近鉄本社に提出したFGT企画書 | 家庭内別居楽しむハダカデバネズミ

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「熟年離婚」とまではいかない、いやいけない「家庭内別居」。
嫁に話しかけても無視され食事は一人で外食かコンビニ弁当。
洗濯は二週間ぶんまとめてコインランドリーで。
こんな状況も楽しく生きるおっさんです。

鉄オタの僕は特に近鉄を愛して止まないのですが、その理由は沿線住民である

ことが起因しますが、何よりもファンをワクワクさせる魅力的な車両を次々と

世に送り出してくれるからに他なりません。

 

 

そんな近鉄が少し前に鉄道ファンたちをザワつかせた話題が二つありました。

その一つが軌間(2本のレールの間隔)が違う路線を直通できる軌間可変台車を

履いたフリーゲージトレイン構想。

 

もう一つは集電方式が異なる路線を直通できるハイブリッドトレイン構想。

これは大阪メトロ中央線の第三軌条750V集電方式と近鉄奈良線の1500V

架空線いわゆるパンタグラフからの集電を両立させるというものです。

 

▲近鉄ホームページ ニュースリリースより。

 

どちらの案も実現すれば日本初の技術となり、合併を繰り返して路線を伸ばし

てきたゆえに路線規格がバラバラな近鉄の泣きどころをカバーできるという

ファンにとってはまさに心踊るニュースではありました。

 

ところが計画発表後すぐにコロナ禍が訪れて乗客は激減。現状維持すら困難な

なか、この夢のような構想は自然消滅したかに思えましたが、そこは近鉄。

コロナ禍明けに備えて、しっかりと作業は進めていたようです。

 

 

▲近鉄ホームページ ニュースリリースより。

 

こちらは関西大阪万博からのIR絡みなので、そちらの動きが頓挫しているのが

気になるところです。

 

ではフリーゲージトレインの方は?というと先に研究を進めていたJR九州が

長崎新幹線開業に向けて試験車両での実験まで進んでいたにもかかわらず。

「やっぱ 無理!」と諦めてしまったという技術的に高すぎるハードルが存在。

 

▲JRのフリーゲージトレイン試験車両はついに開発を諦めた

 

 

 

僕が考えたフリーゲージトレインはこうです。想定として京都発吉野ゆき特急。

京都から橿原神宮前に至る京都線、橿原線は軌間1435㎜の広軌。

橿原神宮前から吉野に至る吉野線は軌間1067㎜の狭軌で、現在は大阪阿部野橋

発の吉野ゆき特急への乗り換えが必要です。(途中の通路は階段もあり結構大変)

 

京都から吉野まで直通乗車のお客様は中間の3両連接編成にご乗車となります。

 

編成は京都側からモ60100+モ60200 2両の電動車ユニット。台車は広軌。

次位はク60300+サ60400+ク60500 3両連接ユニット。台車は可変式。

次位はモ60600+モ60700 2両の電動車ユニット。台車は狭軌。

 

編成全体として軌間が異なる路線を走るのではなく、広軌狭軌を直通するのは

軌間可変台車を履く3両連接ユニットのみ。広軌/狭軌 区間はそれぞれの台車を

履く電動車を前または後に連結して走行させる考えです。

 

 

写真は元祖ビスタカーの10000系のNゲージ模型ですが形態はこの編成と同じです。

ややこしくなりますが10000系の車番に当該構想形式を( )内で表示しますと。

下段よりモ10001(モ60100)+モ10002(モ60200)電動車ユニット。

中段ク10003(ク60300)+サ10004(サ60400)+ク10005(ク60500)連接ユニット。

上段よりモ10006(モ60600)+モ10007(モ60700)電動車ユニット。

 

フリーゲージを連接ユニットにすることでメンテナンスが複雑な軌間可変式台車の数も

減らせますし、何より、モーターを搭載しないので台車の構造を単純化でき、ハードル

がぐんと下がるでしょう。

 

連接車の両端は10000系と同じく二階建てビスタカーで原点に戻ってドーム状展望席。

二階席の定員は減るけれど、特別感は半端ないでしょう。

30000系以降のビスタカーは居住性は向上したものの特別感は今ひとつなので。

 

▲10000系のビスタドーム。ちょっと窮屈だけど、これぞ「ザ・二階電車!」

 

10000系ビスタ登場当時は、その構造上二階は冷房の効きが悪く後に家庭用クーラーを

増設するという苦労があったようですが、現在の技術ならどうにか克服できるでしょう。

 

中間車は車長が短いので南大阪線の観光特急「青の交響曲」の中間車のような自由席

扱いのラウンジとしてスイーツや軽食を提供するのははいかがでしょうか?

 

▲「青の交響曲」中間車フリースペース

 

軌間変換作業は橿原神宮前駅構内の設備において下図のとおり走りながら完了!

 

 

広軌から狭軌への変換は橿原神宮前駅構内で京都側電動車(広軌)に押されてゆっくり進入。

停車時点では狭軌に変換されており、吉野側の電動車(狭軌)を速やかに連結。同時に京都側の

電動車は開放します。この辺の作業は古市駅で見慣れた連結/解放作業と同様で約2分で完了。

 

以上の内容をまとめて、大阪上本町の近鉄本社へ送付しました。

 

 

その後しばらくして近鉄本社からお返事が来ました。

 

 

正直な話「めんどくさいオタクが意見してきよったな。」と思われたかもしれません。
 

 

近畿日本鉄道様 丁寧なお返事 ありがとうございます。

 

伊勢志摩観光特急「しまかぜ」50000系の形式車番を一気に飛び越え、名阪特急

「ひのとり」が80000系になったのは、フリーゲージトレインを60000系に

ハイブリッド特急は70000系にすることを目論んでのことと推察します。

 

新型特急は商標登録された「◯◯かぜ」になるのでしょうか。

どんな車両になるのか、とっても楽しみです。

 

それまで地球が滅亡しませんように。