最近、IT業界から話題になった職場での教育について盛り上がった。
もう既に熱は冷めてきたが、各々が意見を出し切ったと思って良いだろう。

教育の議論は以下2つの派閥のような人がおり、意見がぶつかった。
・トレーニーに考えさせるべきだ
 ITエンジニアは考える力がなければ、生き残れない。
 だから考えさせるべきだ。

・トレーニーに手取り足取り教えるべきだ
 いきなり考えさせるのは、ハードだ!いじめだ!パワハラだ!
 ちゃんと手取り足取り親切に教えるべきだ!

この2つが対立しているのだ。
ここから別の職業の人からの意見、現場に配属される新人の状況等、さらに広がっていく。
個人的に気になった意見をいくつかピックアップする。
・うちは手取り足取り教えるべきだ(IT業界以外の人)
・入ってきた新人は何も知らない
・本人のやる気やスタンスの問題

ここで気付ける人は気付けるだろう。
そう、各々が考える前提条件がバラバラなのだ。
私もそれで恥ずかしい思いをしたことがある。

ということで、誠に勝手ながらここからは私が想像した内容で記載していく。
まずは前提条件。
前提条件1:IT業界のプログラマが対象
 いきなり前提条件が合わない人たちがいる。
 IT業界でない人:
  興味を持っていただくのは良いが、必ずそちらの業界とIT業界の教育方針が同じであることが適切であるとは限らない。

 IT業界の保守運用の人:
  「IT業界だから」という理由で毎日同じ作業を行う保守運用者、オペレーターを育てる人。
  しかし、プログラマが請け負う仕事の系統が違うので、この教育方針の議論の対象ではない。
  (プログラマが保守運用を担当することもあるが)

前提条件2:現場での教育方針である
 これは研修中ではなく、そのように想定した。
 意見を出す人の中に「現場に使えない新人がいる」というような人がいるからだ。
 だが、ここに違和感を覚える。
 正体はトレーニーの状態だろう。

 トレーニーに考えさせるべきだ陣営:
  しっかりと研修を受け基本的な部分が出来上がっているレベル。

 ・トレーニーに手取り足取り教えるべきだ陣営:
  何もしらない新人~は研修したがまだ未熟と思われるレベル。

そろそろ議論するうえで本来の前提条件が見えてきた。
入社→研修(手取り足取り+少し考える)→現場(考える)であると。
結局は各々が思うがままの状況を思い浮かべ、それを1つの会議室でワチャワチャしていただけなんだと。

・オッサンなりの教育方針
 考えるには知識と経験が必要である。
 手取り足取り教えることは知識を与えること、
 考えさせることは得た知識を使い考え、経験を積ませることである。
 そして、手取り足取り教えるべきか、考えさせるべきかの度合いはトレーニーによって異なる。
 最適解は各々の現場で異なるのだ。
 (最適解を出すのがエンジニアの仕事でもある)
 意固地に自分の意見を通そうとしても通じないものなのである。

最後におまけとしてレゴブロックの話を書きたくなった。
レゴは買った時の説明書を見ると、1つの商品の中にあるブロックの組み合わせだけで複数の作品ができるようになっていたりする。
これは「このブロックだけでできる作品(ゴール)は1つだけではない」ことを示す。
説明書に書いてある作品だけを作る人は正解だけを追い求める人である。
さらに別のレゴブロックと組み合わせて自分だけの作品を作る人は、考えることを実践する人である。