「mokogawaさ~ん!」
コンビニに入ろうとした私を呼ぶ声がする。
マスクをした年配の婦人がにこにこしながら近づいてくる。
「お元気でしたか?」
そう言われても…誰だか分からない。
ええっと…と怪訝な顔を見て「*井です」と名乗られるがまだ分からない。
人の顔を覚えるのが苦手なうえにマスクまでしているが、ここまで言われると思い出しそうなものだが…

なお戸惑っている私に今度は「○○○です」と。
ああ…○○○美容室の人(オーナー)か!
地域の○○○美容室は母が通っていたところで、車でよく連れて行っていた。
迎えに行って帰るときは助手?の人と一緒に車が出るまで見送りをしてくれていた。
相手は私の顔をよく覚えていたのだろうが私は返礼をして車を出すものの
顔を覚える能力もその気もないから正体が分かっても顔はやはり全然見覚えがない。
この美容室は入口が高く間にコンクリートの段が一段あるものの
ひざが悪く足腰も弱くなってきた母は次第に出入りに苦労するようになった。
通っていた最後の頃は腰をかがめ、ほとんど這いつくばるようにして上がるのを見て
これは他を探さないといけないな…
そう思って近隣の美容室をあたった。
駐車場から店内にスムーズに入れるところはほとんど無かったがやっと低い段差の店を見つけ
そこに通うようになって数年。
それから在宅介護になっも何度かヘルパーに付き添ってもらい
そのうち通っていたデイの1つに出張美容が来ていたのでそこに頼むようになった。
だから○○○美容室に通っていたのは10年余り前になる。
よく憶えているなあ…
「今はお一人なんですってね…」
母が亡くなったことも私が一人で暮らしていることも知っている。
侮れない村(みたいな郊外の我が地域)の髪結いの情報収集能力!
それにしても私がすぐ分かったのは「車いす」という一目で分かる特徴があることも大きいだろう。
春先に、隣の隣のC市に行ったとき、昔の知人にばったり出くわした。
40年以上昔、あるイベントに一緒に携わったことのある人だ
「**さんじゃありません!?」と人の顔がろくに覚えられない私にもすぐ分かったのは
彼女が特徴ある車いすに乗っていたことも大きい。
40数年も過ぎていればお互い歳もとり容貌も変わっている。
二人とも健常者なら道ですれ違っても気が付かないし
(あれ?今の人…)
と感じても確信はもてないだろう。
雑踏の中で…
大昔の(健常者の)知人がいち早く私を見つけてじっくりと観察していても私は気づく術もない。
(この人、相変わらずしょぼくれているなあ…服のセンスも悪いし)とか思われても。(汗)
声をかけるか知らん顔をして通り過ぎるかは相手の手の内にあるのだが私はその彼、もしくは彼女の存在すら気づかない。
アンフェアだ…
という思いが若いときからあって、
それは幼少期から街に出ると常にじろじろ人から見られるということも関わっていたのだろうが
私は我が街の繁華街に出るのが、若いころは嫌だった。
まあ過疎化の進む今は我が街の繁華街に出てたところで道行く人はまばらだ。(笑)
さて健康のために努めて近隣を散歩に出るようにしていたが
この狭い「ムラ」では人の目も気になる、熊の目も気になる… (汗)
悪いコトはできません。
するときは…ヨソでする。