郵便受けに見慣れぬ封筒…
ああ、入院セットの請求書か。
退院後、入院費とは別に郵送される。
先日の入院のとき頼んだ衣類レンタルAセット、
パジャマ類とタオルのレンタルに「サービス品」という日用消耗品がつく。
サービス品の「初回お渡し」として歯ブラシ、歯磨き粉、ティッシュ、ウェットティッシュ、コップ、割りばし、スプーン、ストロー。
「希望者にお渡し」でおしぼり、剃刀、くし、薬飲み、使い捨てエプロン、うがい受け、口腔ブラシ、入れ歯洗浄剤、入れ歯ケース、爪切り、鏡、口腔シート。
かなりの品目がある。100円ショップで揃えるにしても全部揃えたら結構な金額だ。
シャンプーやシェービングフォーム、ボディソープ類はなどは共同浴室に置いてあると。
「爪切り、鏡、バスケット、日用品BOXはお持ち帰りいただけません」とリーフレットにあるので他は退院時に持ち帰ってもいいのだ。
実際、母の入院時に使ったストロー穴のついた蓋つきコップなどが家にあり、母の退院後の介護で重宝した。
また別に紙おむつオプションも用意されているし、布肌着や靴下、履物のオプションもある。
金さえ払えば身一つで入院もほぼ可能だ。
今回の入院は少なくとも1週間はかかると思っていた。
下着類は洗濯用も考え上下複数枚、それも厚手を持参し、院内の売店などに行けるようになったら病衣の上に羽織るものも要る。(寒がりなので)
スマホは絶対必要だし充電アダプターも必ず要る。
万一充電できないことも考えモバイルバッテリーも…
もしベッド近くのコンセントが医療器機で塞がっているとき(よくあること)のため分岐コンセントは必須だ。
枕もとまであと少しのところで長さが足りないことがあったので50cm程度の延長コードがあればなおいい。
いつも使っているシェーバーも要るし、これにも充電アダプターが要る。
ベッドの上から落ちたものを取ったりとマジックハンド(リーチャー)は必須だ。
背中が痒くて孫の手が欲しかったことがあったなあ…
ハサミも持っていかないと左右の手で袋が裂けない私は薬を出すのも苦労するし…
手足が不自由な上、検査当日か翌日まで点滴をつながれ自由に動けないことを考えると
持っていくものは膨らむ、膨らむ。
忘れ物をしたから後で家族に持ってきてもらう…ということもできないし。
入院セットにあるものは全部自分で揃えられるのだが、極力荷物を減らすために入院セットを頼んだ。
単身、タクシーで来るのだから持てる荷物は限られる。
「コンビニで先月分を払ってきますワ…いや~おむつ代が高い、高い!!」
在宅介護が始まる前に母が入院していた病院で、kさんという60代から70代と思われる女性が同室に居た。
もともとアルツハイマーを患っていたのだが骨折で入院していたのだ。
そして70代半ばのご主人が付き添いで病室に寝泊まりしていた。
そのkさんのご主人がぼやいていたが、私も全く同感だった。
病院は今回の基幹病院とは別の公立病院だったが、この手のセット料金はどこも同じようなものだろう。
一日あたり数百円という金額に惑わされ?気軽にあるいは止むにやまれず申し込むが、10日、20日、1カ月、2カ月…と長くなるほど
「えっ、こんなに!?」と驚く金額になる。
まあ日数を掛けてみれば至極当然の金額なのだが。
母の場合は、急な入院で動転していたこともあり当初はおむつもセット品を頼んだが後に自分で買って持ち込むようにした。
詳しく比較はしていないが、安い店で買いだめするなど自前で用意する方が経済的だと思ったのだ。
届いた封筒にあった請求金額は415円。
一晩で帰ったから1日分だ。
パジャマに代えて術衣を1日使用。
バスタオルとタオルは畳んで病室に置いてあってタオルだけ使用。
病室に入って翌日の10時前に部屋を出る時までずっとベッドの上だったので、口はうがいしただけで歯ブラシセットはそのまま。
幾本かの箸やストローも残ったまま。
開封もしていない歯ブラシセットはどうなるのだろう?とふと思った。
おそらく新品でも一旦病室に出したら使いまわしはしないだろう。
ちょっとしか使っていないティッシュ1箱(実際はビニール包装)もウェットティシュも置いて帰れば廃棄だろう。
だからバッグに押し込んだが、立派なコップは嵩張るので残した。
このコップとか、丈夫な入れ歯ケースとか消毒してまた再利用する? いやいや廃棄だろうな…勿体ないが。
1日415円の入院セット…
私のように一晩で帰る患者ばかりだと業者は完全に足が出るだろう。
2日でもたぶん…3日、4日だと微妙なところか。
1週間以上いてくれて、はじめて利益がでるという気がする。
入院が長くなればなるほど用具類の1日当たりコストは減ってくる。
コップ類は最初の1回用意すればいいだけだし、入れ歯入れは若い患者は必要ないし、薬飲みは皆が皆必要でもないし。
まあ業者の採算を私が心配する必要もないのだが。(笑)