「あ~ぁ、世の中魔法魔法で嫌になっちゃうよ。」

「そういうなって。別に魔法が使えなくても料理だったら作ってやるからさ。」

魔法が世に生まれてもう100年にはなるのだろうか?目の前の男は料理を食べていた。

「シェフだって魔法ぐらい使えるんだろ?」

「俺は魔法は一切つかえないんだ。才能無いのかな?」

「でもシェフは料理の才能があるじゃん!」

「何度も言うけど俺の名前はジェフだって。」

「でも『シェフ』で『ジェフ』じゃん。」

料理長ジェフのいるこのレストラン『ス・チール』は隠れた名店として噂されていた。ただ立地条件が悪いため訪れる客の数はそこそこといった所。逆に客足を減らすためにわざとそうしているという噂もある。
家に帰るとバルダックは起きていた。

「ただいま~。」

「おう。真夜中の冒険はどうだった?」

「図書館行って、とりあえず本を盗んで、それで終わり。」

「ははは…。何か可笑しいな。」

「笑うなって。」

「…で盗んだのがその本ってわけか。」

ドリーの手元には予言の書があった。最終的に持ち帰る人間をジャンケンで選んだら自分になったのだ。

「しっかしこんな本見たことも聞いたこともねぇな。」

「古すぎるからじゃない?」

「いや~、本だったら新旧問わず腐るほど読まされてきたから知らない本なんて無いと思ってたんだけどな。」

「それだけ世界は広いってことだろ?さ、疲れたし寝るかな?」

「あ、じゃあこの本貸してくれよ!ちょっと興味湧いた。」
「おい、この本なんてどうだ?」

ポーロが手にしたのは「予言の書」という怪しげな本だった。

「かなり面白いぞ!この本によると数年後に恐怖の魔王が出るって話だ!」

エリックとドリーは顔を合わせた。

「うさんくさい。」

「何だと!?だったら証明していこうぜ?1ヶ月後にヒールフィールドという場所に人が現れるらしいぞ!」



「…どこだ?そこ?」

「…え?」

「そんな地名聞いたことないぞ?」

「まさかこの国じゃないとか?」

「かもな。」