親を看取ったあと少なからぬ人が、空き家になった実家や誰も使わない家具の始末に苦労する。
我が家はまだ私が一人で住んでいるのだが、いずれ空き家になるだろう。
築50年超の家屋はなんとか解体費用くらい工面しておけばこのままでもいいが、古いブロック塀はもはや危険。
解体、改修にむけていろいろ調べると、今まで考えもしなかった様々な問題が見つかる。
まず隣家とを隔ててている共通の塀をどうするか?
片や塀に沿って倉庫が、片や車庫が建っている。
本来なら境界からお互いに50cmずつ離して建造物は作らないといけないらしいのだが、昔のことで業者も知らなかったのか、知らんぷりだったのか…
その境界線の上に塀があるのかどちらかの敷地に建っているのかでまた扱いが微妙に変わってくる。
両親が存命なら聞くこともできるが、今となっては叶わず。隣家などももう世代が変わっているし…
「境界標」という目印があるらしいのだが見当たらない。
もう一つは道路との境目だ。
実は道路と敷地の間はコンクリートの仕切りがあったと母が昔、言っていた。
「東側の壁はその仕切りの内側にブロックを積んだけど、南側は業者が間違えて上に積んだのよ…」
以前母がこう言っていた。
それが本当なら、塀を撤去して新しく作るときは仕切り分だけ後退させないといけない。
隣の家の塀を見るとやはり仕切りの上に塀のブロックが積んである。
当時の工事もずいぶんいい加減なものだ。
南側の道路は造成地の中につくられた私道で我が家わ含め数軒の共有地になっている。
こういった私道もなかなかやっかいなもので、宅配や郵便局の車などが日常的に通っていると半分公道となり私道といえども勝手に通行を制限できない。(らしい)
私道だから道に穴があいても自治体は直してはくれない。固定資産税はとられる…
かといって「寄付します」といっても自治体は管理責任が生じるから簡単に引き取ってはくれないらしい。
実態は他所の車も頻繁に通り抜けほとんど公道なのだが…
Googleストリートビューの撮影車なんか、こんな田舎の私道のくせに過去3回も通り抜けているし!(汗)
そして疑問が疑問を読んで調べているうちにとんでもない事実が明らかに…
「セットバック」…中古の一戸建てを探して不動産屋に出入りしたり、土地のチラシをしょっちゅぅ見ている人には常識なのかもしれないが。
道幅が4m未満の場合は、中心から2m確保できるように家を建て替えるときはその分だけ敷地を後退させる
つまり道幅が狭い分だけ自分の土地を道路として供出しなければいけないということか。(あくまで改築時)
これは当然塀の造り換えにも適用されるはずだ。
「道幅が4mしかないのに側溝をつけてしまったからねぇ…」
確か、お隣さんが以前そう言っていたことが…そのときは気にも留めなかったが。
そうなると現存の塀を壊したら、道路に面した庭の端は少しずつ削っていく必要があるのだろうか?
側溝がある場合の道幅はどう計算するのか?
L字型側溝(この用語も初見)、U字型、あるいは水路、そして川…いろいろなケースが書かれてある。
ネットに幾つかの相反する記述があったがどうやら側溝は道幅に含められるらしい。ほっ…
まあ上に蓋をすれば車が走れるわけだし…
それにしても、なぜ自分はこんなに調べまくらないと気が済まないのだろうか?
身体の不調で新しく診療科に受診に行くときも、10年以上使った大物家電を買い替える時もとにかく調べる調べる…
だからいい加減脳みそが汗だくになって、考えるのが嫌になって、新しいものを買ったりするのが億劫になる。
物欲よりも面倒くささが先に立つ。
今の車の前に乗っていた愛車が、10年過ぎてそろそろ買い替えを…と思っているうちに15年、20年…
23年目に「次の車検はありませんよ」とディーラーに引導を渡され、とうとう大物故障で代替部品も不可能で廃車になったのもこのせいだ。
病院にしても工事にしても、いろいろと詳しい専門家がいるので面倒なことは任せたらいいではないか?
それができないのは、まずそういう「専門家」が信用できないという難儀な性格。
そして予備知識をもって接しないと、医者や業者にいいようにされてしまうという「即断力」の無さ…
考えに考えたら最後に決断する力はあると思うが、よく分からない分野で判断を求められたらぱっと決める「即断力」はまるで無し。
狼狽して流されて「あ、じゃそうして下さい」とついつい安易にyesと言って後で自分に腹が立つ。
こんなんじゃ、大統領選に候補者として立つのは控えたほうがいいだろう…と己を知っている私だ。(笑)
それにしてもこういう土地の境界線を正確に調べるにはどうしたらいいのだろうか?
測量士に測ってもらう? 塀を建てるのと変わらないくらいの料金がかかったのではバカバカしい。
考えることが次から次にでてきてブロック塀改修の道は遠い…
ではいけないのだ、今回は。
進めねば。