「じゃぁな。また来いよ、ダン!」

「おう、明日もくるわ。」

客数も減ってそろそろ店を閉めようとすると、もう一人客が入ってきた。

「まだ…やってるか?」

「ん?あぁ、メシが食べたいなら作るけど?」
「そういやジェフ、これ見てくれよ。」

目の前には出来たての「魔物のキモのソテー」があった。

「このガラス玉が何か?」

「俺が作った魔法アイテムなんだけどさ、なかなか扱いが難しくてさ。人の命そのものと直結しちゃうみたいなんだよね。」

「物騒だなぁ。」

「まぁでももう少し安全面を改良すれば魔法が使えないやつでも魔法が使えるようになるぞ。」

「お前の為にあるような魔法アイテムだな。だけど魔法が使えないくせになんでそんなの作れるんだ?」

「魔法が使えないから、アイデアが浮かんだんだよ。」

「なるほどね。」

「それよりこのソテー美味いな!」
「でもさ、やっぱ料理人で名前が『ジェフ』だとどうしても『シェフ』が名前の元なんじゃないかなって思うよ?」

実はその名前は料理人になってから名乗り始めたものであることはジェフの秘密である。

「まぁいいじゃないか。それより『魔物のキモ』の料理食ってみるか?」

「あ、それ大昔に流行ったやつでしょ?魔物の力をもらうとかそんな感じじゃなかったっけ?」

「そう、それ。一時期そんな野蛮な風習はダメだってPTAが…」

「PTA?」

「あぁ、昔の言葉だよ。」

「いったいいくつだよ、あんた。」

見た目は若く見えるのに、どこかくたびれている感じもある。

「魔法が生まれる頃から生きてるよ?」

「うそつけっ!」