本日は、最近読んでおもしろかった書物です![]()
・荒木あかね 「ちぎれた鎖と光の切れ端」(講談社,2023)
著者は1998年福岡出身、九州大卒。2022年に江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。若いながら本格ミステリー指向で、人呼んで ‟Z世代のアガサ・クリスティ” だそうです。なんと感興誘われる二つ名でしょう。本作は著者二作目の長編書下ろし。
2020年8月、熊本県天草市の離れ小島・徒島(架空)。
学生時代の仲良しグループが旅行で訪れたこの無人島で起きた殺人事件。犯人はその中のひとりで、事前にSNSに犯行声明を未来投稿していた人物と目されました。
それから3年。犯人に関わりある人物の連続殺人が大阪市で発生。環境局クリーンセンターに勤める横島真莉愛は大阪府警の警護対象となり、吹田署の刑事・新田如子(いくこ)と行動を共にするうち、友情と同時に事件のおぞましい深層に心当たるのでした...
約230頁ずつの二部構成、全460頁の長編です。
第一部は徒島(あだしま)で起こるいわゆるクローズド・サークルの古色ゆかしいミステリーで、第二部が姿なき殺人者に狙われるヒロインとそれを守る刑事を主眼にしたシスターフッドのサスペンスアクションという贅沢な構成。緻密なので、あらすじがごくザックリにならざるを得ないのですが、最高に素晴らしい筋立てでした。
ふたつの事件はガラッと登場人物も作風も変わるのに、見事に連動したクライマックスが用意されていました。Z世代のアガサ・クリスティは羊頭狗肉じゃないと納得。超良質な作品だけに、本のタイトルがミステリー小説とわかりにくいのがいささか惜しいかも知れません。次作も期待大です。
