年初に受けた心筋シンチ検査の結果が出て一時中断した「母が入院中のとき(9) おしっこが出ない」の続き-

 肺塞栓で一時HCUに入って以来、母に施された尿道カテーテル、
 いったん抜去されたものの排尿がなく再留置。
 長引くと尿路感染症や排尿障害が心配だ。

 そんなとき泌尿器科へ受診予約を入れたと言われた。
 前日に妹に送ったメール。()内は補足。

 Sub:明日も(来なくて)いい
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 整形と泌尿器科の受診があるので一日中(病院内に)いる。
 泌尿器科は何か悪い所が見つかったのか或いはもうカテー
 テルは外せないとの引導かも。今日は4時過ぎにリハビリ。
 席を外そうとすると「黙って帰るな」と泣く。


 そうだった…
 このころ、多分ベッドの上で足の屈伸など簡単なリハビリが始まっていたようだ。
 そして認知症の周辺症状の一つである「つきまとい」が既に顕著になっていた。

 ベッドの上だから付きまとうことはできないが、その分不安一杯なのだ。

 「お母さんが大きな声で呼んでますよ!」

 廊下のコーナーに置かれた小机の上にレシートを並べて整理していたら看護師が飛んでくる。
 ちょっと階下に行こうとしたのか、或いは家に帰ろうとしたときだったか「行くな」と必死で二の腕を抱えこんできたことがある。
 すごい力だった…


 そして翌日、いずれも代理受診だが整形外科のあと泌尿器科に呼ばれた。

 カテーテルを外せ外せとうるさい私に手を焼いて専門医から説明させるつもりではないか?
 そんな思いで身構えるように診察室に入る。

 この病院の泌尿器科は常設ではなく外部の開業医が、週に2回くらい来る。
 医師は30代くらいに見える男性で口ひげを蓄えていた。

 今でこそ若い男性のあご髭、口ひげは一般的だが、昔はそうでもなかったように思う。
 医者が、特に若い医者が髭を生やしているとなんだか無理して権威付けをしているように感じてしまう。

 その分、浅薄に見えてしまうというのはあくまで個人的な感想…私は人を顔で判断する。(汗)

 「今の状態では、カテーテル留置が妥当です」

 と、やはり話はそのことだった。

 カテーテルがあると風呂にも入れないのではないかというと「いや入れますよ」とこともなげに言う。

 そうかも知れないが…この先ずっと外せないとなると、病気も心配だし本人も不快だろうし、
 入浴介助は介護士やデイに頼むとしても煩わしさは半端ないかもしれないし…

 「今後のリハビリ次第で、歩けるようになるなら外すことも考えていい」

 食い下がる私にそう答える医師だったが、

 外そうという気はないな…

 適当にあしらわれているように思いながら診察室を後にした。

 HCUに入ったときとか緊急の場合は看護上しかたがないが、
 専門医ならむしろ積極的に早期抜去の方向で考えてくれて然るべきではないだろうか…

 たぶん当時95歳という母の年齢から、医師はもうこのまま歩けるようにはならないと思っているのだろう。

 専門科でこう言われたなら、もう病棟で訴えても取り合ってはくれないだろうなあ…
 後は母にリハビリを頑張ってもらうしかないか…

 外せる日は遠のいた…と意気消沈したのだが、

 「母が入院中のとき(8)」で書いたように母は自分で強引に外してしまった!
 もちろん意図してやったことではなかったろうが…