《ビクター・オルティスKO負けで再起失敗!》1月30日 米国・ニューヨーク州/No.401 | ◆ ボクシングを愛する猫パンチ男のブログ ◆

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★ ★ ★ 人気者ビクター・オルティス1年7ヵ月ぶりの再起戦!★ ★ ★
《WBAインターN・ウェルター級タイトルマッチ》
ー12回戦ー

日時:1月30日(日本時間31日)
開催地/会場:米国・ニューヨーク州ブルックリン/バークレイズ・センター


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WBA世界ウェルター級15位
元WBC世界ウェルター級王者

ビクター・オルティス(26=米国)IMG_7645.gif
VS.
WBA・INaウェルター級王者
元WBA世界ウェルター級王者

ルイス・コラーゾ(32=米国)
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(調印式後、睨み合う両者)
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ビクター・オルティスは2011年4月16日に当時のWBC世界ウェルター級王者アンドレ・ベルト(米国)へ世界初挑戦すると、打ち勝って3ー0の判定で見事王座獲得に成功した。
初防衛戦は2011年9月17日、当代きってのスーパースターで5階級制覇者のフロイド・メイウェザーJr.(米国)との大一番の対戦も不意打ち攻撃で4回KO負け。この試合はオルティスの反則行為とメイウェザーJr.の不意打ち攻撃で物議を醸す試合となって両選手に取って汚点を残す結末となった。
無冠となったオルティスは2012年6月23日に復活をかけてWBC世界ウェルター級シルバー王座決定戦をホセシート・ロペス(米国)と戦い8回まで左右攻撃で優勢に進めて1P・3P・5Pとリードしていたものの9回戦いきったところでオルティスが顎に痛みを訴えて9回終了時で棄権。RTD(レフェリー・テクニカル・デシジョン)による負傷棄権判定負け扱いとなった。
これで、オルティスは2連敗となり、もう、オルティスには後がない。
世界ランクも辛うじてWBAウェルター級15位に留まっているのみ。
WBC・WBO・IBFはランク外になってしまった。
コラーゾの保持するWBAインターナショナル王座を奪取して世界ランクを上げていくしか術はない。

オルティス人気にバークレイズ・センターの会場は超満員の大盛況。
そんな中でゴングは打ち鳴らされた!

オルティスまさかのKO負けで再起ならず!

〈試合経過〉
サウスポー同士の戦い!
初回・オルティスがワンツー、左右フックと仕掛ける。コラーゾは右ジャブから左ストレート、左フックの攻め。~お互い上々の滑り出しでほぼ互角。

迎えた2回、オルティスが右ジャブから左ストレートの攻め。コラーゾも右ジャブからワンツーと攻める。
一旦、接近戦も再び距離をとっての攻め合い。
そして、残り10秒の拍子木をカチカチと打ち鳴らされたその直後・・・オルティスの左フック打ち終わりをコラーゾが強烈な右フックを浴びせると左、右と追加されオルティスは背を向け赤コーナーロープ下に崩れ落ちた。
オルティスは膝を着いたまま立ち上がれず、カウントアウトとなってKO負け。
なんとも、呆気なく試合は終わってしまった。

ーKO・2回2分59秒ー
コラーゾは保持するWBAインターナショナル・ウェルター級王座の初防衛に成功した。
オルティスは3連敗で再浮上ならず。

【両選手の戦績】
★ビクター・オルティス/36戦29勝(22KO)5敗2分
★ルイス・コラーゾ/40戦35勝(18KO)5敗


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オルティス惨敗で引退示唆!

〈後記〉
顎の手術や俳優進出もあって、延び延びとなっていた1年7ヵ月振りのリング登場で久々にオルティスのアグレッシブな戦いが観られると思いきや、わずか2回でリングに沈んでしまった。
気さくで明るい性格がテレビショーなどに引っ張りだこで最近は俳優のシルベスター・スタローンに気に入られての後押しで人気シリーズ映画の「エクスペンダブルズ3」に出演して俳優デビューも果たしたばかり。
そのことで、練習も疎かになることも危惧されていたが・・・
しかし、元々、オルティスは顎が弱いことは周知の事実で鍛えようがなく動きで躱すしか術はなかった。
5敗のうちの4度は顎にヒットされての敗戦でホセシート・ロペス戦後には手術もしている。
けれども、オルティスは倒し倒されのスリリングな戦い振りからボクシングファンを唸らせ人気を得てきた。
この敗戦で3連敗となって再起に失敗したオルティスは引退をほのめかしました。
プロモーターのオスカー・デラ・ホーヤ代表も引退を勧めたということです。
まだ、明確な発表はされていませんが、もうオルティスの戦いは観られなくなるのでしょうか?
試合の翌日、27歳になったばかりでちょっと寂しい思いです。

一方、ルイス・コラーゾは2005年4月2日に当時の強打者WBA世界ウェルター級王者のホセ・アントニオ・リベラ(米国)に挑戦すると、大方不利の予想を覆して接戦に打ち勝ち2ー1の僅差判定ながら見事王座に就いた。
その年の8月13日に初防衛戦を元WBC世界ライト級王者で10度防衛した実績を誇る強打者のミゲル・アンヘル・ゴンザレス(メキシコ)の挑戦を受けて戦うと7回TKOで退け初防衛に成功。※尚、ホセ・アントニオ・リベラは1990年12月17日~1991年8月19日まで協栄ジムのプロモートで日本のリングに東京三太のリングネームで戦っていた選手でした。
しかし、2006年5月13日、英国のスター選手で元WBA・IBF世界Sライト級統一王者で40戦無敗を引っ提げウェルター級に転向してきたリッキー・ハットン(英国)の挑戦を受けて戦うと0ー3(1P・3P・3P)差の僅差判定負けで王座から陥落。
その後は2007年2月10日、元WBA・WBC世界Sウェルター級スーパー王者のシェーン・モズリー(米国)とWBC世界ウェルター級暫定王座決定戦を戦い0ー3(11P・9P・9P)差の大差判定負けで暫定王座獲得に失敗。
2009年1月17日、当時のWBC世界ウェルター級王者のアンドレ・ベルト(米国)に挑戦も0ー3((5P・1P・1P)差の僅差判定負けでまたしても跳ね返された。
思えば、ビッグネームにことごとく阻止され続けていた。
もう、タイトルには遠のきつつあったが、2013年9月2日に地域タイトルながらWBAインターナショナル・ウェルター級王座決定戦10回戦を若い22歳のアラン・サンチェス(米国)と戦い身長差で10cm(185cm)リーチ差で10cm(193cm)の大柄な相手に手数、有効打で上回り3ー0(4P・6P・9P)の大差判定で下して王座獲得。
この勝利で世界ランクもアップしてオルティス陣営から指名を受けて、この日の試合となった。
お互い一度は頂点に立った両者は苦労人のコラーゾが生き残った。

コラーゾが若きスター選手のオルティスに勝利した感激で泣きじゃくっているところへ、心優しいオルティスが近寄って祝福のハグをする。この心優しさが試合に災いしたのだろうか。
オルティスがダウンしているとき、立ち上がろうと思えば、まだ余力があって戦えたようにも見えたが、心の中で「もう、いい、このままでいい」と自分に問いかけているように闘志意欲をなくしたようにも見えた。
その1勝の重みが伝わった試合でもあった。
しかし、試合前には睨み合った両選手だったが、オルティスのスポーツマンシップには拍手を贈りたい。

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