韓国経済新聞のインタビュー記事 概要全文掲載 | 平野敦士カールオフィシャルブログ「プラットフォーム戦略®経営講座★」Powered by Ameba

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(株)ネットストラテジー代表取締役アマゾン1位 プラットフォーム戦略他著書多数元興銀マンゆかし会員 

先日受けた 韓国経済新聞のインタビュー記事が掲載されたようです^^

ベストセラー作家の仲間入りとのことで^^ちょっと内容違っているところも

多いのですが忠実に書いていただいている方かなと思います

韓国メーカーもアップルのような新しい市場 プラットフォームを作るべきという

タイトルのようです^^

韓国のほうがこういう戦略系は日本よりも関心を呼ぶようですね

はじめから彼らのライバルは世界ということでしょうね

電子書籍版も日本よりも早く出すということですので

気合いがスゴイです^^

日本の企業もかつてのような情熱を取り戻してほしいですね!



http://www.hankyung.com/news/app/newsview.php?aid=2011071223881&intype=1


$★カール教授のプラットフォーム戦略講座★億万長者のビジネスモデル-koreaEconomicDailyhirano

先日の取材概要です
*質問
=プラットホーム戦略とは何ですか。わかりやすく説明してください。

「複数の関係するグループを、場(プラットフォーム)に載せることで、外部ネットワーク効果を生み出し、一企業という枠を超えた、新しい事業のエコシステム(生態系)を作り出す」経営戦略です。
これは従来の経営戦略論が一企業を前提にしていたのと大きく異なり、複数企業にまたがって新しい事業の生態系を構築するための超組織的な戦略論です。
したがって、プラットフォーム戦略のビジネスにおいては戦略、組織、収益管理方法、人材評価と育成、顧客リレーションシップなどビジネスの全体を根本的に変える必要が出てくる、全く新しい戦略なのです。
プラットフォーム戦略で成功している例としては、Google、Twitter、Facebook、Apple、楽天などインターネット企業だけでなく日本の築地市場や六本木ヒルズ、アウトレットショッピングモールなどリアルの企業にも古くから数多く存在します。
Googleは自社でブログやホームページを作成しているわけではありませんが検索サイトという「場」を提供することによって、ユーザーというグループとコンテンツというグループをマッチングさせることによって自社の広告ビジネスにつなげています。
私がNTTドコモ時代にimode企画部アライアンス部長として担当した「おサイフケータイ」も、クレジットカード会社やコンビニエンスストアなどのお店というグループとユーザーというグループを携帯電話というプラットフォームを介して結びつけて大成功した事例です。
ショッピングモールも自社でお店を出して物を売っているわけではありません。多くの店舗を誘致してそこに多くのお客さんに来てもらいます。駐車場やトイレの整備、広告宣伝などを行いますが来場したお客さんを自社の会員化するのです。

プラットフォームを提供する会社や人をプラットフォーマーと呼びますが、彼らは「場」の管理運営に徹します。多くのグループがマッチングするような環境を作るのです。
重要なことは自らが主役ではなく場や基盤を整備して「他社の力」を利用することによって参加するグループすべてにメリットを与えることです。
しかし最終的に最も利益を得るのはプラットフォーマー自身です。
なぜならばプラットフォームは参加するグループによって「自己増殖」がはじまるとプラットフォームは急速にかつ自動的に拡大していくからです。
さらにプラットフォーマーは、他社の力によって集めたユーザーを自社のユーザーとすることによって、常に最新の顧客情報を得ることができます。

成功しているプラットフォームには3つの特徴があります。
まず一番目が プラットフォーマー「自らの存在価値」があること。
つまりプラットフォーマーが介在することによってはじめて新しい価値を生み出していることです。グループ間で直接やり取りをするよりも効率的になったり選択の範囲が広くなるなどのメリットが双方にあります。
わかりやすい例は男性というグループと女性というグループを結び付けるお見合いのようなプラットフォームでしょう。各々が個別に異性を探すよりも効率的といえます。
ユーザーに対して、例えば「韓国のSNSならばCyworld」のように「○○ならばこのプラットフォーム」というブランディングを確立できればまさに「存在価値がある」プラットフォームといえるでしょう。 
次に
(2)ユーザーが増えるにしたがってネットワーク外部性が働くようにするために、ユーザー同士、ないしは「グループ間の交流の刺激」を促すような仕組があること。
最近SocialNetworkingServiceが急激に伸びています 日本でも今年の1月に映画「ソーシャルネットワーク」が公開され人気となったこともありFacebookの普及が拡大しています。
Facebookはすでに全世界で7億人近いユーザーがいますが彼らのユーザーが急激に拡大したのはこのユーザー同士のバイラルループをうまく整備したからです。
具体的には、ゲームアプリケーションをオープン化(仕様を公開して多くの会社がゲームを自由に作成できるように)したことです。これによって自社や自社とアライアンス(提携)したゲーム会社のみならず多くのゲームが投入されることになりました。

その際に重要な点は「友達を誘う」ゲームを重点的に配備したことでしょう。
IPO申請で話題になっているZingaはまさにFacebookのキラーゲームプロバイダーとなりすでに2億人以上のユーザーを獲得しています。
これによって冒頭に述べた「自己増殖機能」が強化されたわけです。
ゲームを介して自動的にユーザーがユーザーを呼び込んでくれたのです。

最近Googleも開始したクーポンサービスの元祖グルポンサービスもまさにこの点が秀逸なプラットフォームだったことにより急成長した例でしょう。

従来はレストランのクーポンはたとえば「先着10名様にドリンク無料」といった内容が多かったのですがこれではバイラルが効きませんでした。「なるべく人に教えない方が自分が得をする」からです。しかしグルポンが採用したフラッシュマーケティングと呼ばれるバイラルマーケティングは「24時間以内にこの商品を50人の人が買えば、あなたも半額で買えます」というようなものだったのです。つまり「人になるべく早く伝えた方が自分も相手も得をする」という全く従来とは逆の手法によって急激な外部ネットワーク効果、クチコミ効果が広まったのです。

しかしながら急激にプラットフォームが拡大していく中で注意すべきことがあります。
3つ目は
(3)クオリティコントロールです。
ネットワーク外部性を活かしてバイラルにプラットフォームが広まってゆくことは良いのですがコンテンツの質が低下したりユーザー同士でのトラブルなどが多発してしまっては本末顛倒です。プラットフォーマーはプラットフォームの弱体化につながらないようにクオリティチェックの仕組を設けるなど「統治する」ことが肝要です。

「悪貨は良貨を駆逐する」と言いますが、たとえばかつて家庭用ゲーム市場の8割のシェアを獲得し大成功した「アタリ」がわずか数年で売上が30分の1程度に激減して実質破たんしていしまった「アタリショック」のような例があります。・

多くのユーザーの獲得に成功したプラットフォーマーは、こうして集めたユーザーを自社が運営する利益率の高い事業へと誘導することや、プラットフォームに参加している人気のあるサービスを自らが始めることによって高い利益を得ています。これを私は「プラットフォームの横暴」と呼んでいます。
プラットフォームの横暴リスクには三つあります。
(1) 利用料の値上げリスク
(2) プラットフォーマーによる垂直統合リスク
(3) プラットフォーマーが顧客との関係を弱体化させるリスク
マイクロソフトやGoogle、Appleなども公正取引でないという訴訟を起こされてきましたがまさにこの点にあるといえるでしょう。
企業はプラットフォームに参加する以前に必ず自社の戦略を構築し、参加予定のプラットフォームがいかなる戦略を持っているかを検討する必要があるのです。

=プラットフォーム戦略を説明しながら’場’という単語が出ました。場はどんな意味をもっていますか。説明してください。

引き合うグループを仲介する「場」がプラットフォームです
プラットフォームには以下のように5つの機能があります。
(1) マッチング機能
プラットフォーム上にて複数のグループが有する需要と供給をマッチングさせる機能。多種多様な嗜好性をもった数多くの顧客を囲い込んでいるプラットフォームにおいて、自社製品・サービスを購入してくれる顧客を引き合わせてくれることが供給側にとっての魅力です。また、数多くの多様な商品アイテムが取り揃えられていつつも、的確に欲しいサービスを探し当てることが出来るマッチング機能を有しているプラットフォームが需要側にとっての魅力です。さらには、需要者の顕在化ニーズに対してのみならず、プラットフォーム内を行き交うことによって需要者に自身の潜在ニーズに気付かせるセレンディピティに訴えかけるような仕組、ないしは過去の購買履歴にもとづくリコメンデーション(アップセル/クロスセル)の仕組も一種のマッチング機能としてみなすことが出来ます。
 
(2) コスト削減機能
プラットフォーマーが提供することによって、スケールが利き、供給側が単独で当該ファンクションを用意するよりも安価に実装することが可能となる機能です。たとえば、ショッピングモールでのトイレ・駐車場、ゲーム機の著作権管理機能、その他顧客管理機能、商品管理機能、検索機能、決済機能、リコメンデーション機能といったものがあります。これらによって、需要側にとっても数多くの供給側に対する個別のトランザクション手続きをおこなう手間を省くことにもつながり、時間的コストの削減にもなります。

(3) ブランディング機能
供給側の中には、良質なサービスやコンテンツを持っているものの、ブランド力が無いがために需要側にリーチ出来ていないケースが存在します。一定のブランド力(実績・安心感)を有しているプラットフォームに参加することによってユーザーへの訴求力が増します。逆にいえばプラットフォーマーが多くの供給側に集まってもらうためには強いブランディング機能をも提供する必要がある一方で、プラットフォーマーのブランド力だけを期待して集まってくる供給側のクオリティを一定水準以上にすることが重要です。 この機能は実際に取引が開始する以前にすでにユーザーに認知されている点が特徴的です。


(4) 外部ネットワーク機能
利用者が増えれば増えるほど、そのサービスや製品の利用者全体の利益・利便性が向上していくようなネットワークの外部性をもたらすクチコミの仕組みです。具体的には需要者同士の口コミがトリガーとなって自己増殖的にあらたな購買行為につなげたり、あらたな顧客を呼び込むような商品レビュー機能や、コミュニティグループ機能などが挙げられます。
SNSなどが急激に伸びているのはまさにこの機能がブロードバンドインターネットやスマートフォンの普及によってユーザー自らがコンテンツや情報を発信するようになったためでしょう。

(5) 三角プリズム機能
直接は引き合わないが第三のグループを介在させることによって交流が生じさせる機能です。例えば30代の女性に広告を提供したい雑誌の場合広告と読者は直接引き合う関係にはないでしょう。広告を見たくて雑誌を買うわけでないからです。その場合には30代の女性が読みたいと思う記事を自ら作るかあるいは他から持ってくる、人気の附録品をつけるなどの施策によって広告と結び付けることになります。

=ソーシャルネットワーク(SNS)がプラットフォーム戦略の結晶体という評価もあります。どう思いますか。
=SNSより今後、進化した形のプラットホームが誕生すると思いますか。

あわせて以下の通りに考えます
私は拙著「プラットフォーム戦略」にてプラットフォームビジネス構築のための9つのフレームワークを提示しましたが、 SNSはプラットフォーム戦略に基づくビジネスのひとつの形態だと考えています。
SNSはその3番目の項目がブロードバンド化、スマートフォンの急激な拡大によって双方向コミュニケーションが発達したことでよりバイラルが容易に行われるようになったことが主な要因として発展したものだと考えています。
またクリスアンダーソン氏のいうフリーミアム(Freeとプレミアムを足した造語)は5番目の項目が、デジタル化によって変動費用が限りなくゼロに近づいたことなどから生まれたものだと考えています。

たしかにSNSはグループという単位から個人ユーザーという最小単位が参加するプラットフォームであるという意味では最終形に近いものであるかもしれません。しかし先日上場したLinked-inなどは仕事上の関係に特化したSNSですし、最近米国ではグループメールのようなサービスが新しく人気を得つつあるようですし企業内Twitterのようなものも人気が出ていますのでまだまだわかりません。今後もユーザーの嗜好や技術進化などによって新しいプラットフォームの形態は登場してくると思いますがプラットフォーム戦略の基本的なフレームワークは変わらないでしょう。

ソーシャルプラットフォーム戦略で重要な点は、従来のお金という基軸ではなく、友達が増えるまたは友達との関係が密接になる、つまり友達も幸せになり自分も幸せになるというあたらしいフレンドシップという概念が基軸になるという点です。

その意味でマーケティングとしてSNSを捉えることは誤りだと思います。友達に毎日あれを買えとかこれを買ってくださいとか言われたらそれは友達とは呼べなくなるからです。
企業はまずは信頼関係をユーザーと構築すること、相手に貢献すること、それが第一歩です。その上でユーザーがファンになってくれて喜んで買ってくれる という関係を構築するべきでしょう。

プラットフォーム創造の9 Stepとは以下の通りです。
(1) 事業ドメインを決定する ~社会の変化、ライフスタイルの変化に目を向ける~
(2) ターゲットになるグループを特定 ~引き合う関係を探しあてる~
(3) プラットフォーム上のグループが活発に交流する仕組をつくる
(4) キラーコンテンツ、バンドリングサービスを用意する
(5) 価格戦略、ビジネスモデルを構築する
(6) 価格以外の魅力をグループに提供する
(7) プラットフォーム上のルールを制定し、管理する
(8) 独禁法などの規制、特許侵害に注意する
(9) つねに進化するための戦略を考える ~First Mover Advantageは通用しない~


=最近プラットホーム戦略が注目されている理由についてどう思いますか。

プラットフォーム戦略は2000年頃からフランスの学者や日本でも大前研一氏などが注目をしていましたがとくに近年デジタルコンバージェンスの進化の中でGoogleやFacebookなどの具体的な成功例が創業わずか数年で数兆円の時価総額の会社に成長しているという実例が出てきたことによって実証研究ができるようになってきたことが大きな理由でしょう。
ビジネスモデルの基本的なものははるか昔からクレジットカードなど私たちの身近に存在していたのですがさきほど述べたようなバイラルのスピードと範囲の拡大やFreeモデルなどの新しい事業が誕生してきたことによってあらためて注目を集めているのだと思います。
具体的には以下の5点といえるでしょう。
(1)技術進歩の速さ
(2)顧客ニーズの多様化
(3)ITの進化により外部ネットワーク(クチコミ)が広範にかつ迅速に拡大
(4)デジタルコンバージェンスの進化
(5)具体的な成功事例の登場
とくにデジタルコンバージェンスはこれから最も大きな変化を世の中にもたらすでしょう。あらゆるものがデジタル化されることによって従来の産業という枠組みが一旦崩壊して、新しい形の産業に収れんしていくことを意味しています。たとえばレコード産業やCD産業という最終製品で産業が定義されていたのが、音楽のデジタル配信が普及したことによってアップルのような著作権処理技術をもつコンピューター会社が音楽産業の担い手になったのはわかりやすい例でしょう。今後家電や車、書籍などもこれらと同様に産業そのものを消滅させ新しい担い手による産業を生み出すかもしれません。

=新しいメディア時代が進行しています。既存、先生が提示したプラットホーム戦略にかわりはないですか。

私は個人が情報発信や企業のブランドそのものを構築するような世界がより進展していくと考えています。中東の国家をも揺るがすほどの民衆のパワーとしてのプラットフォームはすでに国家というフレームワークと対坐するほどになってきています。
基本的なフレームワークは変わりませんが、企業戦略としてのみならず国家戦略としてのプラットフォーム戦略の重要性が増していくと考えます。中国におけるFacebookやGoogleと政府との関係を見ればよくわかると思います。今後は逆に政府がいかにプラットフォーム戦略を実践していくかという時代になるのでないかと思います。
その意味では個人から企業さらには国家レベルまで応用できる戦略であり、逆にこれらを知らないとある日突然国家崩壊や企業消滅、逆に国家による民意の誘導などが現実に起きてくるでしょう。
すべての人に学んでほしいと思います。

=楽天とかアップルとかFacebookなど企業らがプラットホーム戦略をたくみにつかって成功しました。主にインターネット企業が多いのはなぜでしょか。
=一般企業よりインターネット企業の方がプラットホーム戦略を使うに有利な環境ですか。
まとめて回答いたします

9つのフレームワークで述べたようにクレジットカードをはじめリアルの店舗や市場などでもプラットフォーム戦略で成功している例はたくさんあります。
しかし例えばミョンドンの一等地にお店を出すのには巨額の資金が要りますね。インターネット、とくにブロードバンド化やスマートフォンの普及によっていつでもどこでも個人や企業が極めて廉価に情報発信を行い双方向のコミュニケーションがほぼ無料でできるようになったことにより、いわばミョンドンの一等地にだれでもが出店できる可能性が出てきたということです。Facebookなどは企業ページ(FacebookPage)の利用は無料ですしファンを集めることによってそれらの属性やアクセス状況が簡単にわかりますしメールを出すこともできます。こうした変動費の限界費用が限りなくゼロにすることができるのはインターネットならではのメリットだと言えるでしょう。またバイラルの自動増殖化も容易になったのです。これはいわば井戸端会議(街角で主婦が数人集まっておしゃべりをすること あそこの魚屋さんの魚は鮮度がいいですよといった噂話をする)でのクチコミが、ネット上では瞬時に全世界に発信されるという大きな進化が起こったためでしょう。

しかし一般企業もインターネットでのクチコミ情報などや顧客とのコミュニケーションが必要になってきていると思います オバマ大統領はTwitterを巧みに利用することによって巨額の寄付金を集めまた各地の集会への動員に成功したことから当選したと言われています。

これからはリアルの企業やメーカーなどこそがプラットフォーム戦略を活用するべきだと考えています。
SNSなどはマーケティング戦略として注目を集めていますが実はプラットフォーム戦略の見地からは非常にもったいないと思います。
自社の製品やサービスのバリューチェーンのあらゆる段階においてソーシャル化・プラットフォーム化は可能なのです。
たとえば製品開発をソーシャルプラットフォーム化することによって多くの人が参加意識をもつことになるでしょう。それは彼らが自分も参加したんだという意識をもつことによって協力はクチコミを生み出す担い手になるはずです。そしておそらく最も先に購入してくれる顧客にもなるはずです。
これからはそうしたインターネットとは無縁であった企業こそが自社のプラットフォーム戦略を構築するべきだと思います。

=楽天とかアップルとかFacebookなどがお互いに協力したり提携したりする可能性はないでしょか。

グローバル化の進展の中で多くの企業は国家という枠を超えた戦略的なアライアンス(提携)をする可能性はあると思います。ただし企業ごとにビジネスモデルやプラットフォーム戦略も異なりますので注意が必要でしょう。

巨大なプラットフォーマーが存在する場合には、対抗手段してとられるのが「オープンプラットフォーム戦略」です。
たとえば GoogleのアンドロイドOSはあきらかにアップルのiOSが一人勝ちすることへの対抗として無料OSを作成し、オープンプラットフォーム戦略で多くの仲間を味方につけて結果的に自社の広告媒体を守る役目を果たしたわけです。いわば「負けない戦略」なのです。注意が必要なのはすべてをオープンにするのではなく自社がコアとする部分はクローズドにしてライバルが存在するレイヤーをオープンプラットフォーム戦略で守るということです。Googleは検索エンジンのSEOのノウハウは絶対にオープンにはしません。GoogleのオープンソーシャルはFacebook対抗でのオープンSNS規格ですが理由は全く同じでしょう。

このように考えるとプラットフォーム戦略でも企業によってビジネスモデルも違いますのでうまく自社のコアを守ることができるような形でのアライアンス(提携)はあり得るでしょう。

例えばアップルの収益のほどんどはIpodのようなハードの販売収益です。この場合にはコンテンツなどはなるべく安く提供する方がプラットフォームとしての競争力を維持できるわけです。もちろんコンテンツ販売手数料はありますがユーザーに対してはさまざまなコンテンツが安価に提供できる方が望ましいのです。つまりコンテンツの売り手は多い方がユーザーベネフィットが増え、結果的にハード販売が増加する可能性が高いといえます。その場合にはコンテンツ販売プラットフォームと提携する可能性があります。電子書籍などが良い例でしょう。ただしクオリティコントロールも重要ですからAppleブランドにマッチしていることが条件になるでしょう。

またFacebookは今後IPOも予想されており潤沢な資金があれば買収という手段で自社ビジネスを拡大していく可能性もあるでしょう。プラットフォーマーとして顧客のニーズを確かめながら、ビジネスチャンスをうかがっていくのではないでしょうか。

重要なのはお互いの将来的なプラットフォーム戦略をしっかりと見極めることでしょう。アマゾンとトイザラスの訴訟のように、数年後に相手のプラットフォームにすべて握られてしまうような例は枚挙にいとまがありません。

=韓国の企業らもプラットホーム戦略に興味が多いです。特にサムスン(Samsung)とかLG電子、sk通信などがそうです。韓国企業のプラットホーム戦略にアドバイス(一言)
=もしこの企業らの強みと弱みがあれば何があるのでしょか。

まとめて回答致します
(韓国経済について)
個人的な話で恐縮ですがかつて日本興業銀行(IBJ)の国際本部に勤めていた1990年代にアジア担当だったので韓国も担当していました。KoreaDevelopementBankで二週間の研修を受けたことがあり、とても親近感を持っています。当時は通貨危機で大変な状況だったことを鮮明に覚えていますが見事に復活しいまや日本の企業が見習わなければならない点が多く存在していると思います。
とくに財閥解体、IT産業奨励、グローバル化という政府の政策が奏功していると思います。一方でGDPの約6割が大手10社によって形成されており下請け企業の自立化や海外からの部品組み立て品の輸出という側面もある点、日本と同じく少子高齢化も進んでいき中国や新興国との競争の激化、今後のウォン高懸念や東日本大震災の影響によるサプライチェーンの断絶、資源価格の上昇、貧富の差拡大などの課題もあります
ただ日本と違い新産業やベンチャーが急速に育っているのは素晴らしいと思います。Naver、CJ、ファウテクノロジー、CT&T、イーマーとなど今後の韓国経済の将来性を感じます。
サムソンやLG、SKなどはすでに世界トップレベルのメーカー、通信会社に成長していますがビジネスモデルとしてメーカーからさらに総合的なプラットフォーム企業へと発展することができるのではないかと思います。そのためにはメーカー発想からプラットフォーム戦略思考へと転換を図るべきでしょう。
サムソンとAppleの特許訴訟を見てもわかりますが単なるモノ作りだけでなく限りなくコンピューター産業とのクロスオーバーが生じてくると予想されます。メーカーという立場だけではなくユーザーとコンテンツレイヤー、OSなど複合的なレイヤーにおいて競合とアライアンス(提携)をグローバルベースで見直すべき段階にきていると見ています。
ソーシャル化が進む中でメーカーが期待するユーザーニーズと ユーザーの認知満足度が異なることが明らかになりつつあるのです。それをいち早くとらえるためのプラットフォーム戦略の構築が望まれます。
具体的にはモノをつくって販売することを生業としてきたメーカー的発想では、短期的に利益を回収することを前提とするため、R&Dコスト、原材料、製造原価、粗利などをマークアップで積み上げてプライシングをおこないます。このためティッピングポイントを超えるために必要なクリティカルマスを得ることが出来ないまま、ビジネスとして日の目を見ることなく終焉を迎えるケースも散見されます。
デジタルコンバージェンスの中でユーザーとの直接の接点をもつプラットフォーム構築は必須になってきています。
「モノ売り」に固執し過ぎ、かつ、ビジネスのフィールドを複数プレイヤーからなる生態系として捉える姿勢が希薄の場合には無駄な機能追加などユーザー満足からのかい離が生まれてくるのです。実際日本の場合にはたびたび指摘されている点です。

一方で、プラットフォーム戦略思考においては、マーケット潜在性にもとづいて長期的リスクをとって初期値づけをおこなうことによって(たとえばWiiなどのゲーム機は比較的安価に提供しコンテンツ収益の一部を得るモデル)、長期的に反応をみながらゆっくりと柔軟に価格戦略を変化させながらユーザーのニーズを探っていくのです。さらには、ゲームメーカーなどに対しても生態系の仲間として収益上の管理にも含めて支援をしていくのです。
SKはスマートフォンのプラットフォームにおいては、実はGoogleやAppleのOSというプラットフォームといかに戦うかという段階をむかえていくでしょう。実際キャリアの最大のライバルはGoogleやAppleなどのプラットフォーマーになる可能性が高いでしょう。実際日本ではそういった問題が生じつつあります。キャリアとメーカーがグローバルなアライアンスをすることによってコンテンツとユーザーにとって最も魅力あるプラットフォームを構築することが重要です。
世界的にも高品質のブランド力を得た今こそ、早期のグローバルプラットフォーム戦略の構築が必要だと考えています。日本企業ともぜひアライアンスを組んでいただきたい。

=韓国は世界の中、モバイル技術が発展されていてインターネットの補給率も高いです。企業の攻め方としてどうプラットホーム戦略をつかえばいいでしょか。

スマートフォンやタブレットPCの急速な普及とさらなる通信の高速化、WiFiの普及によって実はいままでのモバイル大国である韓国や日本の優位性は失われつつあると感じています。
つまりPCのインターネットの世界にモバイルが取り込まれていく可能性が
高いと見ています。
その意味でも早期にメーカー、通信会社はプラットフォーム戦略を構築すべきでしょう。気がついたらすべて米国スタンダードになっている危険性は高いと思います。なぜならユーザーにとって安全保障などは関係ないからです。

企業はまずは自社もしくは他社とのアライアンス(提携)によって自らがプラットフォームを構築できるかどうかを検討すべきでしょう。
その際に自社のバリューチェーンを詳細に分析をしてどの部分をソーシャルプラットフォーム化すべきかを検討してください。

具体的には
(1) 自社だけ、もしくは他社と組んで、独自のプラットフォームを構築できるか?
(2) 既存のプラットフォームに参加する場合には、当該プラットフォームの将来の戦略はどのようなものか?
(3) その戦略は、自社の戦略と整合性があるか? 将来自社にどのような影響があるか?
(4) 参加した場合、自社の顧客拡大、売上増加、コスト削減または増加、自社の顧客基盤の拡大と保全はどのように予測できるか?
(5) 複数の既存プラットフォームを利用する場合には、4の予測はどうなるか?
(6) 将来自社が被る危険性があるデメリットは、契約書で回避できるか? プラットフォーム機能の一部だけを利用することで回避できるか?
という点を検討してみてください
自社が参加するプラットフォームが拡大すること、かつ自社の優位性が担保されること
の二つ条件が両方満たされることが大切です。
さもなければプラットフォームの横暴に数年後後悔することになるでしょう。


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