R大学文学部史学科の院生・あんみつ君は新年度を迎え、どうやら ‟永遠の院生設定” でいくみたいです笑い泣きええ~っ

 

 今日はぜんざい教授ねこへびの講義の準備お手伝いのあと、また新しい歴史談義に興じているようですよ...(*^_^*)

 

 

 

 

ロールケーキ ピンクマカロン コーヒー

 

 あんみつニコ 「先生、春が来ると卒入学に関係なくてもなんとなくウキウキするんですけど、これからどんどん気温が上がって夏にまっしぐらだからユウウツでもあります。次に猛暑が収まるころには、もう年の瀬というあせる

 

 ぜんざいねこへび 「はは、私も年々夏がキツくなってきたからねぇ。せめて梅雨入りくらいまでは朝夕だけでも過ごしやすいといいんだが。そろそろクーラーの掃除もしとかないと。送風がクサくてかなわない」

 

 あんみつゲラゲラ 「うはは、吸わないでくださいよ。この春も、いろんなお菓子がコンビニとかで出てますねぇ。ローソンの八天堂って広島のパン屋さんとコラボのとろけるカスタードはどれもウマい音譜 あ、このくるみ餅は天狗堂なんですか、函館銘菓だって」

 

 ぜんざいねこへび 「あ、餅を包んであるのは紙じゃなくてデンプンのオブラートだから、そのまま食べられるよ。私ははじめ、一生懸命はがそうとしてしまった(笑)」

 

 あんみつぶちゅー 「おお~っ、ほんとに焼きくるみが香ばしくておいしいっ。これは初めての食感だなぁ。ところで先生、最近は古代史だけじゃなく、戦国時代とかでもどんどん新説が登場して受け入れられてきてますよねぇ、常にアップデートしないと追いつけない」

 

 ぜんざいねこへび 「うん、いつまでも桶狭間の奇襲攻撃とか、長篠合戦の三連速射なんて言ってたらチコちゃんに叱られるよ(笑)。最近はNHK大河ドラマでも、合戦シーンでは刀のチャンバラなんかせず、ちゃんと槍で叩き合うようになってきたしね」

 

 あんみつもぐもぐ 「新説でいえば、ボクが近年ビックリしたのが斎藤道三です。司馬遼太郎さんの 『国盗り物語』 で有名になり、美濃のマムシの異名。油売り商人から一代で国持ち大名に成り上がった梟雄として、戦国時代の代表的な人物のイメージでした」

 

 ぜんざいねこへび 「そうだねぇ、従来は 《美濃国諸旧記》 という、18世紀中ごろ書かれたと思われる軍記物語を根本史料にしており、君の言った道三像はそれに依拠していた。それが1964年に始まった 『岐阜県史・資料編』 の編纂事業のさなか、明治大の福田榮次郎博士が 《六角承禎条書写》 という古文書を発見したことで大きく覆る」

 

 あんみつしょんぼり 「う~ん、昭和39年からの事業にしては、新説の浸透に時間がかかりましたねぇ。司馬遼太郎さんが 『国盗り物語』 の道三編を書いたのは昭和38年だから仕方ないとして、NHK大河ドラマになって平 幹二朗さんが演じたのは昭和48年です。NHKは新説をガン無視したわけですか」

 

 ぜんざいねこへび 「それだけ 《美濃国諸旧記》 に描かれる道三一代記が見事にまとめられていて、内容がおもしろいからだろう。軍記物なら他に 《江濃記(ごうのうき)》 《洞堂(どうぼら)軍記》 があるし、京の儒医江村宗具(1565~1664)の見聞を記録した 《老人雑話》 からも道三の事歴を探ることができるんだが、ほぼ省みられなかった」

 

 

「六角承禎条書写」(春日家文書)

 

 

 あんみつねー 「それらも道三の父の存在に触れていましたから、別に 《六角承禎条書写》 だけにいきなり突飛なことが書かれてたわけじゃないんですね。むしろこの書状が出たことによって、《江濃記》 などの記事が補強されたということですか」

 

 ぜんざいねこへび 「うん、新説というのは、つまり美濃国盗りが斎藤道三一代の仕業ではなく、道三の父・長井新左衛門尉との二代に渡った機略の結果だということだね。近江の守護大名・六角義治と斎藤義龍の娘との縁組にあたり、隠居の父承禎(義賢)が反対した手紙にそれが書かれていたわけだ」

 

 あんみつウインク 「ええと、斎治(斎藤治部少輔義龍)の祖父、新左衛門尉はもと法華坊主で西村を名乗り長井に仕え...父左近大夫(道三)が諸職を奪い取って斎藤を名乗る、ですか。書状は道三歿から四年後のもので、六角承禎は道三に追い落とされた土岐頼芸(よりのり)の義弟です。道三についてよく知ってて当然ですから、信憑性は申し分ない」

 

 ぜんざいねこへび 「室町時代、美濃国を支配していたのは守護大名・土岐氏。京都に近く肥沃なので、勢い持ち過ぎた土岐康行の代に、将軍足利義満によって撃滅された(→足利義満⑤)。応仁の乱では西軍に属し、戦乱のなかで守護代の斎藤氏が台頭していく。とくに一族の斎藤妙椿(みょうちん,1411~1480)は土岐氏の動向を左右し、京都に知られるほどの実力者だった」

 

 あんみつぶー 「道三が名乗ることになる斎藤姓は、美濃支配にとって有用だったんですね。妙椿のあと斎藤氏は分裂して争い、主家土岐氏の家督争いも絡んで美濃国内は戦乱続きでした。大永五年(1525)に至り、土岐頼武と頼芸の兄弟が家督を巡って激しく争います」

 

 ぜんざいねこへび 「この対立で、頼芸のため大いに立ち働いたのが斎藤氏重臣の長井越中守長広。長井氏はもともと斎藤から分かれたようで、源平時代の長井ノ別当斎藤実盛(1111~1183)を祖に持つ。長井荘は武蔵国幡羅(はら)郡(現:熊谷市)にあった。この長井長広のもとで台頭したのが道三の父・長井新左衛門尉というわけだ」

 

 

 

 

 

 今回から始まる新シリーズは、戦国時代美濃国。

 斎藤道三親子の国盗りから、義龍・龍興に至る四代記、約半世紀に及ぶ興亡をたどります。

 

 

 それではごきげんようねこへびニコ