当然ながら各種サイズが用意されている。
はて、自分の持ち物は小さいのか、大きいのか、普通なのか…?
今ごろになってこんなことに困惑しようとは…(笑)
サイズに加えて固定する方法が2種類あった。
避妊用コンドームのようなやり方で装着したあと、外周を専用のバンドなどで巻く方式と、
内側に予め接着剤(粘着剤)が塗ってあるタイプ。
これは色々なタイプとサイズを少しずつ買って試してみるしかなさそうだ。
私のAmazonのprime会員になっている。
数多くの商品がprime対象になっているから、近年会費は上がったものの小物をちょこちょこ取り寄せる場合は郵送料無料で十分モトが取れる。
加えて配達日時の指定もできるし。
しかしこのような特殊な商品はprimeの扱いはない…というより、Amazonの品ぞろえで辛うじて1品ヒットしただけだった。
ネットで調べた専門店から直接購入することにする。
怪しい会社ではないと思われるが念のためクレジット決済は避けて郵便局口座へ振り込みにした。
ゆうちょダイレクトを使っているのでネットで振りこめるし月に5回までなら送料はタダだ。
コンドーム型カテーテルの値段は、1個100円台から400円近いものまで。
1個ずつ購入できるものや、5個がセットになっているものなど様々。
他に畜尿用のバッグや連結するためのチューブ、身体(脚)に固定するバンドなどがいる。
少しずつ品を変えては試行錯誤の末、ちょいどいいサイズと種類が決まった…接着剤つきの方だ。
傷テープや湿布のように肌に貼り付けられるのだが、粘着力が「ハンパない」。
これだったら絶対脱落したり漏れたりはしない。とにかくそこのところの安心感が一番大切。
とはいえ、慣れないうちは二度失敗してしまった。
初めて装着して恐る恐る、制御しながら(汗)出してみる…
途中のチューブでつかえることもなくすっと通りがよく進む。
…そのはずだ。
バッグの排出コックを閉め忘れフローリングの床にそのまま垂れている!
母の介助のとき何度こうして床を拭いたことか。今度は自分が汚すとは…
もう一つは動いたときチューブを引っ張るようになって締めの甘い連結部が外れたり。
失敗はあったものの、それが骨身にもしみて何とかイケそうだという目途がついた。
外出にも1度使ってみて概ね良好だった。
「カテーテルの件ですが、いいですよ」
入院前に入院支援室であった問診で看護師が言った。
予め自分で用意した外付け型のカテーテルを使いたいと要望を出しておいたのだ。
こちら(病院)でも用意できますが…と言ったような気もする。
メーカーのサイトによると欧米では尿道カテーテルよりこのコンドーム式の方が一般的だそうだ。
感染症の防止や体への負担を考えると絶対有利だと思われるが日本では普及していないのは保険適用外とかそういった理由だろうか。
結構、コストは高い。
ところで先日の不調で膀胱炎を疑った原因の一つにこのカテーテルがあった。
畜尿バッグは逆さにしても逆流しないようになっている。
尿はカテーテル先端からチューブを通ってバッグに落ち込むわけだが、その経路の途中でごくわずか数滴分にすぎなくても残ってしまう。
いったん体内から出たものは外気に触れる…ということは時間を置くにしたがって雑菌がふえるということだ。
もし高さの関係でそれらが後戻りしたら…
と、そこまでは考えすぎかもしれない。
1週間前の不調の原因は結局分からないままだ。
畜尿バッグも持参して念願通り自分で頻尿対策をセットして(やはり他人にしてもらうのは躊躇がある)臨んだ検査だが、予想外に短時間で終わった。
心臓カテーテルの挿入は第一選択である左手首の血管からできた。
押したり戻したりしてワイヤのついた長いカテーテルを進めていくため血管の入り口に予めそれを通すパイプをセットした(ようだ)。
検査後は結構大きい傷口なので出血しないようエアの入ったバンドで手首を強く巻く。
血液が漏れて内出血状態になると手首から腕から真っ黒になることもあると。
実際同じ手術をした父の場合はそうなっていた。
1時間ごとくらいに看護師が来て血圧を測り、圧迫帯のエアを少しずつ抜いていく。
右手は翌日まで点滴に繋がれていて、座って食事はできるもののほぼ翌日までベッドで寝たまま過ごす。
自宅から、新品の「マイ尿瓶」を持ってきてはいたが、排尿のカテーテルはそのままつけたままだった。
「痛くはありませんか?」と看護師が聞く。
術中はカテーテル挿入口の痛みの対策か局部麻酔を使うが冠動脈検査中は痛みというものはない。
「息を吸って…はい止めて」などといろいろと指示をされるしそちらに注意もいく。
終わって病室で寝ている途中から、左手首から腕全体が何だか「ダル重い」「ダル痛い」という感じになった。
看護師が鎮痛剤を持ってきてくれる。
その効果が切れたと思われる真夜中にもまたそうなってよく眠れない。
ずきずき痛いとか痛くて眠れないというほどでもないのだが、こんな時は我慢していても何のメリットもない。
「飲んでいい時間か聞いてきます」と言った看護師がやがて鎮痛剤を2錠持ってきてくれた。
この間…というより、翌朝退院で離床するまでトイレはずっとこのコンドームカテーテルだ。
夜中でも巡回に来た看護師がバッグに溜まっている尿を確認したら捨ててくれる。
寝ているフリをしていたが、ときおりばっと布団の裾をめくって懐中電灯で照らしているのはチューブが折れたり継ぎ目から漏れたりしていないか確認しているのだろう。
こちらは尿意を感じたら起き上がったりすることもなく、おむつのような不快感もなく横着な体勢のまま何食わぬ顔で「しれっ」と用を足すことができる。
これは…ドラえもんの「どこでもドア」ならぬ…
どこでもトイレ!! (笑)
いや~、こりゃラクだわ。なんなら一生こうしていたいくらい…
いやいやいや…
そんなことをしていたら、あっという間に膀胱は縮んでしまうし膀胱括約筋は緩みに緩んで使い物にならなくなるだろう。
人間、我慢する生活も必要なのだ。
翌日はもう退院。しかも10時までには部屋を出ろと。
点滴が外されやっと着替えもできるようなった。
「カテーテル外すんで、吸水シーツみたいなもの何かもらえませんか?」
病棟に来た看護師に頼む。ベッドの上に敷いておかないとチューブを外すときごく少量だがこぼれそうで。
「あ、自分で外さないで下さい!! すぐ(別の看護師が)来ますから!」
すぐにベテランらしい看護師がやって来た。
慣れた手つきでベリベリベリ…
前にも書いたが粘着力が結構強い。い、痛ったた…
と訴える暇もあらばこそ、あっという間に外してバッグごと処理室にポイしに行く。
(あ、そのバッグまだ使… )
使ってはいけないのだ。
後で気が付いたが、丈夫なポリ塩化ビニル製のバッグだが1週間をめどに交換する使い捨てタイプだった。
数百円から千円台だが、これが洗浄して繰り返し使えるタイプだと10倍の価格となる。
ここらあたりが課題だが、今後長時間トイレに行けないシーン…例えば手術や治療、あるいは冠婚葬祭などの一つの解決策になりそうだ。
…あと皇室主催の園遊会とかノーベル賞授賞式典などでも。(笑)