アパートのポストに何か着ている。
特に意味はないが、ハンドル・ネームを変えてみようと思う。
何か良いネーミングがあったら教えて下さい。
「カラスくらげ」のままでもいいんですがね。
久しぶりに、杖なし散歩に出る。
右足もそうだが、右の肺切除した跡が突っ張って歩き辛い。
駅まで行ったところでギブ・ウップ。駅前の広場のベンチで一休み。
アイスクリームが食べたいと思ったが、周辺にコンビニがない。
仕方なく自販機で午後の紅茶を買い、ベンチに戻る。
しばらくダラーッとしていると、知らない小父さんが近寄ってきて、、
「よう、久しぶり。身体はもういいのかい」
と、訊いてくる。
「あのう、大変申し訳ないんですが、ここでお会いしたんでしたっけ」
「そうだよう、救急車呼んでやったろ」
それで思い出した。貧血で倒れたときに119番に電話してくれた小父さんだ。
「どうも、その節はお世話になりました」
その後、病状の詳細、手術を受けたことを説明する。
「大変だろうけど、命があってよかったじゃねえか」
「そうですかねえ、あのまま逝っちゃったほうが楽かもしれませんが……」
お礼を何度も云い、帰路に就く。
アパートのポストに何か着ている。
送り主はKY君のお母様。中身は何と革製のアイ・パッチが二個入っている。
KY君から聞いたのかな?と思い、ともかくお礼の電話をする。
「眼帯届きました。ありがとうございます。KY君から聞いたんですか?」
「違うわよ、ミクシーの日記に書いてたじゃないの。付けてみた?」
「いえ、まだです」
ご両親にも読まれているとなると、これからは滅多なことは書けないな、と思った。。
ただいま身長173cm、体重53kg、太っているんだか痩せているんだか、よく判らない。
ただいま身長173cm、体重53kg、太っているんだか痩せているんだか、よく判らない。
年下の友人KY君の場合は、もっとひどく身長167cm、体重42kgと、僕より深刻だ。
二人とも病気が原因なのだが、外食するときに一人前を註文し、それを二人で分け合う行為をしていた。もっとも、それだけでは悪いので、ビールやらウーロン茶の焼酎割り、更におつまみを頼んだりするが。
それでも食べ残しそうな場合は折詰めにしてもらう。
酒も頼んだし、こんなものだろう、と、いつもそんな風にやっている。こうなる前は僕が残飯処理係になっていたのだが。
こうして、こちらの要望を聞いて貰うには、店が限られてくる。
松屋の店員さん、お金使わなくてゴメンナサイ。
ようやく、右足の小指の爪が伸びてきた。
でも、絆創膏は付けっ放しで、杖なしリハビリ散歩に出る。
やっぱり、右足を庇っているせいか、腰が痛い。
ビッコを引きながら、駅前の銀行へ。
用足しが終り、表に出ると、腹が減っているのに気が付いた。
眼の前には、松屋。ここでちょっと考えてしまった。
僕の、今の胃袋では牛めしの並も食べられない。
どうしようか、と悩んでいたが、ようやくメニューが決まった。
生野菜。これなら、食べられる。自販機で食券を買う。110円。
なんだか、悪いような気がしながら、カウンターにつく。
フレンチ・ドレッシングを掛けて食べると、これが旨かった。
もしかしたら、ドレッシングが味わいたかったのかもしれない。
一皿では、さすがに物足りないので、もう一皿追加。
半分ぐらい食べたら、お腹がくちくなって来たが、無理して全部食べる。
合計220円で満腹して、店を出る。
いつもコンビニで買っていたサラダだったが、これからは、松屋の持ち帰りで買うことにしようと思った。
松屋の店員さん、お金使わなくてゴメンナサイ。
昨晩は、しばらくご無沙汰していた中野に出掛けた
昨日から引き続きKY君の家にいる。
昨日から引き続きKY君の家にいる。
お父様は会社に行き、僕は杖を持たずにKY君と一緒に雑司ヶ谷霊園までリハビリ散歩。
墓石に様々な意匠があるのに感心しつつ歩く。
「夕べは眠れましたか?」
「いや、明け方、少しウトウトしたぐらいかな」
「大丈夫ですか」
「もう慣れちゃったよ。ところで水木しげるって漫画家知ってる?」
「はい、ゲゲゲの鬼太郎の人でしょ」
「その水木先生ね、人の墓石に立ちションするのが趣味だったんだって」
「なんでまた」
「ションベンを通じて死者と交信ができると信じていたそうだ」
「何だかバチ当りのような気もしますけどね」
「君もやってみたらどうだ。ほら、そこのいかにも成金そうな墓石はどうだ?」
「いやですよう」
どうにも面白くない。
「あと、志賀直哉先生がね、迷信が大嫌いで、小さなお地蔵さんを片っ端から蹴って歩いたことがあったそうだ」
「それも悪趣味ですね」
「それが趣味なんだから、仕方がない。この話には続きがあってね、志賀先生、蹴ったほうの足が原因不明に腫れ上ったそうだ。その話を聞いた奥様が神社に快癒祈願のお参りに行こうとしたら、そんなことはしてはいけない、足は時間が経てば自然と治る、一回でもそういう神頼みみたいなことをすると、それが癖になってしまうから断じて駄目だ、と云われたそうだ」
「ふうん」
「聞いているのかい?」
「なんか蒸しますね」
「聞いていなかったのか」
「聞いてましたよ、鰯の頭も信心からということでしょう」
「ちょっと待ってくれ、頭が混乱してきた」
「奥様が信仰を持っていて、それを志賀先生が厭だったんでしょう」
「そうだよ、君が変な例えを出すからいけない」
「すみません、そろそろ帰りましょうか、随分歩きましたよ」
「うん、ちょっと疲れた」
こうして、信仰と迷信とは全く縁のない二人は、ヒョロヒョロとエアコンの効いている家へと戻るのであった。