《142ポンド契約ノンタイトル10回戦》
《IBF世界Sライト級タイトルマッチ》
《WBA世界ミドル級王座決定戦》
日時:8月9日(日本時間10日)
開催地/会場:米国ニューヨーク州ブルックリン/バークレイズ・センター
《142P契約ノンタイトル10回戦》
当初はWBAスーパー・WBC世界Sライト級タイトルマッチのメインとして行われる予定だった。
しかし、元世界ランカーだったロッド・サルカが現在WBA・WBCの世界ランキングから外れていることから、両団体は世界戦として認定しない旨を両陣営に通達した。
結局、そのままノンタイトル10回戦のメインとして行われることとなった。
WBAスーパー・WBC世界Sライト級王者
ダニー・ガルシア(26=米国)
ーVSー
WBC中央アメリカ・ライト級暫定王者
ロッド・サルカ(31=米国)
〈試合経過〉
初回、ガルシアがワンツーから右ストレート、ボディーと攻めて早くもペースを掴んだ。サルカは左右を出すものの、攻めあぐむ。
2回、ガルシアがボディー攻撃から右ストレートでサルカからダウン奪う。立ち上がったサルカに再びボディーからワンツー、左フックと上下の固め打ちで2度目のダウンを奪った。サルカはここでも執念で立ち上がったが、ガルシアの止めの左フックを浴びて仰向けにダウンしたところでタオルが投げ込まれると同時にレフェリーは試合をストップさせた。
ーKO・2回2分31秒ー
ダニー・ガルシアはこれで29連勝無敗をキープした。
ロッド・サルカは格の違いを見せつけられての完敗となった。
【両選手の戦績】
ダニー・ガルシア
29戦29勝(17KO)
ロッド・サルカ
23戦19勝(3KO)4敗
ガルシアのここ3試合はパッとしない僅差判定が続きブーイングを浴びる始末だった。
特に、今年3月15日のマウリシオ・ヘレーラ(米国)との防衛戦では2ー0(4P・4P・ドロー)判定の僅差で勝利したものの、ヘレーラが勝っていたのではないかという判定に不信感が持ち上がり物議を醸す散々な結果となっていた。
今回の試合でKO勝利したとは言え、相手がノーランカーで格下だったことからすれば、前試合の不信感を払拭したとまではいかないでしょう。
また、最近、ガルシア人気が落ちたと囁かれている中で、今後の対戦相手が気になっていたところへ、この日、同じリングに上がったIBF王者のラモン・ピーターソンとの統一戦話しが浮上してきた。
ガルシアはピーターソン戦を実現させてファンの納得するような内容のいい試合をして統一すれば、かつてのような人気も復活するでしょう。
《IBF世界Sライト級タイトルマッチ》
IBF世界Sライト級王者
ラモン・ピーターソン(30=米国)
ーVSー
IBF同級13位
エドガー・サンタナ(35=プエルトリコ)
〈試合経過〉>
ピーターソンが左ジャブを軸にワンツー、左アッパー、左フック、ボディーと序盤から圧倒していく。
サンタナは左右フックを繰り出すものの、ピーターソンの動きの良さに的確なヒットができず攻めあぐむ。
5回にはピーターソンがアッパー、左右フックとサンタナを打ち込んで防戦一方にさせると、ここで試合は終わるかの場面もサンタナは持ちこたえた。
6回以降もピーターソンが左右攻撃で圧倒。
なんとか食い下がったサンタナだったが、10回、サンタナはピーターソンの左右フック、ボディーと上下攻撃に耐え続けたものの、終了間際に再び左右連打を浴びて棒立ちになったところで、見かねたサンタナ陣営がレフェリーにストップ要請して試合は終了となった。
ピーターソンの圧倒勝利だった。
ーTKO・10回2分48秒ー
ラモン・ピーターソンはIBF世界Sライト級王座の3度目の防衛に成功した。
エドガー・サンタナは世界初挑戦も王座獲得ならず。
【両選手の戦績】
ラモン・ピーターソン
36戦33勝(17KO)2敗1分
エドガー・サンタナ
34戦29勝(20KO)5敗
挑戦者のエドガー・サンタナはピーターソンのトリッキーな動きに翻弄されて自慢の左右強打も不発に終った。
一方、ラモン・ピーターソンは試合終了後のインタビューでWBA・WBC王者のガルシアとの対戦話しについて「ファンもメディアも私とガルシアのファイトを見たいと望んでいるだろう。私にはそのつもりがある」と統一戦に前向きだった。
一方、ダニー・ガルシアは「彼が望むのなら戦ってもいい」とあまり力のこもったコメントではなかった。
果たして実現するのか・・・
《WBA世界ミドル級王座決定戦》
この王座決定戦はゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)のスーパー王者昇格によって正規王座が空位となった為のもの。
しかし、本来なら暫定王者(1位)のドミトリー・チュディノフ(ロシア)が決定戦に出場するのが筋だと思ったが暫定王者を据え置くのもWBA団体の認定料欲しさが見え見えです(笑)
WBA世界ミドル級2位
ジャロッド・フレッチャー(30=豪州)
ーVSー
WBA世界ミドル級3位
ダニエル・ジェイコブス(27=米国)
〈試合経過〉
初回、ジェイコブスが右フックを浴びせてフレッチャーからダウンを奪った。
フレッチャーは立ち上がると必死に左右で応戦してこの回を凌いだ。
その後、フレッチャーは左右を出しながら粘りを見せ盛り返すかに見えたが、5回中盤ジェイコブスの左フックを浴びてフラついたところへ、再び右フックから左右連打を浴びてダウン。
レフェリーはフレッチャーのダメージを見とどけるとカウントを取らずに試合をストップさせた。
ーTKO・5回2分58秒ー
ダニエル・ジェイコブスは2度目の世界戦で念願の王座獲得となった。
ジャロッド・フレッチャーは初の世界王座決定戦も王座獲得ならず。
【両選手の戦績】
ジャロッド・フレッチャー
20戦18勝(10KO)2敗
ダニエル・ジェイコブス
29戦28勝(25KO)1敗
王者となったダニエル・ジェイコブスは2010年7月31日、WBO世界ミドル級王座決定戦でディミトリー・ピログ(ロシア)とのお互いホープで全勝同士の戦いで4回までジェイコブスがリードしていたものの、5回に入って動きが雑になったところへピログのカウンター気味の強烈な右ストレートを貰っての壮絶な逆転KO(5回58秒)負けで王座獲得に失敗。
初黒星のそのKO負けを教訓に動きとデフェンスに磨きをかけて、その後は7戦全勝(7KO)してこの日に臨み、2度目の王座決定戦で見事に王座獲得となった。
今後、ジェイコブスの強打(KO率86.21%)を武器に強豪ひしめくミドル級の防衛戦に注目したい。
一方、ジャロッド・フレッチャーはアメリカデビューだったが念願の王座獲得はならなかった。復活に期待したい。
(写真BoxingSceneより)