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《WBO世界Sミドル級タイトルマッチ》
開催日:2月21日(日本時間22日)
開催地/会場:ドイツ・ベルリン/O2ワールド・アリーナ
WBO世界Sミドル級王者
アルトゥール・アブラハム(35=ARM/GER)
ーVSー
WBO世界同級4位
ポール・スミス(32=GBR)
この試合はゴロフキンVSマレー戦の陰に隠れて余り話題にはなりませんでしたが、同じ日に負けず劣らず気迫のこもった闘いとなりました。
★アブラハムの返り討ち防衛!
〈試合経過〉
初回、左ジャブの出し合いから始まった。
先にスミスがワンツー、右ストレート、左右フックと積極的に仕掛ける。アブラハムも左右フックで応戦してラウンド後半ワンツーから左右連打。~手数、有効打でスミス優勢。
2回、アブラハムが左右ボディー連打、ワンツー、右ストレート。スミスは左ジャブから左フック、ワンツー。~手数、有効打でアブラハム優勢。
3回、アブラハムが左ジャブからワンツー、左ボディー、ワンツー、ワンツーとプレッシャーをかけ流れを掴み出す。スミスは左ジャブ、左右ボディー、ワンツーとヒット。~手数、有効打でアブラハム優勢。
4回、アブラハムが左ジャブから左右連打、ロープに詰めて再び左右連打の猛攻撃で主導権を握る。スミスはワンツー、左ジャブ、右フック、左ボディー。~手数、有効打でアブラハム優勢。
5回、アブラハムが左右連打、ワンツー、左右連打、右ストレート。スミスはワンツー、ロープに詰めて左右ボディー、左フックと攻める。~手数、有効打でアブラハム優勢。
6回、スミスが左ボディー、右フック、左ジャブで突きはなしてロープに詰めると左右ボディーの猛攻で巻き返しにかかる。アブラハムは左右フック、左右ボディー、右フックも手数減らす。~手数、有効打でスミス優勢。
7回、アブラハムがワンツー、右ストレート、ワンツースリー、左右フック。スミスは左ボディー、右ストレート、左ボディー、左フック。~手数はスミスも有効打でアブラハム優勢。
8回、アブラハムが左ジャブからワンツー、左右フック、ロープに詰めて左右連打の猛攻撃。スミスは左ジャブ、右ストレート、左ボディーも手数減らす。~手数、有効打でアブラハム優勢。
9回、アブラハムが左ジャブ、右フック、ワンツー、右ストレート、ワンツー、右ストレート、ワンツーでまたもや猛攻撃。スミスは左ジャブ、左ボディーも手数減らす。~手数、有効打で圧倒してアブラハム優勢。
10回、アブラハムが右ストレート、左ボディー、ワンツー、ワンツー連打、右ストレート。スミスは左右フック、ワンツー、左フック。~手数、有効打でアブラハム優勢。
11回、ポイント不利とみたスミスが左ジャブから左フック、右フック、左ジャブ、左フック、ワンツーと猛攻撃で挽回を図る。アブラハムは左ジャブから左フック、右ストレート、ワンツー、左右連打もやや打ち疲れが見える。~手数互角も有効打でスミス優勢。
12回、スミスが左右ボディー、ワンツー、左ジャブで突きはなし左右ボディー、左右連打の猛攻撃。アブラハムはワンツー、左右ボディー、ワンツースリーも明らかにスタミナ切れ気味のなかでゴングを聞いた。~手数、有効打でスミス優勢。
〈採点結果〉
アブラハムが3ー0(116ー112×2者/117ー112)の判定勝ちを収めて3度目の防衛に成功。
アブラハムはこれで、スミスの不服申し立てのダイレクトリマッチに決着をつけた試合となりました。
スミスは2度目のチャンスも及ばず王座獲得失敗となった。
※素人採点の私も117対112でアブラハムの勝ちとしました。
尚、この試合の4日後にWBO団体が第7代・第9代の元WBO世界Sミドル級王者ロベルト・スティグリッツ(ロシア/ドイツ)との対戦命令を発表。
過去スティグリッツとの対戦はアブラハムが2勝1敗と勝ち越している。
つまり、王者だったこのスティグリッツに挑戦して3ー0判定勝ちで2階級制覇を達成すると、再戦では4回TKOで下され王座を奪い取られて3度目の対戦で2ー1のスプリット判定ながらも、王座に返り咲いたのでした。
4度目の対戦も楽しみです。
【両選手の戦績】
アルトゥール・アブラハム
46戦42勝(28KO)4敗
ポール・スミス
40戦35勝(20KO)5敗
〈後記〉
攻防を制するうえで、如何にジャブが重要かを示してくれた試合でもありました。
結局、ジャブの出し合いでスミスの隙をついて主導権を掴んだのはアブラハムの方だった。
アブラハムの4回の左右フック連打は倒しにかかる勢いだったが、スミスもなんとかピンチを凌いで見せた。
スミスも6回にロープに詰めて左右ボディー攻撃を見せて挽回を図る。
しかし、その攻めは続かなかった。
スミスは7回から10回までアブラハムの気迫に圧されてしまったことが結果的には勝機を逃してしまった感じでした。
後半戦の11回、12回にはアブラハムもスミスに攻められ35歳という年齢からくるスタミナ切れのあわやのピンチ場面もなんとか乗り切った防衛戦になりました。
まあ、それにしても、お互い最初から最後までスリリングな打ち合いでボクシングの醍醐味盛り沢山の試合でした。
その証拠にイギリス同様にボクシング人気の高まる目の肥えたファンの多いドイツで試合が終わっても惜しみない拍手と大歓声に沸いていました。
判定試合でも釘付けにさせた両選手のファイティングスピリットに拍手です!
追記、
アルトゥール・アブラハム選手は現在ドイツ国籍も旧ソ連邦圏だったアルメニア出身で2人目の世界王者。
因みに、先輩王者は山中慎介(帝拳)と対戦したあの元2階級制覇(フライ級・Sフライ級)王者のビック・ダルチニャン選手です。
もう一人は強打者で人気の現WBOインターコンチネンタルSウェルター級王者バーネス・マーティロスヤン選手も現在は米国籍ながらもアルメニア出身です。