夜9時になろうとしているのに、家には私しかいない。


夫は仕事。長男はアルバイト。次男は友達と夕食を食べに出かけた。

今日は夕方、一人で図書館へ行った。

静かな空間でノートを開き、頭の中にあることを思いつくまま書き出した。

言葉にすると不思議なもので、絡まっていた糸が少しずつほどけるように、心が軽くなっていった。

帰宅したら4人分の夕食を作ろうと思っていた。でもその時、次男から
「今日は食べて帰るね」と連絡が入った。
その一言で、ふっと気が抜けた。
「じゃあ今日は何を作ろうかな」と考える力まで、どこかへ行ってしまった。

こんな日もあるんだな。
だったら断捨離をすればいい。
やりたいことはたくさんある。
そう思っているのに、気づけばソファーに座り、テレビを眺めたり、スマホを開いたりしている。

「テレビがあるからだ。」
 「スマホがあるからだ。」

そんなふうに思ってしまうけれど、本当は少しだけ、何もしない時間が欲しかったのかもしれない。

そんな一日の終わりに、小さなうれしい出来事があった。
ずっと欲しかった電動スライサーが、実家に眠っていることが分かったのだ。
持ち帰って恐る恐る電源を入れると、ちゃんと動いた。
新品ではない。
でも、私のところへ来るタイミングは、きっと今だったんだと思う。

欲しいと思っていたものが、買わなくても巡ってきた。
これもご縁なのかもしれない。

このスライサーで、料理がもっと楽しく、もっとラクになるだろう。
子どもたちと一緒に料理をする時間も増えるかもしれない。

人生は、思い通りに進む日ばかりではない。
何も手につかない夜もある。

だけど、そんな何気ない一日の中にも、小さな幸せや、新しいご縁はちゃんと隠れている。

今日は何もしなかった日ではなく、「立ち止まる時間」を過ごした日。
そして明日は、電動スライサーと一緒に、新しい料理を楽しんでみようと思う。