでどうぞ!
(2分45秒)



採点結果に納得いかないフォックス陣営は試合後即座にWBA団体へ提訴していた。
5日後、WBA団体は陣営の訴えに試合を認定したミネソタ州のコミッションに無効試合とするよう願い出て再戦を示唆した。
そして、問題となったのはどちらの手が挙がってもおかしくない拮抗した接戦だったにも拘らず、唯一女性でジャッジ歴14年のベテラン、グロリア・マルチネス・リッツォ審判員の7ポイント差が物議を醸すこととなった。
テレビ解説者も「どこを見たのかあり得ない採点だ。彼女にジャッジする裁量はない!」と厳しいコメントをしていた。
これに輪を掛け、一番問題視されたのはこの女性審判員はこれまでSNS上で度々人種差別発言を繰り返していたことだった。
究極は元大統領バラク・オバマ氏のミシェル・オバマ夫人に対して"猿顔女"などと侮辱する書き込みで非難されたこともあったお騒がせ審判員だったのだ。
こんな人物が中立な立場で試合採点などできるはずがない。
それに、なんと夫はWBA団体幹部のリカルド・リッツォ氏だということから話は益々大きくなってしまった。

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(Photos by dailymail.co.uk)

ABC協会の幹部は「中立性を保つ為、ミネソタ州のコミッションから2人のジャッジを採用するよう要請書を提出したが、1人の採用で2人はWBA団体自前のジャッジで規約違反だ」とし「暫定とは言え世界戦に相応しいジャッジの採用だったのか甚だ疑わしい」と疑問を投げかけるコメントをメディアを通じて伝えた。
そして、ボクシング界の衰退を危惧するABC協会は書面をもってWBA団体への抗議に踏み切った。

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その書簡内容は改善されない場合、3つの問題を掲げた。
⑴ WBA団体のタイトル戦は米国管轄内では承認し難い。
⑵ WBA団体が任命するオフィシャル陣(組織役員など公認者)は受け入れない。
⑶ WBA団体がタイトル戦でスーパーバイザー(監督者や管理者)がコントロールすることを許さない。

ABC協会はかなり厳しい内容をWBAに突き付けた。
まだ、確たる正式な効力はないにしろ身内とも言える業界組織からの前代未聞の抗議は軽く見てはいけないでしょう。
過去には内容は違うが窮地に追い込まれたIBF団体が買収事件問題で存続危機に陥り、WBC団体は王座剥奪の訴訟問題で莫大な損害賠償で存続危機に陥っていた。
それこそWBA団体は各州のコミッションから締め出されては組織自体が成り立たなくなってしまうんです。
分かりましたか、WBAの会長さん!(^O^)